女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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機嫌よ、直れ

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「あっちの国が魔剣魔装を集めだしたみたいでな。クリューエルシュタルトに兵が来るらしいからその報告を受けたよ」

「人の子には余るモノですねぇ」

「まあな。明日、ママ様の所に行こうと思う」

「…致すのですね?」「致すでしょうね」

リュネの眼がギラリと光る。テイカの眼も何故か光る。

「多分、致すと思う。けど集めた魔剣で坊やが討伐されたりなんてしたら、確実に焼け野原だ」

「氷の世界ですねぇ」

そっちか。

「人同士の戦争には使わないとの考えですか?」

「どっちにも使うだろうさ。国盗りが終わったら属国の兵隊に突っ込ませたりな」

「死地への旅路、ですね」

「油断無きようお伺いを立てるだけさ。可愛い弟も大事だしな」

「そう言われるとダメとも言えませんねぇ」

「リュネ様がお傍に居れば良いのでは?」

「私、親が嫌いなの」

目を伏せるリュネは殺気を押し殺そうとしているように見えた。仲良くは無いのだろうな。

「差出口、すみません」

「…そうね」

「リュネ、おっぱい」

「…んもう。おいでませぇ」

ぺろんと出されたたわわに顔を埋め、窒息感を堪能する。機嫌よ、直れ。
テイカが頭を深く下げて部屋を出て行く。今夜は此処で寝る事になりそうだ。

 リュネのおっぱいを枕にして目覚めた朝。寝坊助のリュネと一緒に食堂に降りて朝食を摂る。のんびりとした一日に見えてそんなにゆっくりしたくない。食後のお茶もそこそこに、出掛ける支度を整える。

「貴方様、お気を付けて」

「ご主人が出張る必要があるのかは分からんが、お気を付けあそばれよ」

フラーラの言う通りかも知れん。突っ込む首は先っちょだけに留めたい。見送りの女達に行ってきますのキスをして、転移門へと足を進めた。

 昨日の今日で兵隊が集まってるなんて事は無い。兵站集めから始めなきゃならん訳だしな。先ずはギルド。面倒なので俺専用口をノックする。

「何だ?もう上さん奉公は良いのか?」

「ジョンくんよ、その様子だと話は来て無いな?」

「?まあ入れよ」

暫く後、施設内のサブマスが全員呼ばれる事となる。

「クソがっ、冒険者舐めやがって…」

「マスター、落ち着いて下さい」

「カケル!直ぐにミソプファンティア迄っ…て、頼めねえよなぁ」

「どうした、急にしおらしくなっちゃって」

「褒賞が出たなら売ったって事だ。どんなに買い叩かれてようがな。それに、依頼の精査が足りなかった彼奴等とギルドの責任だ。カケルを此処で出して目を付けられるのも困る。バックの反応がな」

「安物の装備を買って、此処迄帰って来られる金を貰えてれば良いがな」

「だな。帰って来られりゃぁ、また稼げっからな。俺も居るし」

「帰って来られるならな」

「おいおい、あれでもAランクだぞ?馬鹿な王公でも殺しゃあ…」

「放っとけばダンジョン占有される。道案内代わりに隷属させられてっかも知れんぞ?」

「それもあるか…。畜生め!」

取り敢えず俺は所用を済ませたらシューンシューンズデーゲンへ向かい、その後ミソプファンティアに向かう事を告げる。あくまで干し魚を買いに行くと言う名目で。

「俺は、仕事する!何時でも動けるようになっ」

ギルドの仕事を回しながら、情報収集に励み対策を練るそうだ。
事務処理されたギルド証を受け取り、俺専用口から外に出る。門を潜る時間も惜しいのでノーズコーンを被ってそのまま上空に上がった。

「え?」

上空に上がっていると思ったら天井だった。乗り込み口から見える足元は、薄ら明るい青い空間。

「ママ様か?」

「カ、カケ、ル~?」

下から青い子龍が覗き込んでる。やはりママ様に呼ばれたようだ。パないぜ。

「久しぶりだな坊や。人の言葉が上手くなってるな。偉いぞ~」

「ギャウー、ギャーウー」

ノーズコーンを《収納》し、地面に降りる。

「あれ?ママ様は?」

『水の中』

泳いでるのか?
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