女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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背中からタックル

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 湯水を出す属性魔石をまた作らねばならないが、手持ちの魔石に良さげな物が無いので一先ず配水からやってくか。

「湯が通る道を作るのか?」

「石の管に穴を開けてお湯を出すつもりだ」

柱状節理が残ってたので、此奴を三十ドン太さに伸ばし、中を空洞にする。洗い場の段差の少し上に付けて、浴槽の辺りで直角に、天井まで曲げる。壁沿いを這わせて間仕切りまで到達したら、貫通させて反対側の浴室も同様に配管してやる。中央洗い場にも配管を通したら、洗い場と浴槽に流れる穴を開けた。
排水は浴室の隅に二ドンΦ程の小さな穴を沢山開けて排水が流れるようにしたが、空気穴を開けないと詰まるので、角に一箇所管を伸ばして空気穴にした。
排水口は地下で1箇所に纏まるようにして、リームに空洞を開けてもらった。

「配管の確認はまた後でやろう。大きい属性魔石を使いたいからな」

「ドア、つくった」

俺とリームが配管を弄ってる隙に、魔道車の設定を終えたネーヴェがドアを作ってくれたようだ。

「カーテンだな」

「ダメ?」

「脱衣場の入口はそれで良いけど、浴室の入口は湿気があるだろうから引き戸にした方が良いかも知れないな」

「なるほど。やってみる」

ネーヴェが手を翳すと間を置かず引き戸になった。が、取っ手が無い。雑木で作った取っ手をドアの両側に付け、内側の壁は手を挟まないよう削り込んでドアが出来た。反対側もお願いします。

 脱衣場に棚を作りたいのだが、俺には鍵が作れない。これは住民の正義感に任せざるを得ない。四十ドン四方の凹みを壁一面に作り、ネーヴェにツルツルにしてもらう。床はリームの石タイルだ。俺は雑木でイスと桶と手桶をたっぷり作り、二つの部屋に置いて行く。最後に、脱衣場入口前に目隠しの仕切りを立てて本日の作業は終了とした。

「お湯、ないの?」

「後で魔石を取りに行くよ」

「バジャイも行くぞ!」

「先ずは昼飯にしよう」

ぞろぞろと外へ出ると、正面は兵士の詰所。ぞろぞろ出て来る兵士等とばったり出会すのは偶々飯時だったからだろう。

「お前か。その部屋は何だ?」

「風呂だよ。まだ水も張って無いけどな」

「そんなモン、貴族でもあるまいし誰も使わんだろー」

「知らんのか?女達が今日俺の島で風呂入りに来てんぞ?さては独り者だな?」
 
「独りモンで悪かったな!」

「女の住民も増えたし、チャンスはあるかもな。まあ、頑張れや」

「お前…神かよ…」

「身綺麗にしない男はモテんがな」

「カケルはモテモテ」

「バジャイも、カケルさま持つ!」

背中からタックルされた。押す力のままに広場へと向かい、合同昼飯に参加した。風呂に行っていた女達も大体帰って来てるみたい。風呂に入った女はたっぷりのお湯で体を擦りまくったのだろう、肌艶が良くなってるな。

「カケル様!素晴らしいお湯だったよ」

「貴族様にでもなった気分だったねぇ~」

「それは良かったな。貴族でもあのレベルの風呂には入れないぞ?」

「そうなんだねぇ。まだ入ってない子も居るからさ、午後からもよろしくしておくれよ?」

「こっちにも風呂作ってるから、それまでは使ってくれ。その代わり、夜までには終わらせてくれよな」

食事の配膳等を手伝いながら、女達に話し掛けられて午後の予約をされた。座って待ってる独り者共よ、配膳されたからとサッサと食い出しお代わり要求とか…そう言うトコだぞ?


 飯を食って食休み。UFOに乗ってキネイアッセンへと向かう。帰宅希望の十人に、バジャイとネーヴェが同行する。大きい魔石は一先ず四つあれば良いし、街にはリームを残しているので不安は無いだろう、多分きっと。
《感知》にて、奴隷や拉致被害者、恐怖や悲しみの感情を探して行くと、結構あるものなんだと気付く。探すのに慣れたのかも知れない。要塞の見張りに見付からないように海岸線の街や集落、隠し港を廻り、強制労働者と被害者を増やして行った。
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