女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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その後の様子

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「兄貴ぃ助けて~」「この人達エロいよ~」「ハーーークーーー」

 嬉しそうな顔して何言ってやがる。家主ハークは隣の部屋に居たようで、ガットの叫びに飛んで来た。

「カケル!ダーニーガー!」

「人の子等、そろそろ離しなさい?」

「「「はっ」」」

リュネの命令は素直に聞くのな。俺相手だと更にグリグリして来るのに。

「ハークー」「会いたかったぜー」「バトろーぜー」「お兄様~」「ハークちゃ~ん」

俺、ぼっちなう。否、ネーヴェが居てくれ…てない?何処行った?

「リュネ、ネーヴェが居ないんだが、何処で落とした?」

「え~。多分ワーリン達の所でしょうか。私達も暗い所が好きですからねぇ」「んぶーっ」

「機嫌を損ねて更地にしなきゃ良いが…」

「ふふ、きっと大丈夫ですよ」「あぶっ、んんーーっ」

《念話》を飛ばして暗い所に居るって返された。どうやら俺の《転移》からソロ活動してたらしい。それよりハークを離してやれ。そして俺と代われ。

「俺の用事は後で良いから先に遊んどいで」

「んばっ、カケルッ、どっか行くの!?」

「ん、鳥見て来る。リュネ、皆のお守りを頼んだよ?」

「はぁ~い」

何時も一緒のブルランさんが居なかったし、先に皆の用を済ませてもらおう。アルアは親にも会いたいだろうし、少年隊は国王をボコボコにする不敬を働くだろうし。
《転移》で飼育場へ飛ぶと、メイドが一人くっ付いてた。顔が無いと困るから、だと。まあ確かに。

「あの、何方の騎士様で?」

騎士では無くて王なのだが、こう言う時こそが役立つ…役立て。

「え、ああ。はい。見覚えありませんか?鳥舎に巣棚を設置してくれたカケル様です」

「ああ!あの棚を」

「その後の様子を見に来たんだ。皆仲良く使ってくれてるかね」

「ええええ。どうぞご覧になってくださいませ」

どうやら前回来た時には居なかったらしく、俺の事は知らない様だった。が、巣棚の調子は良さそうなのは顔で分かる。

「おお、増えてる」

ちっちゃいのが十羽程床面をチョロチョロしてるのが見えた。正面奥の棚には丸まった親が居るし、温めているのだろう。

「此処迄産むとは予想も出来ませんでした。高さが重要だったのですね」

「採卵はし易いか?」

「梯子を使って行っております。啄かれたり蹴られたりがだいぶ減りました」

他にも、産んだ親、即ち雌が見付け易くなり雄の隔離が楽になったそうだ。

「そろそろ雛用の施設もあると良いな」

「親と離して飼養するのですか?」

「今だと、親は卵に付きっきりだろ?子育てする親を数羽に絞ってやるんだ」

「カケル様、それでは孤児みなしごの様ではありませんか」

少し声を荒らげたメイドが意見する。

「寮制の学校と思って欲しいんだが、お前はあまり良い思いが無さそうだな」

「……ええ、まあ」

「何方にしても増設しないと棚も足りなくなるし、側を作るだけはしておこう。防寒対策はどうなってる?」

「はい、それでは…」

職員に聞く所によると、この地の鳥は寒さに強く、土と煉瓦をサンドイッチにした壁で充分雪の季節を越せるとの事。それなら俺でもやれるな。
鳥舍を出て、日当りを損ねない場所を確保すると煉瓦と土でテストの壁を作り、見てもらう。土に枯れ草を…と言われたが、枯れ草は流石に持ってないな。かなりの量を練り込んで、空気の壁にしているようだ。

「枯れ草って、何を使ってんだ?」

「収穫後のミズマタルを使っております。建材の他にも、寝具や焚き付け等に使われておりますので、今直ぐご用意とは…」

「雪の季節なら尚更だな。取り敢えずスキルでお茶を濁そう」

要は餡子を密にしなければ良いのだ。鳥舍の外観を真似て壁を作るのは俺のセンスでは無理と判断。機能だけ真似て側を作った。違うのは屋根にも防寒性がある事くらいだな。

「あの、このままですと入れませんが」

「窓も無いよな。壁を切ってから出来合いのを取り付けてくれるか?」

俺の出る幕は此処迄だな。





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