女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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髪の毛

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 上に伸びてる枝を剪定がてらに集めていると、ボーデンフェルトが帰って来た。

「高さを揃えて居るのか。見栄えが良くなるな」

「上から見る奴は飛べる者か屋根の上に登る者だけだろうよ。所で話はどうなった?」

「三日程待って欲しいそうだ。荒屋から持てる物を持って出たいのであろう」

立ち退きと建設を同時にやるのは難しい。住民の準備が出来たらリーム主導で作業を始めてもらう事となった。

「カーケルー」

切り取った枝をボーデンフェルトに預けながら港町に戻ると、壁際で子供達が手を振るのが見える。ボーデンフェルトも仕事に戻ると言うし、カラクレナイ達と合流する為降りて行く。

「カラクレナイただいま。皆も久しぶりだな」

「おかえりなの」「「「こーんにーちはー」」」

聞くと、またゴーレム作ってると言う。粘土や木材を軸にして、肉付けしたのをネーヴェが手直しして成形するそうで、不思議な踊りをしそうな粘土人形がネーヴェの手に依りお父様大好きなドールへと進化して行く。

「カケル、髪の毛」

「髪の毛を作るのはネーヴェでも難しいのか」

「材料がない」

「そうか。ちと待ってくれ…」

雑木の繊維を糸状にして、束でくれてやる。髪の毛よりちょっと太いが、栗毛色でサラサラ触感だ。

「あんがと」

序に植毛器具も拵える。唯の細枝の先をV字に切り込んだだけだけど、糸の真ん中をV字で挟んで突き刺せば同時に二本植毛出来るって訳だ。これなら子供達でも出来るので人数分作ってやった。

「旋毛の位置を決めて、グルグル回しながら植えてくとキレイに纏まるんじゃないかな」

「「「はーーい」」」

子供達は器用なモンで、直ぐにコツを掴んでふさふさにして行く。彼等彼女等の技術が何かの役に立てば良いな。
最後に着せられた服は使い古しの雑木紙で作られた貫頭衣だが、個人情報が露見してしまうので直してやろう。服を《洗浄》して無地に直し、さっきボーデンフェルトに押し付け忘れた落葉を《散開》、汁を抽出して縦縞横縞文字柄と数パターン作ってやった。生成の無地に茶色い模様が付いて子供達は喜んでくれたが、色染めは大変だと感じた。化学染料、凄い。


 広場で昼飯を頂きながら、子供達が作ったゴーレムを俺の周りに勢揃いさせる。器用に作ってると思っていたが、それもその筈。大小様々八十体近く居た。壊れたり、失敗して破棄された物を含めるともっと作っていると言う。物言わぬゴーレムからの圧が強い。

「こんなに作ってれば上手くもなるわな」

「部屋のお掃除してくれるの!」

「野菜運ぶの手伝ってくれんだぜ」

何と近代的な。ペルマ等を見て薄々感じては居たが、ゴーレムに関してはSFを超えたな。子供のお守りに家事手伝い、そして昼夜問わず畑の警戒なんて事もしてるらしい。最近増えて来た鳥を追い払うのに一役買っているそうだ。

「龍が居るのによく鳥なんて集まるな。他所はまだ食べるのに困って居るんだろか」

「だろうな。それに住処となる森を作ったから住み着いてしまったのであろう」

外敵が居ない環境では爆発的に増えてしまうのは目に見えている。色んな場所で程良く増えてもらわなければな。

「少し植林するかねぇ」

「他所に、と言う事だな?」

「ああ。禿げた荒野に植林して、池の一つでも作ってやればその内そこで繁殖してくれるだろ」

「人も獣もな」

少ないながら、野獣の類は居るらしい。人はともかく野生生物を絶やすのは良くないな。建屋の増築迄の時間、ウラシュ島を見て回る事にした。

昼飯食べて食休みの後、リームを連れて島を見て回る事にしたのだが、ミーネも来ると言うので三人で空に上がる。

「さて旦那様よ、何処から行こうか」

「先ずは海沿いをぐるっと回って、それから内に入って行こうか」

「乗って欲しかったのに…」

龍の姿で飛んでたら人も獣もビックリするだろ。背中から抱き締めておっぱい揉んで飛んで行く…。




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