女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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優秀な冒険者

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 不寝番で外に出るのは一二三組の各組員と付き添いのみ。四五六の組員はホルスト車の中で待機となる。睡眠時間を削って外で体を伸ばせるのと、敵が来る迄寝られるが体を動かせられない者。果たして何方が楽であろうか。

「寝静まるのを見計らってますね」

俺とディワダは現在空の上にて《阻害》を纏って浮いている。星明かりでぼんやり明るいシルケの夜でも五百ハーンも上がれば見付からん。スキル込みで、そこに人が居ると認識出来んからだ。

「ルートを変えて、更に小分けにして移動すんのか。知恵を凝らしてまぁ…」

「あれだけの人数、一度に動けば足が着きますよ。冒険者崩れか狩人落ちが居るのかも知れませんね」

野盗共が完全に出払ったのは一組が二組に交代した頃。残ったのは女十人。動ける二人はどうやら賊側のようだ。

「そろそろ行くかね」

「まだ近くに居ますよ?」

「多分だが、アレは後詰と見張りを兼ねてるんだろう。問題無しだ」

「…分かりました」

座標を固定し、後詰の上空へ《転移》する。流石ディワダだ、何とも無い様子で動揺を隠し切ってるぜ。目配せして、後詰の八人を《洗脳》した。

「意識を刈り取ったように見えますが、倒れたりはしてません…、一体…」

言い掛けて止まる。気になっても聞かないのが高ランク冒険者だ。後詰の直ぐ傍に《転移》して、指示を出す。

「俺達と塒の事は気にするな」

「「「…おう」」」

「ホルスト車を襲う事だけ考えろ」

「「「…おう」」」

次に《転移》したのは塒の前。見張りも置かず、静かなモンだ。

「……」

言いたい事が山程あるぞと言わんばかりの視線が刺さるが、ハンドサインで制し、中の十人にも《洗脳》を施した。

「…良し、喋っても構わんよ」

「誰も連れて来なくて良かったですよ。何ですかあの移動。その場から移動先に一瞬で変わりましたよ?」

「動揺をしっかり隠せてディワダは凄いな」

「服の中汗でびちゃびちゃですよ。それに、後詰を何かしたアレ、魅了系?否、そんな素振りは無かったし…」

「冒険者の秘密だぜ?」

「そ、そうでしたね。忘れて下さい」

 塒に足を踏み入れて、《消臭》しながら進んでく。二人共《罠感知》があるので踏み抜くようなヘマはしない。目的がハッキリしているので無駄な脇道にも寄らない。つくづく思う、ディワダは優秀な冒険者だ。
暫く歩いて女の居る部屋に着く。部屋と言っても堀抜いただけの穴蔵に、細い木を格子に組んで、檻になってるだけの物。その中に八人が座り、外に二人が立っていた。

「なんと酷い…」

「あれだけの頭数揃えられんなら、普通に働けば普通に女も買えるだろうにな」

「考え方の相違、でしょうね」

檻を《回収》し、一人ずつ《感知》で診て回る。怪我に病気持ちも居るし、孕んで居る者も居る。立ってる二人も怪我が無いだけで八人と変わらんようだ。恭順するか否かの差だろうな。

 立ってる二人を八人と合わせて《洗浄》すると、全員の服を《収納》した。

「カケルッ!?私達は冒険者です。野盗ではありません」

「勘違い…でも無いが、病気持ちを治して孕んだのを堕ろすつもりだ。確認は取るがな」

「貴方って、私達とは格が違いますね」

「広く浅くってタイプなんだよ」

「浅いの深さが違い過ぎです」

座ってた八人に回復を掛けて立たせ、孕んでる者とそうで無いに分ける。

「お前達は孕んでる。産みたくない者は手を上げろ」

スッスと全員の手が上がった。恭順した者もだ。

「良し。後は街で処置しよう」

雑木紙で作った貫頭衣を纏わせて、その場に待機させる。お宝回収もしないとならんからな、あればだが。

「街に連れて行くって…ああ、カケルなら出来るんですね」

「堕ろしたりまんこの中の病気を治すのにはちんぽを突っ込まねばならんからな。時間が惜しい」

「接触治癒、聞いた事はありますよ。ありますが…」

「出来る事をするだけさ」

お宝を回収しながら穴を煉瓦で塞いで回った。





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