女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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御礼口上

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 煉瓦の塊でしか無かった浴室が、匠のリュネ 手に依って白く輝くバスルームに変化した。

「なんと言う事でしょ~」「カッケ~」

お庭で遊んでたサミイとカラクレナイも、突然出来た煉瓦の塊に興味を示し、大改造された室内を見て感嘆の声を零す。
外に出て、中と比べて己のセンスの無さに最早笑うしか無い。逆に、これから作る新築の構想が固まった。

明かりを灯してお湯を張って…と思ったが、火の属性魔石は全部魔導コンロに加工しちゃってたのを忘れてた。後で調達して来なければ…。アルネス達が帰って来ないと出掛けられ無いのでもう一仕事。裏口と風呂の入口を繋ぐ通路を作る。
煉瓦を敷き詰め床を張り、左右の壁を建てると同時に梁を渡す。十ハーンも無いので両端と真ん中の三箇所で良いだろう。梁の真ん中から屋根に繋がる柱を付けたら屋根の梁を乗せ、屋根となる長い板状の煉瓦を乗せた。板状の煉瓦を壁にめり込むまで柔らかくしてくっ付けたら、最後に水漏れしないよう風呂の壁、裏口の壁に圧着させて通路の完成だ。
裏口から外に出られなくなったので、壁にリュネ製のドアを付けときました。ありがとリュネ先生。


「只今戻りました。裏口に建物が出来たようですが…」

客間でリュネのおっぱいを吸っていると、護衛を引き連れアルネスが帰宅した。メイドは正面から入らないので俺のクソダサ建築を見てしまったようだ。

「おかえり。魔法の練習を兼ねて大きい風呂を作ってしまった。因みに浴場の内装はリュネがやってくれた」

「リ、リュネ様が!?少し確認して参ります」

バタバタと走って行ってしまった。そしてバタバタと走って帰って来た。

「リュネ様!リュネ様におかれましては当家のような所に素晴らしい建築をお授け下さり当主及び家主に変わりまして厚く御礼申し上げ……」

御礼口上が長いのは貴族の嗜み。長ければ長い程に感謝の念が厚いとされ、代理を務めるメイドであれば更に長い口上となる…んだと思うくらいには長かった。

「カララちゃんがお洋服を貰ったそうですし、そのお礼ですよ。うふふ」

更に御礼口上が長くなりそうなので昼飯にしてもらった。出掛けられなくなっちゃうしな。

 昼飯を終えて、俺は一人でお出掛けです。カラクレナイがお昼寝してる隙にそっとカロ邸を出て、向かう先は何時もの建具屋。大通りには戦わずして帰って来た貴族と正規兵が凱旋してるのでなるべく裏道を使い移動した。土下座しないと打首…とかでは無く、単純に混んでるからだ。街から人が出てるとは言え、街に永住してる者は中々他所の街には行けないのだ。で、凱旋を見る為混雑してるのは貴族連中はそこまで治安を悪くしないし、娯楽に飢えているからだ。
裏道使って遠回りで店に着いたのに、建具屋は閉まってた。中に人が居るのは《感知》出来たので、窓からトントンして開けてもらった。

「休みなのにすまない」

「明日明後日には治安が悪くなりますから、その準備をしておりました。本日はミズゲルの核ですか?」

「それとゲル版も欲しいが、数はあるかい?」

ミズゲルの核が一ナリ一袋、ゲル版をあるだけ五十八枚購入した。職人の籠城資金になるそうで、凄く助かると言われたよ。店を出て振り返り、そっと《強化》と《耐性》を掛けて帰った。

カロ邸に戻ったら、核を魔石に加工して、リアに火の魔法を十個、既に帰宅してたノーノには水の魔法を二百個付与してもらった。残る光の魔法だが、イゼッタは休ませたいので俺がやるしか無いか?だが俺には質量のある光をイメージ出来そうに無い。困った。








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