女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 デリーを帰し、島へと戻り、イゼッタを抱き枕にして寝る。気付けば妻三人に抱き着かれていた。起きたいけれど起きられない。これ寝ながらマーキングしてるな?諦めて目を瞑る。
少しして、兎女児とアルアが起こしに来た。この四人、アルアが来て直ぐ仲良くなって、一緒に子供部屋で寝てるそうだ。

「カケル様~。起きないと爺やと婆やにある事無い事言い付けますよ~」

「起きてるぞー。起きられないだけだ」

「ん…、孕むまで…」

イゼッタよ、それは長過ぎだろう。纏わり付いて離れない三人を浮かせて食堂へ向かう。サミイとリアは起きてるよな?歩けよ。

 膝の上にイゼッタ。左右にサミイとリアがくっ付いて、食べ辛い朝食を摂る。スプーンに掬ったスープをイゼッタを避けながら零れないよう口に運ぼうとして、突然の《念話》に驚いて零してしまった。

『カケル様!緊急ですっ』『パパ!ママがっ!』

『要件!』

「緊急だ、離れろっ」

『兵隊っぽいのが一杯来てママ呼んでる!』

『エンメロイッ、要件!』

『星見が街の上を飛ぶ多数の騎竜を見たそうよ。コッチは警戒してるけど、どうやらカケラントじゃ無いみたいなの』

エンメロイとシンクレイアから同時に《念話》が飛んで来て、思わず大きい声を出してしまった。

「カケル、どした?」

「カロの所に竜騎兵が来てるみたいだ。敵としてな」

「貴方様、急がねば」

「施設とカロ邸の者を島に避難させろ。俺はギルドへ飛ぶ」

「主様よ、我を使え」

リームの言葉にミーネとリュネも立ち上がる。

「…リュネはセカンドハウス、ミーネはミネストパレスを見て来てくれ。リームはカロ邸だ」

「はぁい」「そうだな」「任されよ」

リュネが消え、ミーネとリームは食堂を出る。それに続いてラビアン達も行動に移った。

「行ってくるよ」

「「「ご無事で」」」

 《転移》して、ギルマス室。そこには既に抜剣した兵隊が居て、カロと其奴等の間に立つ形となった。

「だっ、誰だ貴様っ!?」

「カロ、無事か?」

雑魚の言葉をスルーして、先ずは安否確認。同時に雑魚共を《洗脳》する。

「カ、カケル様っ!」

カロを連れて下へと降りる。カロ曰く、突然捕縛令が下りたと言われたそうだ。廊下や階段に居並ぶ雑魚を《洗脳》し、普段なら冒険者でごった返す筈のフロアで抜剣し、職員に威圧的な態度を示す馬鹿共に《結界》を纏わせ動きを封じた。

「パパーッ」

「パパでちゅよー」

「パパ…」

「カロさんや、外の雑魚を無力化して来るから、建屋内の雑魚を一纏めにしといてくれ」

「はいっ。皆手伝って!」

カロの言葉に職員達の士気が上がる。俺は外に出て、《感知》で見える限りの兵士の腹を《威圧》して脱糞させた。空から落ちてる奴も居るが、運が悪かったな。リームの方に居た奴等よりはずっとマシだろうがな。何より兵士の姿が無い。騎竜もだ。

『リーム、状況は?』

『食えたものでは無いが捕まえておいた。人の子は食わんがな』

…だそうだ。

『ミーネ、リュネ、其方はどうだ?』

『異常は無かった』『今消しました~。接収?とかされそうだったようですよ?』

どうやらバルタリンド方面に集中して飛ばしたようだな。何時の間にか近くに居た騎竜が消えている。食べられないなら放っとけば良いのに。

『ミーネとリュネは引き続き警戒を。リームは休んでくれ、助かったよ』

ギルドに戻ると兵隊共が縛られて、フロアに転がされていた。

「カケル様、《結界》に囚われている者以外、全て捕縛しました」

「外で糞を漏らしてる奴等も捕まえて、街の外にでも放り出しておくと良いよ」

「はい。ですが、よろしいので?正規兵ですよ?」

「リアや義母殿には悪いが、あの二人は死ぬだろうな」

「お、王様ですよ?」

「デリーなら立派な女王になってくれるさ」

「…何時の間にそんな親しげに…。とにかく分かりました」

『パパ、何があったのよ』

『国同士の戦争だよ』

開いた口が閉まらないとはこの事か。




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