女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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仲良いジジババ

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「貴族が後ろ盾ってなると、敵の渦中に飛び込む事になるんだ。隙は少ない方が良いと思うよ」

「カケル殿の仰る通りに」

「敵はテンテリオン様では御座いません故」

 リュネの言葉に意見を述べると、家令とメイド長がそれに続く。
メイドから供されたお茶で口を湿しながら行った先での行動を話し合っていると、ノックをしてメイドが入って来る。

「失礼致します。各ギルドの顧問の方々がお見えになっております」

「顧問?ああ、ジジババ達の事か」

「カケル殿」「お言葉が過ぎまして御座います」

「名前覚えて無いしなぁ」

此処では何だと客間に移動し、稍間が空いてジジババ、基、顧問のお歴々が通された。
魔法ギルドのデルトロー、商業ギルドのハスカンダ、医療ギルドのビビエルと、三人揃って誰よりも先にリュネに向けて名乗りを上げる。隠していても分かる程の魔力だし、長生き出来た理由が分かる。

「国の一大事、否、ハーク様の一大事と知って取るも取り敢えず駆け付けたが…」

「よもやこの様なお方を味方になさるとは….」

「ワシ等如きがしゃしゃり出る隙は無かったようですな」

勝手に凹んで申し訳無いが、リュネは矢面に立たせたくないんだがなぁ。

「うふ、私はカケルさんの味方でぇ~す」

「カケル殿っ」「カケル様っ」「カケル殿おっ」

テーブルに身を乗り出し顔を近付けて来るジジババ共が暑苦しい。

「俺はハークとアルアの味方だよ。分かるだろ?この方はグリューネワルター様。人の子では無いから扱いには特に気を付けてな?」

「リュネでぇ~っす」

「人の子…」「いやまさかそんな」「だが確かに…」

三人ヒソヒソやり出した。話が進まんな。

「所でさ。商業ギルドはハーラデーと繋がりはあるのか?商人が後ろ盾って聞いたが」

「とんでも無いわっ。ギルドはあくまでギルドじゃ。ワシ等と取り引きせんでもやって行けると思うとる商人が徒党を組んだと言うだけじゃ。既に大陸内のギルドには通達を出し、締め出しを謀っておる」

「あたしゃ甘いと思うがね。やらんよりはマシだろうけどさ」

「何じゃと!?」

「待て待て。俺もビビエル婆さんと同意見だ。相手は貴族と商人が組んでるからな。何かあれば無礼だ何だで蹂躙されるのは目に見えている」

「そ、そんな事は…」

「だがそんなに気にしなくても良いだろう。傍若無人を働く王の元に人は集まらんよ。皆は無理しない程度にマシ程度の行動を続けてくれ」

「ふふんっ、ワシの行いは正しかったのじゃ」

「兵隊を掻き集める方が良いと思うがの」

「備蓄の確保が先決よ」

「それぞれやって、連携取れば良くね?」

「「「あ…」」」

「ならばワシは品と情報を」

「ワシは戦力じゃな」

「あたしは品と戦力だね。あンた戦力だけじゃないか」

「戦時となったらワシも情報集めるわい」

仲良いジジババである。だが戦時にはならないぞ?争いは力の近い者同士がやるモノだ。

「ブルランさん、何時行くか決めて準備をしましょう」

「それならば問題ありませぬ。支度は既に出来上がっております」

「ええ、昨夜の内に済ませておきましたとも」

流石だな。ハークの所は俺が来る前から準備を進めており、アルアの所もそれを見越した荷降ろしをしたそうだ。

 出発は、ハークとアルアにブルランさん。両家のメイドが計十一人に、俺とリュネ。ジジババも行きたいとゴネたが、やる事やってからと断った。

「約束じゃぞ!?《転移》させてくれなんだらレイスになって取り憑いてやるからな!?」

「ならばワシはアンデッドキングじゃ!臭いぞぉ」

「家政婦組合にある事無い事言うからね!?」

最後のが一番痛い。痴呆になれと祈りつつ、ミソプファンティアへと《転移》した。

「ふう」

「そのくらい私がしますのにぃ」

「場所知らないでしょ」

「あら、何方?此処はおいそれと立ち入る場所では無くってよ?あら?貴方は…」

 《転移》した先はおいそれと立ち入る場所では無い。しかし此処をスタートにしないと面倒なのだ。




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