女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
219 / 1,519

脱糞

しおりを挟む


 居間のソファーで食後のお茶を飲みながら、女の恨み節を聞いている。あれだけ犯されてもへこたれないとは何とも強いメンタルな事だろうか。

「絶対に許さない!必ず殺してやる!!」

「助けなきゃ良かった」

「普通の奴隷にでもしてしまったらどうでしょう?性奴隷はあたしだけで充分ですから」

「身の程を弁えた方が良いぞ?ご主人は人の中でも大分強いと思う。何度も返り討ちに逢っているのだろ?」

「昨夜は可哀想な奴と思っていたが、聞く程に煽ら立ちを覚えるな。やはり灰にすべきだったようだな」

「ミーネ、それにリュネもだがコレに関わらないでくれ。昨日はミーネに好きにしろと言ったが、頭を冷やして考えたら踏み止まってくれて助かった。龍と対峙して生き残られて英雄王扱いされても嫌だし、死んで聖骸扱いされても嫌だ」

  「記憶を改竄しましょうか?」
「《洗脳》も良いけどなー、個人的には好かんのよ」

「カケルさん、もう良いじゃありませんか。集落毎消してしまいましょう」

龍は基本的に単純な答えを好むようだ。女を無視して灰にするだの村を滅ぼすだのと煽られ三昧の女だが、口を挟もうとした瞬間に反論も抵抗も出来なくなる。二頭の龍に睨まれて動けなくなったのだ。それを見て逆に冷静になれる。嫁達に感謝。

「取り敢えずそれを返して来よう。タダ飯食わす義理も無し。ミーネ、乗せてくれるか?」

「それも乗せるのか?」

「歯と歯の隙間に挟んでも良いぞ?」

何方も嫌らしい。爪先で摘んで行くそうだ。留守番組と兎達にはフェルトの作成を頼み、滝壺にもじゃもじゃを沈めておいた。

「カケルさんは、私に乗ってはくれないんですね、およよ」

「帰ったら後ろから乗ってやる。尻尾仕舞ってまってろ」

「では行くぞ」

光輝き龍の姿に戻ったミーネに、女は腰を抜かしてアワアワ言い出した。さっき彼女等が龍だと言ったのに聞いてなかったようだな。
ふわりと飛んで背中に乗るが、ゴツゴツしてて何処に座れば良いのか困る。比較的ツルツルしてるリュネの方が良かったか?

「カケル様、此方を」

気の利くテイカがフェルトのクッションを持たせてくれた。俺の尻は何時もテイカが守ってくれるな。座り直して準備が出来た事を告げると、女を摘んだミーネが空に舞い上がった。
普段飛ぶ高さよりは低い所を飛んでいるが不自然な程に寒くない。ミーネの温もり…、ではなさそうだ。風を受けないからな。

 鱗にへばりついて待つ事暫し、ランナーの集落の上空に到着した。下ではもうてんやわんやの大騒ぎで武器を持ったり逃げ惑ったり祈りを捧げたり。

「お届け物でーす」

龍の背からふわりと降りて来た俺に一同唖然。

「長宛に荷物が届いてますよー?」

「え?カケル様?」

妹が俺に気付いたので長を呼んでもらうと猛ダッシュで走って行った。周りには武器を構えた男達。面倒なので《威圧》で脱糞させ動きを封じた。

「な…、これは…」

糞を漏らし倒れ伏す男達を見て長のババアが狼狽えながら膝を折り平伏する。ミーネに荷物を降ろしてもらい、ババアの前に放り投げた。

「何度も襲い掛かって来るから面倒になって来た。お前らの誠意を問いたいんだが?」

「殺す殺す殺す殺す殺す殺すころうぐぇ!」

ぶりゅりゅりゅりゅっ!
話が進まんので黙ってもらおう。

「誠意も何も、我等に抵抗する力は無かろうの。ドラゴンなぞ連れて来られては…」

「それってさ、俺一人なら何とかなると思われてんのかな?」

「グギャギャギャ」

ミーネが笑ってる。やはり見た目なのかなー?美人のミーネより、龍の姿のミーネの方が見た目怖いし、そうなんだろうな。
何だか悲しくなったので、空に上がり、集落から半径十キロハーンの円形にスキルを使って高さ百ハーンの壁を作り、互いにこの壁を超えないようにすると約束し合い帰路に着いた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

処理中です...