女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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エルシド・ゴモラン

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 冒険者ギルドが無いこの街は、討伐や採集等、冒険者が挙って請け負う依頼は自分達で頭数を揃えてやるか、俺達みたいにぼーっとつっ立ってる野良の冒険者を捕まえて依頼するしか無いと言う。料金のピンハネが無い代わりに金にまつわるいざこざもあるため市民は前者が多いそうだ。衛兵からの依頼はバックに国が居るのであまりいざこざは起きないと言うが、そりゃあ国と喧嘩したくは無いわな。

「俺はダンクレイ、見ての通り衛兵だ。受けてくれるなら詰所で打ち合わせするが良いか?」

「オレはワーリン、拳闘士だ」

「私はキュルケス、魔術師よ」

「俺はカケル、「人外」「女好き」…だ」

「人じゃない女が好き…なのか」

ワーリンがえへえへしてるが確かに嫌いじゃない。むしろ好き。けど人も好きなんじゃよ?

「前衛と斥候と後衛と回復と支援が出来る荷物持ちだ」

「器用貧乏か、がんばれよ?」

そんなこんなでホイホイ詰所に連れて行かれる俺達であった。

「ワシが、ミソプファンティア衛兵隊一番隊長、エルシド・ゴモランである」

禿げ!髭!マッチョ!見るからに悪い事しなそうな強キャラが社長席にデーンと座ってる。

「どうも、冒険者のカケルです」

「どうも、ワーリン、です」

「…魔術師のキュルケスです。お話を伺っても宜しいですか?」

「うム、貴様等をハーク様の護衛と見込んでの依頼だ。心して聞くが良い」

依頼内容はこうだ。これから先触れ用の旗を建てに行くので同行し、そのまま街道を行き最終宿営地に向かい、障害があれば排除してアルア様御一行が到着する前に帰還せよ。との事。依頼料金貨一人三枚。最終宿営地はハークの時と同様ゾーイ車で一オコン程の距離だし、狩った獲物は別途買取りなので問題無いな。買取は商業ギルドだが、最悪王都に戻ってからでも良いだろう。

 で、衛兵達が旗を刺すのを見学したら、橇風呂を押して宿営地。

「この、ミソプファンティア衛兵隊一番隊長、エルシド・ゴモランが見守っておる!存分に働くが良い!」

一人着いて来ちゃったゴモランさん。宿営地の真ん中で腕組みしての仁王立ちである。街での仕事は良いのかよ?

「では働きますので刮目してご覧下さい」

「オレも働くよ!?」

「大丈夫だ。今日は皆でやる」

「お手柔らかにね、くれぐれもね?」

《感知》の範囲を広げて広げて先ずはアルアを探し出す。此処を掃除してもアルアがぐへへされてたら困るからな。休憩地、宿営地、休憩地、宿営地、休憩地…居た。このペースだと、後三日後に到着予定みたいだな。街道沿いに半径十キロハーンで索敵しながら此処迄移動させた。三日分だが結構居るな。ハーク側に来なかったのが此方に集中したのか?

「何時迄刮目して居れば良いのか!」

「索敵が完了しました。これより掃討します」

索敵に掛かった敵を《集結》で集める。遠いのも居るので威力増し増しだ。近い所のケブやウオルスが此方に向かって走って来る。遠い所に居る奴等は森の中を飛ばされて来る。木等にぶつからなければ生きている事だろう。

「ガハハッ!雑魚共が群れ成して来たわ!」

「お前さん、出るよ!?」

返事を待たずに飛び出して、蹴って殴ってボッコボコ。倒れた奴をナイフでザクザクトドメを刺すのはキュルケスの役割になったようだ。俺もバットを振り回し、頭蓋骨をぐしゃぐしゃにして行く。

「グハハハハワシも混ぜろー!」

見守っていたのにムラムラしちゃったゴモランさん、ワーリンと並び立って素手格闘始めちゃったよ。グーの振り下ろしでケブの目玉がドビューってなる。ウオルスの口の中に手を突っ込んで振り回して周りの敵を殴り付けてる。

「ワシが!ミソプファンティア衛兵隊一番隊長!エルシド・ゴモランである!!」

楽しそうで何よりである。
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