女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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腑甲斐無い

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「ゴーレムが動くって聞いたよ」

「なおった」

 俺の言葉にドヤ顔で胸を張るネーヴェ。どう直したのかは敢えて聞かないで置こう。きっと長くなるし、俺には理解不能だろう。若しくはパッとしたらシュッみたいに終わるかも知れん。それはそれで理解不能だ。

「何時でも起動出来ますよ」

「食事の時間だけど、良いのか?」

「時の動きはゆっくり。だいじょぶ」

大丈夫なら大丈夫か。ゴーレムの傍に座り、起動をお願いした。

「カケルさん、ネーヴェちゃんと一緒にソレへ魔力を注いで下さいな」

「俺もか」

「私とカケルを主にすえる。量、合わせて」

ムンッとネーヴェの魔力が膨れ上がり、俺もそれに倣う。発散してしまわないように凝縮させるのを意識して放出してるが流石はネーヴェ、俺の限界ギリギリの量を汗一つ垂らさず纏めてる。リュネは結界張ってるな。こんなの垂れ出たら赤ちゃん死んじゃうわ。俺もヒーヒー言いながら全力で魔力を絞り出す。回復しないと倒れちゃうよコレ。

「ん、後は私が合わせる…」

捻り出すのが精一杯で合わせるに至らない俺にネーヴェが助け舟を出してくれた。腑甲斐無い俺である。そして二人の魔力を併せて小さくし、ゴーレムの口に押し込んだ。

「ふぅ、ひぃ。キッツ…」

「頑張りましたね。直ぐに目を開けますよ」

座った姿勢でやって良かった。立ってたら絶対倒れてたもん。回復しながら息を整えその時を待つ。魔力が体に入って暫くすると体の表面から魔力が滲み出すように漏れて来た。すると、深く息を吸うかのように胸が膨らみ、ゆっくりとその目が開かれた。

「おきた」

「起きたのか」

「ん…、んあ…。ああああ…」

産声にしては機械的な、落ち着いた声を発すると、目だけを動かしキョロキョロと当たりを見回し、俺と目が合った。

「あ…ああ…」

「おはよう。俺はカケルだ。これからよろしくな」

「あ…あえ…」

「私、ネーヴェ。キルヒネーヴェ。カケル、コレ、言葉、多分使えない」

「知能はあるのですが、機能として制限されているのでしょうね」

「知能があるだけ凄いと思うんだが」

「喋らせたかった」

時間を掛ければ出来無くもないと言うのだが、龍の時間で時間を掛けると言う事は、俺の一生では喋らせられないって事だ。諦めざるを得ないな。

「んっ」

踏ん張って体を起こし、シーツが肌ける。服を着せてやらないと俺が我慢出来無いな。

「服を着せるから立ち上がってくれ」

「あ…」

立ち上がる女に、ねりねりした粘土状の雑木紙を纏わせる。少し浮かせて足に纏わせ、形を整え靴へと変える。下腹部はシートで前張りしてスパッツへ。上半身はスポブラのようになった。

「俺のセンスじゃ此処迄だな…」

「動きやすそうで良いじゃないですか」

「トイレしない。脱げなくてもいい」

否、脱げるぞ?

「残りは私がやりましょう」

ふわーっとした風が吹き、キラキラした何かを巻き込みながら女の周りを回ると、キラキラがくっ付いてって少しずつ大きくなって行く。魔力による布作りか。空腹なのも忘れて見入ってしまった。

「簡単に済ませておきました」

「何処が簡単なのか分からないが、ありがとうな、リュネ。ネーヴェも、此奴を直してくれてありがとう」

「うふ、カケルさんが喜んでくれて、私も嬉しいです」

「ん。ご飯食べいこ。お前もこい」

「ん…」

ゆっくりと、大きく頭を縦に振る。イエスノーの意思疎通は出来るようだ。

「島の皆に会わせる。敵じゃないから仲良くしてくれ」

「ん…」

再び大きく頷いて、四人揃って倉庫を後にした。

 食堂で、新たな住民を紹介するが、早速名前を決める事になり食事が喉を通り辛い。

「カケル様、あたしの肩身が狭くなりそうです」

飯を水で流し込む俺の後ろでずっと立ってるゴーレムに、テイカは同じ属性を見たのだろうか。性奴隷と肉人形。確かに近いかも知れないが。

「テイカは俺の性奴隷だ。それは絶対変わらない」

それを聞いたテイカはしっとりとした笑みを見せた。

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