女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
200 / 1,519

ママ上殿

しおりを挟む


 国や貴族であれば、リア絡みか王金貨絡みなんだが、教会であるとしたらまだ謎の追跡をしてたって事になる。どっちか判らんのは気持ち悪いな。

「公都からこの街まで、とにかく急いでどれだけ掛かるかな?」

「私なら数時間ですね」

「騎龍みたいなのがあるならもう来ててもおかしくないな。来て無いからそれは無さそうだが」

ボケにマジレスしてやったぜ。

「軍用のホルストで、乗り換えが出来て、騎手が寝泊まりせず、疲れ知らず、若しくは交代出来る…と言う条件付きで十日程だろうか」

「フラーラ、貴族の代理を立てれば数分ですよ?メリクヒャー嬢にギルドマスター、ハイネルマールも居ますね。依頼品の受け取りだけならば何れかの者を代理人として受け取りに当てる事も出来ます」

「姫様、当家とフェルーゲン・アンバリウムは論外かと思います。事実その様な命令はありませんでしたから。ハイネルマール様は国からの信頼厚い方ですが代理の命はありませんでした」

「ならば十日程の余裕はありそうだな」

「カケル、何する?」

「メルタールの教会に行って、何で追ってるのか聞いて来ようかと。王金貨を奪おうとするには暗部が来るのが早過ぎると思う。とは言え国が前々から放ってる草かも知れん。どっちか分からないから取り敢えず教会の差金なのかどうかを確認したいんだ」

「カケル様、あたしは寝具店と子供達の警護をしたいと思います」

テイカの言は尤もだがそれではまだ不安だな。渋い顔の俺を見てテイカも苦い顔になる。

「でしたら私もテイカさんに付き合いましょう」

「リュネ、良いのか?」

「あくまで付き添い程度です。テイカさんを信じてあげて下さいな」

「解った。テイカ、頼んだぞ」

「必ず守りきります!」

何も無ければそれで良しだが、多分何も無いだろう。


 飯風呂寝るして翌日の朝、ソーサーを摘んだ所でふと気付く。

「そう言えばシトンとアズが居ないけどメルタールに帰ったのか?」

「目的地はメルタールですが護衛依頼です。現地で落ち合えるかも知れませんね」

朝一番にキリッとしたカロである。髪を纏めてシャツにタイトスカート、ちょっと釣った眼鏡を掛けて女教師プレイしたい。因みに今はギルド制服のパンツスタイルで髪は下ろしてる。

「カケル、エッチな事考えてる」

「男の性だ」

「カケルたま、今からちょっと…、します?」

「メルタールから帰って来たらな」

「…お待ちしています」

溶けそうになったのを引き締めて、カロは仕事に向かって行った。俺達も行こう。寝具店にてママ上殿に説明し、テイカとリュネを住まわせてもらう事になった。ママ上殿に生活費を、居残りの二人にお小遣いあげたら出発だ。
つい流れでママ上殿って呼んじゃったけどもう良いやママ上殿で。


 街を出て、空に上がり暫し。《感知》に掛かった、俺達に悪意を持つ者が次々に消えて行く。龍種半端ないって。あの名作RPGのドラゴンが完全にトカゲに思えるわ。

「カケル様、どうかなさいましたか?」

「何でもない。所でリアよ、リアの祖先は龍と縁があったと以前聞いたが、どうやって知り合ったのだろう?」

「はい。うろ覚えで申し訳ありませんが、文献に依ると、お父様の曾お爺様が若かりし時に遠征中に出会ったとか」

  「姫様、大体合ってますがうろ覚え過ぎます」
「てへっ」

ウインクしながら舌を出し、頭をコツンとしやがった。可愛イラにて苦笑いを返す。

  「現在の公王の四代前の時代、後の三代目になられる王子であった……」
ノーノは一時間程語り続けた。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...