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お疲れ様
しおりを挟むそのまま落とすと衝撃で家が壊れると困るので二つ共浮かせてそっと着地してやったよ。
「キュ~」
龍の癖に可愛い声で伸びておる。仰向けになった龍の上に乗り、人であればおっぱいがあるであろう場所をペロペロしてみる。
「カケル、ナニしてる?」
「おっぱい吸ってみようかと」
「回復する。カケルもお疲れ様」
退けって事ね。イゼッタが杖を掲げてむにゃむにゃ言い出したので退いてやると、暖かい光がリュネを包む。
「んん…、イゼッタさん、ありがとうございます」
龍としては囁く声で謝辞を述べ、眩い光を放ち人の姿になった。
「ふぅ~。久しぶりに運動した気分です。ふふっ」
「俺は久しぶりに死ぬかと思ったよ」
「けどカケルさん、ドラゴンスレイヤーですよ。おめでとうございます」
「待て待て、殺してないからスレイヤーは違うだろ?ドラゴンバスターってならまあ納得できるが」
「龍に力を認められた者の総称なので気にしたらいけません。多少の縛りはありましたがそれでも本気でしたからね」
「《収納》されたら一発だしな」
「殆どの龍が出来る事なので、他の龍にちょっかいを掛けるのは控えて下さいね、旦那様」
龍相手の浮気は許されないらしい。多分大丈夫、人型に化けて無ければ。
昼も近付き星も降ろしてしまったので昼食は玄関前でトカゲの焼肉となった。ゴーラは無事、タレに漬け込まれたよ。
男の子達がキラキラした目で見てる。俺で無くリュネを。まあ、伝説の厄災であり、一生に一度見られない力の象徴たる存在が目の前に居るのだ。
「リュネさま、さっきは酷い事言ってごめんなさい」「リュネさまこないだの分もごめんなさい」「ごめんなさーい」
「怒ってないから大丈夫ですよ。けど、饒舌はウォリスを呼ぶと言います。気を付けましょうね」
「「「はーい」」」
口は災いの元…的な事かな?とにかく平和で何よりだ。猛スピードでこっちに来てる災厄レベルが俺達を無視して飛んでってくれればな。
一生に一度見られない龍がまた来てしまった。以前火山島で出会った赤い奴だ。
「グリューネワルター!生きていたか!」
律儀に人の言葉で話し掛けて来る辺り、悪い子では無いようだ。めっちゃ声デカいけど。
「リュネはグリューネワルターって名前だったのか」
「人の言葉だと長いので、リュネは略称です」
「高貴な響きで格好良い名前だな。所で、あの龍は知り合いなの?」
「はい。私の出来の良い方の姉で、ミネストパーレです。折角なのでお昼に誘っても?」
「暴れられるよりは良いか。呼んだげて」
リュネがお昼を一緒に…と呼ぶと、光り輝き小さくなって降りて来た。腰まで届く赤い髪がサラサラで、リュネに負けない美人さんだ。
「ん?お前、前に見たな」
「魔石探してる時に会ったね、カケルだ」
「グリューネワルターを治したのはお前だったのか。人に龍の掟を持ち出しても詮無い事だがあまり褒められた事では無いな」
「大目に見てくれると助かる。お肉焼けたのでどうぞー」
焼きたての肉を皿に盛り、フォークと共に訝しげな目のミネストパーレに手渡す。
「人は何故肉を焼くのか?食感と滴りが台無しだろうに。まあトカゲは好きだから食うが…はむ…」
はむ…はむはむ…。
お口に合ったようだ。加熱と塩と香辛料は人の文化の最たるものだからな。溶けた油と塩味、そして香辛料の刺激が舌全体を蹂躙している事だろう。
「んぐ、…ふぅ。この近くに居るのは私だけだからそう気付かれる事も無いだろうが、元の姿に戻るのは控えた方が良いな。お代わりを要求する」
皿にこんもり盛ってやった。幸せそうに食べるなぁ。
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