女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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不敬罪

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 内装は、魔道トイレをパーテーションで区切って床にマットを敷いただけ。後で何か欲しいとなったらその時付ければ良いからな。小型UFOを《収納》し、街に戻って妻達を探す。イゼッタはシャリーと、リアはフラノノを連れて街の中をウロウロしてるのが《感知》で見えた。大して離れて無いが、序列順で迎えに行くかね。
店舗の並ぶ通りには、食料品から雑貨間で、色んな物を売る店が並んでる。大型ショッピングモールが出来たらシャッター通りになるヤツだ。
昼前の商店街は比較的男の姿が多い気がする。運命の出会いでも探しているのだろうか?男達が集まった輪の中に、迂闊に触れると不敬罪となる者が居た。リアだ。

「往来の邪魔である。道を開けよ」

フラーラの言葉虚しく、道は閉ざされたままである。よくもまあ王女相手にナンパ等出来るモノだ。ナンパに扮した公国関係者…って事でも無いようだし助けてやるか。リア達三人を《結界》で囲い、男共を《威圧》の壁で往来の隈に蹴散らした。跳ね飛ばされたり転がされたりしているが、大した怪我はして無いだろう。

「お土産は買えたかな?」

「貴方様っ」「遅いぞ「待ってました」ご主人」

声を掛けると駆け寄って来るリアを撫であやし、直ぐにその場を移動する。蹴散らしただけで殺っては無いからな。イゼッタ達の居る場所へ、少し早足で向かう。

「シャリー、買い物は終わったか?」

「え?ええ、此方は。何かあったようですね」

「不敬罪を蹴散らしただけで済ませたんだがな」

「貴方様、申し訳御座いません」

「奥様が謝る事ではございません」

後ろからヨロヨロと寄って来る男達がチンピラみたいな事言ってるみたいだが、聞く気は無いので音にしか聞こえない。

「イゼッタ、昼飯は空で食べよう」

「仕方なし。抱っこして」

甘えん坊の妻を抱っこして、《結界》で道を作りながら街を出た。関係無い人迄巻き込んでしまったが、リアがペコリと頭を下げたら静かになった。
皆を浮かせて《阻害》も掛けて、切り拓いてしまった森の空き地へ飛ぶ。道の真ん中で小型UFOを着陸させるのは憚られるからな。

「おお、窓」

「入り口は…後ろですか」

空き地に着いて小型UFOを出す。イゼッタとシャリーは構造が気になる様子で、ハッチの綱を引っ張って、バネ蝶番に負荷を掛けてる。

「随分長いのだな」

  「中は広そうですね」
「普段使いのお部屋としても使えそうですね」

リア達は居住性重視か。楕円は面倒だが、円形の部屋ならラビアン達の新居にしても良さそうだな。四角い方が家具が置き易いのだが。

「調理台は必要か?」

「あると有難いです。それと、調理器具も…」

メイド達のリクエストに応え、トイレの反対側のスペースに調理台と調理器具を置いてやる。水の棒と火の鉄板。干し肉にマタル粉、調味料を出して、後はメイド達に任せよう。

「ご主人、調理台をこの方向にも伸ばして頂けるだろうか」

「出来た料理を置くスペースだな?」

「理解が速いな」

ならば洗い場も用意するか。壁側に設置した調理台の端に一段低い台と水貯め。壁に水の棒を突き刺して、それっぽいシンクを作ってやった。

「両手が空くので良いですね」

「湖の島で、こんなの作ったね」

「ああ。だいぶ作るのが早くなったよ」

「努力の結果」

空に上がり、ゆっくり飛びながら昼飯を作ってもらう。

「明るくて、見晴らしも良くて良いですね」

「カケル、もっとはよ」

「早く飛ぶとお昼食べる前に着いちゃうよ」

「だったら着かない場所に飛ぼ」

それも有りか。鳥やトカゲが来ない高さに高度を上げて、速度を上げる。

「おおー」「これは、速いですね。正面から風景を眺むのは先程の荷車以来ですので、新鮮です」

舳先に並んで風景を眺める妻二人。楽しそうで何よりだ。

「窓が熱持ったりしてたら教えてくれ」

「あ~い」

リアの尻に頬擦りしながら昼食が出来るのを待った。
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