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恰もな暗殺者
しおりを挟む瓦礫を《収納》し、キレイになった排水口。勿論中は汚いので入りたくない。《感知》を強めて下水道を見て回る。人程の大きさの生き物なんて居ないので見付けるのは簡単だった。道程を見て行くのでは無く、生命反応を探れば良いだけだからな。暗いであろう下水道を急ぎ足程の速さで移動する四つの生き物は、カロ邸の下を通過して行き止まりで止まって何やら蠢いていた。
上を見るに、あの場所は入浴施設の土台だな。土台を壊そうとしている訳では無く、その横を掘ろうとしているようだ。掘って行くであろう先には一人座ってる。行き止まりで見張りなんて馬鹿げてるので、何かをしているのだろうとは思う。が、分からん。
先程《収納》した瓦礫を丸めて固め、一人佇んでる方へ、すり抜けられないように浮かせて設置。そして四つの何者かの近くにも同じく設置した。《収納》はアイテムであれば《転移》に近い事が出来る。
二つの瓦礫球を行き止まりの方へ勢い良く逃がすと、肉体と共に五つの命が潰えた。
「おい、お前」「動くなっ」
一仕事終えて気が付くと、周りに三人の衛兵が槍を構えて立っていた。動くなと言われてもずっと立ち尽くして居たのだが?
「依頼中だ。手短に用件を言え」
「お前にはヤスタウィを殺した容疑が掛かっている」
誰よそれ。
「容疑なんかじゃ無いよ!其奴が殺ったんだ!」
どうやらこの婆さん、俺の仕事中に衛兵を呼んだらしい。
「殺した証拠はあるのか?俺は風呂屋等を壊した犯人を探してるんだが」
「証拠はあたしの目さっ!ガナルアもレノーメも見てるよ!」
「み、見たぞ」「俺も、見たっ」
「殺された者に近しい者の証言は証拠にならんぞ?それにな。そのナンタラがどう俺に殺されたのか説明出来るのか?」
「それは詰所で聞いてやる。俺達ゃ強く無ぇが、街と喧嘩はしたくないだろ?大人しく付いて来てくれや」
「仕事しながらでも良いなら付き合ってやる。後、報告せにゃならんから、冒険者ギルドから誰か呼ぶぞ?」
衛兵達の顔が歪むが気にしない。カロに《念話》を飛ばし、ニヤニヤして気持ち悪い婆さんを背に衛兵詰所へと向かうと、公共浴場より近い場所から移動していたカロが先着して待っていた。
「カケル様っ」
「図面は持って来たかい?」
「は、はい」
「ではそれをしながら調書でも取られるかね」
「私も同席します。構いませんね?」
歪んでいる顔が更に歪み、勿体付けて折れていた。
取調室っぽい、狭い部屋に連れて来られた俺とカロ。椅子に座るのは俺だけで、カロは後ろを守るようだ。で、遅れて来た男が正面に座った。
「先に報告を済ませとこうか。風呂屋の排水口から下水道に繋がっ「勝手に喋るなっ」に不審者が四人、入浴施設の土台に当たる行き止まりから横穴を掘って北に「黙れっ」通路を作ろうとしてた。繋がる先には一人「儂を無視するなっ!」未確認だが、その先は悪人共の巣になってい「黙れ黙れ黙れ黙れっ!」で、コレがその五人な」
下水道で潰れ、朽ち果てるだけだった死体を《収納》して取り出し日の目を見せてやる。
「臭っ!何だその死体は!?それもお前が殺ったのか!?」
「カケル様、死体に何か手掛かりになる物は残っていませんか?」
《洗浄》し、浮かせて服をひん剥くと、体には刺青が彫られ、持ち物には割符に暗器、奥歯には毒と言う恰もな暗殺者グッズが出て来た。
「暗殺者ギルドだっけ?まだ残ってたんだな」
「貴様っ!適当な事を言って罪逃れするつも「黙りなさい」ウギッ…ッ」
「新たに入って来た可能性も捨て切れません」
「捕まえても口を割らんし、殺してしまって良いだろ?」
「構いません」
「穴もまた塞がなきゃな」
「カケル様にお願いして良かったです」
穴の先を《感知》で見渡し、再び空間になった地下室を見付ける。やはり《収納》持ちが居るみたいだな。
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