女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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唐揚げにレモン

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 カロに向けて《威圧》の手を放つと、太腿に触れる前に超感覚で捕まえて頭に乗せた。お前も謎感知に目覚めたか?そして同室する何者か、多分サブマスだろう者に指示を出し、自身も部屋を出た。

「カケル様、いらっしゃいますね?」

「此処に居るぞー」

何時もの感じで階段を上がりギルマス室に入ると、やはりサブマス、ハシュラがお茶セットを持って来た。

「よく会いますね。もしかして私の勤務表をチェックしてます?」

「そんな事言って良いのか?」

「はぁ?」

「カケル様、ご要件を伺いますっ。ハシュラも絡まない」

「…申し訳ございません」

「今日は作り過ぎた甘味をお裾分けに来たんだ。カロ邸にはもう送ってあるからな。職員で分けてお食べ」

「甘味…」「カケル様、何時もありがとうございます。当家の者皆喜んでおります」

「カケル様っ、甘味とは!?」

甘味に飢えた女が詰め寄る。シルケでは日常茶飯事だ。《収納》から取り出して、二人の分を皿に出してやる。

「白い物は分かりませんが、この赤黒い物は分かります。アンコですねっ!?」

「餡子を添えて食すみたいですね」

「お茶にも合うと思うし、試食してくれ」

対面に座る美女二人。一口食べて破顔した。特にハシュラは初めての味に魂抜け掛けてる。

「ひ…、ひろいもにょ、は…ま、まひゃか…、はくとう…れふか…?」

ひろいもの…白い物、か。貴族であっても白糖を食す事は稀である。ハシュラは貴族じゃ無さそうだし、アヘってしまうのも仕方無い。

「ハシュラ、女がしてはならない顔してますよ?」

「ふぁっ、はいっ」

「カケル様、コレは以前商業ギルドへ持参した箱詰め黒糖以上の衝撃ですね…」

「既得権益が怖いから売らないよ。早めに食べる事をお勧めするね」

「必ずっ」「それが良いですね」

その後、二人が食べ終わるとハシュラは芋ようかんセットを持って出て行った。人を集めて何やら話しているが、カロが隣に来て頭を預けて来たのでチュッチュした。

「カケルたまぁ~~ん、おいちかったでしゅ~。んちゅ、ん~ちゅっ」

「偶には島に来いよ。カロとエチエチしたいんだよぉ」

「今直ぐ~んん~っ」

《結界》張ってちょっとだけした。今はまだシンクが小さいからアレだけど、今度は男の子が良いねって話をして帰宅した。

「お帰りなさいませ。クンクン…今日はカロ様ですか」

何で分かるのか。

「カロもタマリーも中々来ないからな。内に溜め込む前に発散させてやりたいモンだ」

「あたし達は幸せ者ですね」

「そう言ってくれて嬉しいよ」

「幸せ、ください」

テイカに収めて過ごした。


『パパ!何あれ!?芋ようかんに餡子ってっ』

 夕飯の最中飛んで来た念話にビクッとした。シンクである。

『美味しかったかい?パパ頑張って作ったんだ』

『幸せ過ぎて飛びそう。前のケーキっぽいのも久しぶりの甘さで飛び掛けたけど、これは別格ね。酸っぱく無いし』

シンクは酸味のあるクリームは少し苦手だそうだ。唐揚げにレモンも論外だと言う。

『大人になったらパパの代わりにパティシエになっておくれ』

『パパってパティシエだったの?』

『地方公務員だよ』

『何でスイーツ作れるのよ?前見た地球人みたいにデブってたの?』

『デブっては無かったぞ。姉の酔狂に付き合わされて、粗全部やる調理助手をやらされていただけだ』

『助手で何もしないのは車の助手席乗ってる人だけよ?』

ラリーとかの助手席はちゃんとサポートしとるだろうに。

『とにかく、愛娘の喜ぶ顔が見たいならスイーツお願いね。お風呂入って寝るわ』

『アルネス達が無理してたら教えておくれ。報酬は、分かるだろ?』

『無償なのが真実の愛よ?じゃ、お休み~』

愛娘め、深い事を言う。獣母の愛も、真実なのだろうか。

 翌日の洋風蒸しパンにもクリームを添えたが、慣れて来たようで好評だった。しかし飲むのは豆乳だ。皆イソフラボンを信じているからな。







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