女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 シンクレイアが意味あり気な音を発し、母を勘違いさせているが、それは彼女に限った事では無い。他の子達だってパパとかママに聞こえなくも無い音声を発して母達を一喜一憂させていた。

「あぱぁ~」

「おにーちゃんですよー」

「カケル様、ご飯のお代わりですね。メッツゥ、あ~~んっ、もぐもぐもぐ~」

「あじー」

「パパですよー」

「カケル様、多分トイレです…、ああ、やっぱり」

「私がやるよ。貸しな」

「ではお風呂へ。使う物は脱衣場に揃ってますので…。あ、お供しますっ」

一喜一憂する俺であった。

「カケル、子供の言葉、難しい?」

「《言語》のスキルは持ってるんだがな」

母親は子供と腹の中で長く繋がっているから理解出来る…何て言うが、他人の子の言葉も分かるのだから腹ン中云々は嘘ではなかろうか?イゼッタはジョー二アスの口に蕩けたソーサーを流し込み、自分でも食ってる。それやると親の虫歯が伝染るとか言うが、大丈夫かな…。魔法で治せるなら大丈夫か。
俺の《言語》は《逃げる》に絡んでないから人並みの効果しか無いのだろう。ならば《逃げる》に絡むスキルなら彼彼女等の言葉を理解出来るやも知れん。
使い慣れた《感知》で子供達の感情を感じてみる。……何となく?食べたいとか、かなぁ?って感じた。

「カケルさん?何を見てるのです?」

「子供達の感情を《感知》出来ないかと」

「努力なさってるのですねぇ、うふふ」

リュネに気付かれた。だがリュネはあまり答えを教えてくれない。自分で気付いた方が力になるからだそうだ。職人タイプのリュネ先生である。

「理解力のある父になりたいからな」

「良い夫ですね、羨ましいわ」

「ママァ」

「親父殿も良い夫だと思うけどね。浮気して無いんでしょう?」

「そうですね。私、悪い妻だわ」

「俺もなー」

「今頃きづいた」「悪いパパでちゅねー」「為政者の器ではありますよ?」

「女の喜びを与えてくれるカケル様はそれで良いのです」

「カケル様は神様です」

テイカとエージャはブレないな。


 日を跨ぎ、朝になり、朝食を終えたゲスト達がバルタリンドに帰ってく。俺も寝具店に品卸しするので付いて行った。

「あ、メリダかーちゃん」「兄貴も居るぜ?」「久しぶり~」

セカンドハウス経由で行ったのは寝具店着の方がカロ達が向かうギルドに近いから何だが、雨でも無いのに少年隊が家に居て、棒で殴り合ってた。

「訓練するなら下の方が広いだろ?」

「今掃除中なんだ」「他所でやれって」「外出んなって」

まだ外が泥濘になってるので、もふもふ共は外出禁止、とブチ姉妹に厳命されたとか。

「お前さ~ん。暇だぜぇ~」

「構ってよ旦那ぁ~」

もふもふは此処にも居た。ワーリンは茶色いからともかく、キキラは普通の熊になってしまうな。

「寝具店に品卸ししたら直ぐ戻るよ。それで良いか?」

「そんで良いよ」「体温っためておくぜ!」

二人の事だし、俺もアレに混ざるのだろうな。そんな予感は的中し、荷降ろしから戻ると女二人がバチボコに殴り合って居た。

「練習してたらマジになっちゃったか?」

「フッ!フッ!」「ハッハッハッハッ!」

ダメだこれは。早く何とかしないと。

「「アヒャッ!?」」

二人を《洗浄》しクールダウンさせる。

「フッ、ふぅ~、お帰り旦那」

「はっはっひっひっ、おか、えりっ」

「インファイトで回避無しなんてしてると馬鹿になるぞ?」

「獣人だもん」「頭良くないもん」

「頭が働かなくなっちゃうんだ。体も動かなくなるんだぞ?」

「マジ?」「うそー?」

「大事なお前等がそんなになったら嫌だぞ?加減しろ?」

「「あ~い」」

分かってるのか?

「で、野郎共は?」

「腹減ったって」「寝るって」

「彼奴等も後で回復掛けとくか…。お前等ちょっと来い」

二人の頭を撫で擦り、《治癒》を掛けてやる。頭良くなーれー…。

「治った!」「治ったぜ」

「ホントかよ」

頭良くなってれば良いなー。
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