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宿営地
しおりを挟む心を込めた謝罪は相手に受け入れられたようで、今は背中に乗ってゆっくり雪を踏み締めている。ブルランさんは側に付いて気が気じゃない様子だが、落ちる事はあるまい。飛べるしな。
そうこうしてる内に食事の用意が整い、ハークとブルランさんは二号車へ、他の者も時間差で食事を始める。俺達とメイド一人が先に食べ、その後で残りのメイドと護衛が食べるそうな。謎肉のたっぷり入ったぷりぷりマタルスープが心と体を温める。まさに空腹に勝る調味料無し、熱いがご馳走である。
食事を終えて、片付けも済んだら再び移動する。馭者と護衛は眠気を抑えるのに苦労している事だろう。宿営地まで頑張れ。俺は腹一杯で眠いので《感知》を掛けて寝る。
暫くしてゾーイ車が谷間に入ると日没が近くなり、出発から四オコンしない内に日は山に隠れてしまった。宿営地は直ぐ目と鼻の先で、今回も予定通りに移動出来たようだ。
宿営地に着くと護衛が率先して設営を始める。スコップで除雪してテントを建てるそうなので手伝う事にした。宿営地の雪を丸ごと《収納》するととても喜ばれたので、序に円形の壁と屋根を付けたら驚かれた。ゾーイ車が入る程の入口を開けて納車したら中に床を敷いて壁で仕切り、駐車場と馭者とゾーイ部屋、護衛、メイド、ハークとブルラン、俺達の部屋とトイレ。真ん中には厨房兼食堂となるスペースを確保した。
「凄い!カケルは土魔法の天才だね!」
「俺なんてまだまだ。凄い奴は煉瓦で無く白磁で作る。細工まで施してな」
「…それ、人のなせる技じゃ無いよね?」
確かに人じゃ無いな。ハークに見守られ、各々の部屋に雑木で簡易的なベッド等を作って居ると、メイドが食事の時間を告げに来た。残りは食事の後にして、ハークを担いで食堂に向かった。
寒い時期は生肉が保存出来て有難い。焼謎肉美味しいです。普通の護衛依頼だと、護衛は護衛、依頼者は依頼者と言う風に食事は分けて作るそうだ。俺もそうなんだろうと思って色々買って来たのだが、調味料も俺達のより良いのを使っているし、協力出来そうに無い。
「皆様、食事の後は清拭用のお湯をお配りいたします。護衛の方達はローテーションを組んでいらして下さい」
風呂は時間が掛かるから拭いて終わりで良いかなー。
「カケルさん?」
「何かな?」
「…ダメ?」
「ドア無いし、覗かれ放題だが…、それで良いか?」
「ドア作ってよ!」
キュルケスがごねるので仕方無く橇風呂を風呂にしてやる事にした。メイドとハークも入浴を許可したら大変お喜びでした。俺達の部屋に水受けの床を敷いたら橇風呂を出して《洗浄》し、水と鉄板を入れて適温になるまで待つ。その間に雑木で引き戸を作って各部屋に設置して行った。
「カケル様、浴槽のお湯が出来ました。どのように止めればよろしいのですか?」
「魔力がスイッチになってるんだ。魔力込められるか?」
「問題ありません」
一番風呂はハーク、次はメイドでワーリン達は後だ。込める間力次第で直ぐ沸くから湯を替えても平気だ。野郎共はその間真面目に護衛を行う。
「カケルと一緒に入りたかったなー」
浴室から愚痴が流れて来るが、こればかりはクライアントの要望に答えられない。ハークの前にそそり立つアイツを出してもメイドを無駄に喜ばせるだけだからな。
女達の入浴が終わり、やっと自室を整備出来る。《洗浄》したら片付けて、簡易ベッドを並べて完了だ。夜警は護衛、俺達、馭者の順で行うそうで、とっとと寝てしまおう。
ワーリンに、べろべろされて目が覚める。何処とは言わぬが、気持ち良く起きれた。ペニスケを装着して護衛と交代。お湯を沸かしてちびちびやりながら夜警を続けた。
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