女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ブレスも吐けないデブドラな俺が雌ドラに鍛えられて成り上がります

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 リュネとミーネに、寝てるネーヴェとカラクレナイまで背中に乗って、連れられて来たのは確かミーネの巣…だったよな。煙がもくもく上がってる火山島だが、ガスとか大丈夫なのか?

「旦那様、そこの平地に降りてくれ」

「お、おう」

スキルで浮いてるから離着陸はバッチリだ。揺れる尻尾が勝手に何かを打たなければ、そして自分の尻尾を踏まなければ、だが。
尻尾の先を掴んで降りる。音を立てずにキレイな着地が出来たよ。ズシーンドシーンで噴火されたら堪らんからな。

「ママー、カララもやりたいのー」

「龍に戻るなら構わんよ」

「やったの!」

背中が光った気がして首を曲げると、光を放つカラクレナイがネーヴェを押し潰さんばかりに巨大化の真っ最中で、慌ててネーヴェをふるい落として煎餅にするのは免れた。

「カケル、痛いの」

「ごめんよネーヴェ。カラクレナイの下敷きになっちまう所だったんだ」

「そのくらい、へーき」

そいつは凄いな。こっちは絶賛、巨大カラクレナイに押し潰されているのだが。大きさ的には俺の方が大きいし、体重も俺の方がある筈なのだが上に乗られると動けない。これは筋肉量が足りないって事なのか?体重の割に筋肉が無い。即ち俺はデブらしい。

「カラクレナイ、降りてくれないと潰れて死ぬぅ」

「カーケルッカーケル~」

擦り付いて離れない。《強化》を掛けて何とか体が持ち上がった。

「スキルが無いと腕立ても出来無いな…」

「旦那様は大きさだけでもモテモテになれるぞ」

「プルプルしてる腕が庇護欲を掻き立てますね、うっふ」

「敵わんのは分かってるけど、せめて認められるくらいの力は欲しいぜ…」

「その時は私が付きっ切りで鍛えてやろう。だが先ずは…妹よ」

「はぁい。ブレスの吐けない龍は…、居まぁす。けど、頑張って使えるようになってくださいね~」

居るんだ…、ブレスの吐けない龍。あのトカゲモドキですら吐けると言うのに。今此処に居る俺が正にそれである。ブレスも吐けないデブドラな俺が雌ドラに鍛えられて成り上がります…って、読み物のタイトルみたいだな。


「カケルさぁん、良い子にしてて下さいね~」

「あ…あが……」

 リュネ先生の授業は俺の口の中に入る事から始まった。口の中に魔力溜まりを作る所から始まるのだと。確かに、龍がブレス使う時って口に何やら溜まってるよな。あれ魔力らしいぞ。
リュネの魔力は紫色で俺と同じ、と言うより俺がリュネに似たのだが。なので呼び水として魔力溜まりを作ってくれるそうだ。
口の中に溜められた濃密なリュネの魔力は歯応え充分なゴムボールみたい。リュネが居て噛めないけど歯に当たるとギュギューッて来る。これだけの密度の魔力を溜めろって事か….。

「さぁて、カケルさん。そんな感じで魔力を集めてみてくださ~い」

「あぐぁっが」

俺の口から出て来たリュネが、口の中のゴムボールに魔力を足せと言う。体の中で練った魔力を、水を冷やす要領でリュネの魔力に纏わせて《集結》させて行く……のだが、コレが全然纏まらん。俺の限界以上に高い密度の魔力なのだろう。
その隣ではカラクレナイが口の中を光らせていた。生まれついての龍は使い方を自然と理解しているようだ。口を閉じるとバフンバフンとブレスが漏れる。
俺とカラクレナイ、何が違うのだろうか?先ずは呼び水となってる魔力が他人の物って所か。リュネの魔力と俺の魔力を口の中で練り混ぜる事から始めてみる。

くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ…。

暫く続けていると少しずつ表面が柔らかくなって来て、ゴムからガムみたいに変わって行った。クチャラーなのは口を閉じて咀嚼出来無い龍の身体的構造のせいだ。普段の俺はくちゃくちゃしない。

「ん~…。噛めるほろやーらかくはなったけろ…」

「魔力なだけですからね。それを攻撃的な魔力に変えてみてください」

攻撃的、か…。
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