女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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瑣末事

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 その後は夜襲無く、交代の時間迄ゆっくり寝る事が出来た。夜明け前に起き出して来たメイド達と共に食事の支度をして先に朝食を済ませてしまうと、後から起きて来た者の食事の間に撤収作業を進める。この流れもだいぶ慣れて来た。

「あっ、カケル様っ」「大変嬉しいのですが、私共の仕事を取らないでくださいませ」

メイドを手伝うのもサービスの内だ。洗い物をしようと集めていた皿等を《洗浄》すると、嬉しくもあり困惑する苦情が発せられる。

「時短と節水の為だ。早く移動を始められれば目的地に着くのも早くなるし、水は貴重だからな」

「カケル様と別れたら、私共の仕事の遅さにお小言を頂いてしまうかも知れませんね」

「どうしても洗うなら、せめて水の問題だけでも解決しておかないとな。水の属性魔石くらいは用意出来るだろ?」

「奥様にお強請りして見ますが…」

「高いもんな。だが持ち運びも容易で井戸水よりキレイ、且つ安全だ。我が家じゃ生活水は殆ど魔法水になっちゃったよ」

 全ての片付けを終えて移動開始。やっと寝られると目を閉じたのも束の間、慌てた騎士に起こされる。

「カケル様、奥様がお呼びだ。カケル様っ」

そんなの何かあったと思うじゃないか。急いで飛んで行くが中は静かなものだった。

「お待ちしておりましたわ。ささ、どうぞ」

「カケル様…」

「苦しそうだな。どうした?あの日か?」

顔色の優れないニーネンタールに問うと、こくりと頷いた。一先ず浮かせて尻にマットを厚く敷く。そして《耐性》を掛けてやった。

「《耐性》を掛けた。どうだ?」

「だいぶ楽に、なりました…」

「下着が汚れるから脱いでしまおう。スカートを捲って」

「はい…」

躊躇いも抵抗も無くスカートを手繰し上げると、腿を上げさせまだ汚れて無いパンツを脱がす。そして無毛の恥丘を舌でなぞった。《結界》も張らねば。

「んっ、なりませんっ。カケル様が、汚れてっ、しまいますっ」

ニーネンタールの言葉を無視し、女の味を楽しんだ。

「こんな瑣末事に迄ご助力賜り、感謝の言葉もありません」

「そんな事無いよ。良い状態でなければ移動もままならんからね」

メイド四人と母子二人なら先にメルタールへ送ってしまっても良い。だが護衛が到着する迄に二十日以上は掛かるので、長く逗留される貴族は大変だろう。宿に泊まるにしても結構な路銀が掛かる訳だしな。

「夜になったら一度施設に行こう。皆が不満に思うだろうし、頻繁には行けんがね」

「有難きお言葉、重ね重ね、感謝致します」

「カケル様、ありがとうございます…」

経血で汚さぬように、股に雑木マットを挟ませて、後はゆっくり休んでもらう。休憩地では道の左に寄せるようメイドに告げて外へ出た。

「何かあったか?」

 惰眠から目覚めていた弥一が聞いて来るが有耶無耶にしておく。貴族のプライバシーを市井に流すべきでは無いからな。
数オコンして、休憩地は目と鼻の先。だが休憩地には先客が居るようだ。

「魔獣多数!皆出るぞっ」

騎士の斥候が敵を見付けて戻って来たが、先行して叩くようだ。本来魔獣相手なら冒険者の仕事だが、負けたままでは悔しいのだろう。二騎を残して他の騎士達が先行した。

「俺等が出るべきなんじゃね?」

「護衛対象が居ないなら殺れると踏んだのだろうな」

弥一の問いに答えると、他の奴等も声を上げる。

「俺達はまた怪我人の確保で良いのかな?」

「前の組が叩くだろうし、援護で良さそうだよな」

「だな。回復中の味方を守るのも大事な仕事だ。それでサボってるなんて言う奴とは口聞かなくて良い」

先行した騎士達に追い付くと、戦況は粗方終わっていた。怪我人も居るようだが大した事は無いようで、回復と護衛を五組と弥一に任せると、その他は敵の殲滅へ向かった。

「ゴーラが居るな。肉肉~」

「ん?それは唯のゴーラでは無いぞ?」

今迄ゴーラだと思ってたのは、ソレよりも強いオオゴーラだと騎士は言う。アレより確かに大きいが、誤差だと思ってたよ…。
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