女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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過保護

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 明けて翌日、朝食を摂ったらカロの出社に併せて俺達もギルド方面に向かう。狭いのでカロと龍二人とリアの四人が乗り、イゼッタは俺が浮かせて肩車。平民とメイドは徒歩での移動だ。一旦寝具店の裏口でリアと龍を降ろし、カロ達は仕事に向かって行った。

「あ、皆さんおはようございます!」「クルルァ」

裏口から元気そうな二人が迎えてくれた。死守すべき笑顔。

「ああん、カララちゃん寂しく無かったぁ~?」

「ギャ」

過保護の親戚に奪われた笑顔…。

「一緒に料理したんですよ。ねー」

「クェー」

笑顔も戻って楽しそうで何よりだ。客間に入りお茶を頂きながら料理したとか一緒に寝たとかキャッキャウフフを聞いた。娘の成長を感じ胸が一杯です。リュネも泣いてるし。

「そうだ、旦那さま。魔道具の販売についてなんですが、日を改めるのが良いと思います」

「俺も同意見だ。ゴロツキ共に買われて転売されるのも癪に障るからなー」

「はい。なので先にメルタル大陸の注文を終わらせてしまうのが良いかと思いました」

「まあな。しかし光の属性魔石を作れないんだ。イゼッタに休みを取らせてるからなんだが」

「カケルは過保護」

「赤ちゃんを作る準備ですよね?過保護くらいが丁度良いと思いますよ?」

「ママ上は過保護しない?」

「ママは魔法とか使わないですし」

「イゼッタさんの代わりに私が光魔法を修めて見せましょう」

「俺も何とか頑張ってみるよ」

 お茶を飲み飲み、俺とリアの魔法の練習が始まった。指先に魔力を集める俺とリアの背中にミーネが手を添え魔法を流し込むと、背中から腕を伝わって、二人の指先から光の粉が生み出させる。

「おお…」

「二人共、ソイツに魔力を注いでみろ。光の強さを調節するのだ」

「承りました」

調光のイメージは無段階スイッチのイメージでいける筈だ。少しずつ粉に魔力を込めてやると淡い光が強くなる。強弱のコントロールは二人共問題無くこなす事が出来た。次は、自分の意思で明かりを消して再び点ける練習だ。消すのは簡単だが、粉も一緒に消えてしまうので再び点灯させるのが難しい。イメージがまるで湧かない俺もだが、魔法に慣れたリアでさえ難儀しているように見える。

「イゼッタさんはどのようにして魔法を会得なされたのでしょう?」

「ん。手に魔力貯める。光れと念じる。呪文唱える」

「詠唱してみます…むにゃむにゃ」

実際にむにゃむにゃと言っているのでは無い。自分に言い聞かせる、自分にだけ分かれば良い程度の声で唱えているので、傍からは何を言っているか分からないのだ。多分ノーノなら無詠唱に見えるだろう。リアの指先から光が溢れ出した。

「リアよ、詠唱の文言って決まってるの?」

「はい。精霊指定、主語、述語です」

「…アレクセイ、明かり、点けて…とか?」

「カケル様はアレクセイを御存知で?彼の者は国の近衛に居りますが、魔法は使えないのでランタンの移し火になりますね」

  「姫様、今のは例え話です。アレクセイ様の事も偶々かと」
赤くなっちゃって、この天然さんめ。明かりが点いたらサンキューアレクセイって言うのかね。

「カケル、光の精霊はミティオース。何処にでも居る。皆に平等」

「光の精霊ミティオース様、矮小なるわたくしめの人差し指の先っちょに、その大いなる力の塵芥程度の光を現し給えー」

「卑下し過ぎ」

「カケルよ、精霊に舐められるぞ?」

光の精霊がどんなのかは知らんが、光を舐めたらあかんのじゃ。魔力を込めた指先にぼんやりと粉が集まって、腕を伝わり全身隈無く粉塗れになって発光した。

「目が!」

「ご主人、馬鹿にされてるんじゃないのか?」

「言わんこっちゃ無い」

「きっと精霊様の御力が強大なのだ…」

目を閉じても眩しいんだが、困った。
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