女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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それはそれ、これはこれ

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「昼飯食ったら馭者経験者を集めて動かし方を教えるよ。他の奴は教えた者から又聞きしてくれ」

「「「おおお…」」」

男達はこう言うの好きだからな。もう目がイッちゃってるヤツもいる。まあ放っとこう。

「ネーヴェ、もう一台の方も頼めるか?それとも途中まで作ろうか?」

「問題ない。おなじのできる」

鉄と雑木とトカゲ油を渡すとぐにゃぐにゃして本当に同じのが出来た。移動用車両に接続して道に出しておこう。運転してロータリーの外に出すと男共から歓声が上がった。

車両に釘付けになる衆目の中、一つだけ、俺を見詰める瞳があった。
白磁の人形だ。
俺は車を降り、そこに向かう。

「寂しくさせてごめんな。女達の所で紹介するよ」

人形はこくりと頷いた。姿勢を下げて、胸の高さに曲げた腕にちょこんと座らせ広場へと向かう。

「カケル、ゴーレムなついた」

「そうか。街の人達とも仲良くしてくれると嬉しい」

こくり。

リュネとネーヴェの合作だけあるな。

「私も抱っこされたいですー」

「リュネは朝まで抱っこしてたろ」

「それはそれ、これはこれです」

「しかしこの子、何が出来るんだ?」

「特にこれと言った特徴はありませんよ?」

「そうか。まあ、出来る出来無いで何と言う事は無いがな」

「ながいき」

「あ、そうですね。五百年は魔力の補充無しで稼動しますね」

「凄いじゃないか」

「じょうぶ」

「そうですね…。龍が踏んだ程度では壊れませんね」

「大した物だな」

「つよい」

「まあ、人の子程度には負けないでしょうね」

「そ、そうか。加減してやってくれよ?」

「おおきくそだつ」

「ええ、部品さえ変えれば…、成長と言えなくもないですね」

「優しい子に育ってくれ…」

ゴーレムは守護者ってドラゴンをやっつけるゲームで言ってたし、この街や人を守る存在になってくれると嬉しい。だがぶっちゃけそんな事しなくても良いとも思う。人が怠惰になるだけだしな。週三くらいで頑張ってくれ。

 女達にゴーレムちゃんを紹介し、なんか微妙な反応を得る。髪の毛無いから可愛さが伝わらないみたい。獣の毛、あったかなぁ…。無い。雑木を細く靱やかにして、頭の形に合わせた薄い帽子に刺して付けた。俺のセンスじゃパッツンロングしかヘアアレンジできないんだ、ごめんよ?
髪の毛が付いて、漸く可愛いと認識された。この大きさじゃお手伝いも出来無いのでゴーレムちゃん用に椅子を作って座らせといたよ。


 昼飯の後は馭者経験のある男達とボーデンフェルトに車の操縦を教える。観客には暇を持て余してる兵士と、暇を持て余してる主婦がチラホラ。
男共は普段家事なんてしないから、魔力を出す事に慣れてない。先に水の棒から水を出す事を教えた。ロータリーの端に外向きに並んだ男達からジョロリジョロロと水が出る。立ちションしてるみたいだ。

「あそこの……は立派…」

「あっちの…はちょろちょろ……」

「うちのより多い」「いつもより少ない」

なんて囁きが聞こえる。アレとソレは比例せんからな?
一頻りスッキリ水撒きさせたら1人ずつ運転席に座らせて、ゆっくり発車、ゆっくり停車を叩き込む。他の人を乗せて、キュッて止めるとガクッてなるのを体感させるのが効果的。運転手がやらかすと、十五人から野次が飛ぶのだ。これはやらかせないってなるわな。

「「「うぇ~~い」」」「「「おいおいおいお~い」」」

「わ、わざとだっつのー!」

運転してない馭者経験者と暇人兵士を乗せてみたが、男達のノリは地球と変わらんな。
その後はロータリーを回しながら内輪差で事故る事を体感させて、教習完了。水飲み用の水の棒と夜用の光の棒を備え付けて、後は地もピーに任せよう。

広場に戻ると、小さい女の子とちょっと大きな女の子達に外巻きクルクルヘアにされたゴーレムちゃんが居た。見た目ゴージャスにされちゃったな。

「かわいくしたの!」

「可愛くなったね。仲良くしてあげてね」

笑顔の君等も可愛いよ。


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