女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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小言を賜る

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 更に外迄目を向けると、外からは入口だと分からないようにカモフラージュされている。カモフラージュされているならそのまま自然に戻ってもらおう。入口を少し入った所から煉瓦の塊を詰めて行き、中に居る生き物共々生き埋めにしてがっちり固めた。

「なあ、巣の近くを更地にして良いか?同じ所に毎度巣を作るからもう面倒だぜ」

「街に近くなければ、構いませんよ」

許可を得たので行動に移す。巣の一帯を《集結》で凹ませ固めた。後で水でも注いでやろう。

「良し。これでまた暫くは寄り付かんだろうよ」

「ありがとうございます。次は公共浴場の改修ですね?」

「まだ他にも破壊された場所があるだろ?同様に賊が入り込んで無いか調べなきゃ。街の中もな」

「そうですね。お願いします」

カロに聞いた場所を《白昼夢》で街の中を見渡しながら地下を見て回る。…五ヶ所も壊しといて全部フェイクかよ。フェイクを仕掛けた奴等は宿屋に居たり、露店を見てたりとバラバラだが、口の中に毒があるのを見付けたら探し出すのは容易であった。奥歯に仕込まれた毒を暴発させて《収納》。此処に出すには入り切れないので部屋の外へ出してやる。汚い断末魔の声に衛兵達が集まって来た。

「取り敢えず二十人。口の中に毒を仕込んでる奴だけしか捕まえられてないけど、いい加減懲りて欲しいな」

一先ず賊の排除が済んだので、今度こそ風呂の図面を見る。図面を見ながら薄い煉瓦板で縮小模型を作り、《白昼夢》で見ている実物と見比べる。

家財道具やサプライが置いてあるのはともかく、模型には無い空間があるのは何でだろう?《白昼夢》の俺が壁をすり抜けると、ちゃっかりしっかり貯めていたのだろうへそくりを見付けてしまった。日本ならマルサが来るレベルの金額だろうがな。
婆さん共はまだ近くに居るし、とっとと直さないと男共が臭くなるので土台の際から全て《収納》した。そして図面を見ながら煉瓦の壁を下からじわじわ盛り上げて、総煉瓦造りの建屋が完成した。
技術的に出来無いので丁番のドアを引き戸にしたり、排水路に傾斜を付けて流れ易くしたりと改良はしたが、基本は元のままを再現したつもりだ。
他に壊された場所は地元の建築業者がやると言う事で、報告して依頼は達成となった。

「街を破壊してた奴等は大体集めた。婆さんトコの男を殺ったのも其奴等だろ。俺は無罪放免だよな?」

「ぐ…うぎ…っ」

「カロ、もう良いぞ。無罪放免だよな?」

「…はい」

「風呂屋の彼奴等は人を咎人にしようとした悪人だ。死罪が妥当だな?」

「…はい」

カロが《威圧》を解くと同時に《洗脳》し、無駄口言わせず放免となった。

「カケル様。やり過ぎです」

ギルマス室に戻ったカロと俺は、お茶をしながら小言を賜る。

「街でのいざこざは衛兵隊の管轄なのですから、あまり敵を作らないでくださいね?」

小言を賜るのは俺だけか。

「殺すって言って寄って来たら、返り討ちにしなきゃ殺られるだけだもん」

「カケル様なら傷一つ付きませんっ」

心が傷付きますよ。

「公共浴場の働き手が居なくなったら何方にしてもお風呂に入れないじゃないですか」

「商業ギルドかどっかに連絡して、働き手を集めるしか無いよな」

「ふぅ。マスター。今日からはどうやっても無理なので話だけは通しておきます。ですが人が集まる迄の繋ぎはどうしましょうか?」

「暇してる下っ端冒険者にでもやらせたらどうだ?」

「信用が無さ過ぎます。お金持って逃げられるのがオチですよ」

そこまで信用無い奴を使うのは抜擢する方の落ち度だろ。

「仕方無い。家政婦組合に助けを請おう」

「皆さん家庭がある方ばかりですよ?」

「まあ、話だけでも通しておきましょうか。ハシュラ、お願いね?」

「では二方に話をして来ます」

「あ、そうだ。ハシュラさんとやら」

「カケル様…」「何か?」

カロよ、睨むな。






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