女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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子離れ

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 朝の部を終えて島に戻る。出迎えたテイカはスリスリと体を擦り付け、チュッとしたら自分の仕事に戻って行った。どうやらお目溢めこぼし頂けたようだ。

そして施設での仕事と子供達の世話をこなして夜になる。

「ダンジョンいく」

ダンジョン行った翌日にダンジョンに行きたがるネーヴェ。

「カララも行くの!サミイも行くの!」

「え?わたしも?」

ネーヴェの言葉にカラクレナイが続き、急に話を振られたサミイは驚く。

「カラクレナイが行くんならリュネとミーネも行くのか?」

「そうですねぇ。行かない選択肢はありませぇん」

「まだまだ子離れするには早いからな」

「我は…そうだな、止めておこう。ダンジョンが怖がるかも知れんしな」

母と疑似母は行く気だが、リームは同行を遠慮した。リームの場合、ルドエや島での野良仕事もあるし、あまり日を開けたくないのだろう。留守中に水撒きの命を賜わるボーデンフェルトは、水撒き出来るが成長させる事迄は出来無いのだ。勿論俺も出来無い。

「行くのは良いが何処行くつもりだ?クリューエルシュタルトのチケット返しちゃったぞ?」

「むぅ、カケルゥ…」

「まあまあ、お金ならありますからぁ」

「旦那さまって、意外と守銭奴てきなトコありますよね?」

「カケル、お金なかったから」

「安く済ませられるなら済ませたい派なんだよ」

サミイは俺をケチだと言うが、イゼッタは俺がジリ貧だった頃を知ってるのでフォローしてくれる。ええ子や、撫でてやろう。

「それで、期間はどれくらい掛かりそうだ?あまり長いと俺お爺ちゃんになっちゃうよ?」

「それだとわたしもお婆ちゃんですね」

「んー」

「旦那様よ、行って十日かそこらだろう。飯の心配は無いが人の子は疲れてしまうからな」

「ん…、わかった。そんくらいにしとく」

「では、明日から支度を始めましょう。場所も決めなきゃですからねぇ」

「わかった。リュネ、おねがい」

話が纏まり明日から出るなんて事は無くなった。その後二日掛けて支度をしたり場所を決めたりしての出発予定日の朝、四龍は元気に巨大化し、ドラゴンライダーを乗せて飛び立った。

「新たなダンジョンに行くって言ってたが、バルタリンドだと公都の近くにあるんだっけ?」

「ええ。ネーヴェ様が居らした場所以外では、国境沿いの街、ドーンドゥールと言うのですが、その街がダンジョン都市として賑わっているそうです」

「へぇ。皆が帰って来たら俺も行ってみようかな」

「二泊三日」

「早くね?」

「カケル様は女を拾って来そうですからね」

イゼッタとテイカは俺が出会いを求めてダンジョンに行ってると思ってるのか?

「お金稼ぎに行ってる筈なんだがな」

「女の匂いを付けてお帰りにならない事を願います」

「その時は善処するよ」


 さて、今日も女の匂いを付ける仕事をし、子供達に癒される午後。

『カケルさぁ~ん』

リュネからの《念話》だ。寝てる子を起こさぬように部屋を出る。

『子供達をお昼寝させてた。どうした?』

『はぁい。一先ず街に着きました。ドーンドゥール、だそうでぇす』

やはりメルタル大陸内だとそこになるのか。

『リアに少しだけ聞いたけど、賑わってる街みたいだね』

『そうですねぇ。街の名前は変わりましたが、形はそれ程変わってませんねぇ』

『知ってる街だったのか』

『中を歩くのは初めてですよ?』

上を飛ぶのは初めてでは無いと言う訳か。これから宿取ってギルドで事務処理やら何やらすると言うので《念話》を終える。聞くと行けば良かった…ってなるが、俺は子供達のお世話を仰せつかっているからな。施設での仕事以外は散歩程度しか外出出来んのである。

「姉妹の何れかが《念話》をしたな?」

「お帰りリーム。分かるモノなのか?」

「内容迄は分からんが、主様の《念話》は筒抜けだから、何となく理解は出来た」

龍の前では俺の《念話》にプライバシーは無いようだ。




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