女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 リームが飛んでった後、少しだけバジャイとイチャイチャしてから移動を始めた。ノーズコーンの中で干し肉を齧りながら飛んで行くと、一枚食べ切らぬ内にダンジョン都市に到着してしまう。まだ薄ら明るい程度だがギルドはやってるだろうし説明聞いとくか。

「ギルド証の事務処理と、ダンジョンについて説明してくれ」

「はい。ではギルド証をお預かりします」

この街のダンジョンは地下一階からそれなりの強さの魔物が出るそうで、浅い層でも稼げるって事で名が通っているらしい。浅い層で稼げる事の弊害が、深部の情報の少なさとして上がる。地下三十階以降の情報も商材となるそうだ。
入場料が掛からない代わりに買取価格は渋め。それでも一般的な冒険者パーティーが食えているのだから豊かなダンジョンと言えよう。
最後に、出入りは自由だが救援は見込めないと伝えられ、ギルド証を返された。完全実力主義か。

 長居してても稼ぎにならんので、早速ダンジョンへと向かう。街の外れにある小高い丘にダンジョンの入口があるようで、俺の先にも五人パーティーが向かってるのが見える。装備からして野郎だな。無言で歩いてダンジョンの入口へ。
野郎パーティーがランタン等を準備するのを横目に、俺は一人ダンジョンに潜る。中はだいぶ薄暗い。《暗視》と《感知》を掛けると、部屋と通路のある遺跡型ダンジョンである事が分かった。

「キキッ、キッ!」

「うわ、群れてるなー」

高い声で鳴きながら、蝙蝠っぽいのが沢山、天井に張り付いてたり飛んだりしている。こんなの一斉に来たら気持ち悪いなんてもんじゃ無い。襲い掛かって来る奴だけを煙に変えて先を急い…あれ?煙にならん。それにダンジョンの敵って、敵が捨て身で襲い来るんだったよな。
その原因は暫くして判った。
ダンジョンに入り込んだ野獣が自然繁殖したモノだと、下り階段の周りに建てられた現地の露天商の一人に聞いた。謎肉串焼き一本五百ヤン、観光地価格だ。
因みに此奴等、全然外に出ないモンだから《洗脳》受けてないみたい。売上げ下がってボヤいてたよ。

 階段を降りて更に進む。箱はあるけど誰かが開けてる姿を《感知》で見たのでスルー。大した物でも無さそうだし、とっとと潜るに限るな。下への階段迄、《結界》で身を包んで飛んで行く。敵は大きめのブフリム?にウォリスみたいな犬っぽいの。大陸が違うと名前も変わって来るから正しい名前が分からない。突っ込んで来ては《結界》にぶつかって呻いてる。これはダンジョン産だな。ゴリゴリと壁に追いやり下へ下へ。そして十階、ボス部屋前に到着した。
先に四人が待機してる。パーティーかな?

「なあお前等、並んでるのか?」

「あ?あ!カケル様!並んでます」

紅一点に声を掛けると俺の事覚えてくれていた。

「カケル様…ああ、あれか、ギルドに関わるなって言われてる奴」

「割り込みしたいなら金積むか、力で何とかしてみな?」

男からはこんな感じに言われる。基本、ダンジョンで他の冒険者に話し掛けてはいけないのがお分かりだろう。これでも《洗脳》されてんだぜ?

「ドロップ要らないから同行させてくれん?待つのも億劫だしさ」

「喜んで!」

「「何でお前が決めんだよ!」」

「あンた達ねぇ…、逆らわない方が身の為なの。分かる?」

「俺もそう思うぞ。此奴、相当やるよな」

静かにしてた男が割って入る。装備的にはローブに皮鎧で中・後衛かな?漏れてる魔力が見えちゃったみたい。苦笑いを返しとく。

「邪魔しないなら良いぜ。但し俺達の視界から外れるなよ?」

「カケル様、ごめんね。みんな不意打ちが怖いのさ。分かってね?」

「気にすんな。俺の目的地は下層だから、時間を無駄にしたくないだけなんだ」

「は?一人で下層だと?」

「止めなってば!この人そんくらいの実力あるんだよ!?」

煽った男にキレる女を宥めて宥めてボス部屋が空くのを待った。

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