女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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流石俺

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 金云々はともかく、対岸の二国に断交を言い渡されたのは海運業をする上でかなり不味い事だろう。迂闊に近くを通れば襲われる事を意味するからな。シンクがうたた寝から起きる程の時間を経て、俯き加減でじっと耐え続けていたハイネルマールにやっと解放の時が来る。話し合いが終わったのだ。話し合いが終わったからと言ってそれだけで済んでは無いのだがな。
話し合いの結果、バルタリンド~ヒズラー南部の港街への航路が全て閉鎖された。これによりヒズラー南部都市の流通は全て陸路で行われる事となる。更に、バルタリンド~メルタル大陸間の航路がウラシュ島西部を通過する一航路のみとなる。帰りは潮の流れに乗れるが行きは大変らしい。それに今回の件でヒズラー南部都市は割を食う事になる。迂闊にバルタリンドに入ろうものなら大陸を北上するルートを通らなければ地元に帰れなくなるのだ。が、知った事では無い。

「皆、お疲れ様」

「ズズ…ふう。一日で終われて良かったです」

冷めたお茶で喉を潤すトリントン。そしてエンメロイも背中を伸ばす。

「ええ、ゴネられて間延びしたら、その間は自由航行を許してしまいますからね」

「俺は何も出来無かった。まだ何も足りない事を実感した」

「それこそ経験値じゃないか、良かったな」

褒められて赤くなるロデュローン。頑張れ。

「私はこの事を纏めて城へ伝えます。明日の昼にはギルド経由でティディリオーヌ様の元に届く事でしょう」

「カロのお陰で場が収まったんだよな。流石俺の女だ」

「シャリーさんの入れ知恵ですよ。お子が産まれたらギルドに来てくださいお願いします」

「他の仕事次第ですね」

シャリーがギルドに入ると益々引越し出来無くなるのだが、なるようになるしか無い。

 それから数日経ち、カロ邸から来た言伝でギルドのカロの元へ向かうと、国王代理より委細受理されたと告げられる。これにより、ハイネルマールに対する国からの新たなる支持を得る事となり、普通に仕事する分には問題無くなったそうだ。

「取り敢えず、問題解決かな?」

「はい~。もう大丈夫れふ~」

ソファーに並んで座ると寄り掛かり抱き着いて来る。一仕事終えて蕩けるカロだが、此処ギルドだからな?おっぱい撫で撫で揉み揉み…。

「今度からは、依頼の裏に隠された意図を見なきゃならないな」

「申し訳ごじゃいましぇん、うう~…」

「カロだけのせいじゃ無いさ。ハイネルマールには世話になってたし、俺も下手に出過ぎたよ。最初に彼奴と王達を脱糞させてときゃ竜騎兵も失わなくて済んだんだし、王としての顔を持たないとダメなのかもな」

「どちらのおかおでもだいしゅきれしゅ~、クァケルたまぁ~ん」

これ以上蕩けさせるとギルドの仕事に支障が出るな。名残惜しいがおっぱいから手を離し、手を、離し……た。

 ギルドからの帰り、寝具店に寄る。朝からサミイやカラクレナイが遊びに来ており、昼飯を島で食べるなら一言告げねばならない。

「カケル様、お待ちしておりました。揉みますか?しゃぶりますか?それとも、な、か、に?」

「一先ず家に上げてくれ」

メッツくんを抱っこしてないエージャは通常運転で、裏口を潜る俺の背中にしがみ付いて来るが、食卓のテーブルに座るママ上殿は少しアンニュイな表情である。

「あら、カケル様。エージャを可愛がってあげてくださいね」

笑顔が暗い。ママ上殿の暗さの原因は三人目の母になれなかったからである。俺の知らぬ所でリュネが処置したようだが、それ以来ちょっと落ち込み気味なのだ。俺の種じゃ無かったと聞かされたが、そう言う問題では無いよな。

「偶には島でゆっくりしたらどうかな。メッツくんもお友達と遊べるだろうし」

「そうね。あの人に聞いてみるわ」

「旦那さま、お昼はこっちで食べるので伝えておいてください」「カララもなの~」

言伝を受け、セカンドハウス経由で島に帰る。背中にエージャをくっ付けて。







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