女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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討伐記録

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「では内容を説明しようか」

 ダールッターは資料を手にして依頼内容を共有する。内容はダンジョン内部の生態調査で、期限は設けず、最奥迄全て確認して回れ、と言う物であった。

「隅々迄見て回る必要がある訳か」

パントルが呟く。この中では体力的に不利があるからだろう。歩き続けて百階迄潜るのは誰だってうんざりするモノだ。

「食料はどうする?皆自前で用意しているだろうが、俺と此奴は揃って十五日分と言った所だ」

バシットは継戦能力を気にした。皆十日前後の携行食を用意して居るが、即ちその半分の日程しか潜れない事を表す。買い足しが無ければ七日で百階、忙しくなりそうだ。

「Bランク、お前どれだけ潜れる?」

バルディが俺に問うが、どの意味でか分からなかったので聞いてみたが全てだと帰って来た。正直答え難い。絞って欲しいぜ。

「えーと、先ず食料で言えば百日でも潜り続けられる。だがメイドがそろそろ子を産むんでな。早めに戻って撫で回したい。戦力については単騎討伐数三位のドラゴンバスターだ。ダンジョンのレッサードラゴンな?」

「は?」

「一人でドラゴンを狩れる…だと?」

「そんなBランク、居る訳が無い」

Aランク達は懐疑的。多分だが、自分達が出来無いから信じられないのだろう。Cランクのパントルは無言だが、結果より工程を考えてるみたいに見える。

「ハハ…ハハハ…」

ギルマスは笑うしか無い様だ。こりゃ信じて無いな。

「討伐記録があるから見ても良いぞ?ギルマス」

ギルド証をテーブルに滑らせダールッターに渡すと、彼はそれを手に取り機械のある一角へ歩いてく。そして暫く操作して、此方を振り返った。

「えっ…え?」

一体何を見てるのか。四人も気になってソワソワしちゃってるじゃないか。

「あの、カケル。君、公王代行と謁見したのか」

「まだ女王になってなかっ…って、関係無いトコ迄見るなし」

「何故お前が公女殿下と謁見出来るのか!?」「落ち着け馬鹿っ」

「凱旋でしか見た事無いぞ!?」

「私だって傍から眺めただけだと言うのにっ」

注目すべきは討伐記録よりソコなのか?聞くとバルディ以外の四人は公女四姉妹のファンらしく、お近付きになりたいが為に騎士になろうとして挫折して上級冒険者を目指したり、魔法師団に入ったりしたのだそうな。

「バルディ、だっけ?お前、苦労したんだな」

理解わかってくれるか」

次女を妻に、長女を妾に、三四女をお菓子漬けにしたなんて絶対に言えんなコレは。とにかく話を切り上げて、討伐数を見てもらう。確かに数は多いがジョンとネーヴェが上に居るのでやれる奴はやれると言う感想に落ち着いた。ふう。

「公女殿下の話はダンジョンで聞く。楽しみにしているぞっ」

「ああっ私も行きたいっ、誰かにマスターを代わってもらうかっ?良しっ、私も行くぞ決めた」

決めちゃった様だ。準備する、出発は明日だと言って出てっちゃった。ギルド証、見せなきゃ良かったか?
残された五人も食料の買い足しをするようでギルドを出ると言う。俺も外へ出よう。


「あら旦那。お仕事は終わりかい?」

「まだ始まってもないよ。明日出発だとさ」

 男共と離れて倉庫へ帰ると、女が数人掃除してくれていた。《洗浄》してしまえば一瞬だが、その気持ちが嬉しい。

「ならさ、ソーサー焼いたから持ってっておくれよ」

「長丁場になりそうだからとても助かるよ」

「で?お仕事のお仲間さんは、女かい?」

「残念な事に全員男なんだ」

「確かに、あんま女の匂いはしないねえ。男好きにならない内に戻れると良いやね」

少しはするのか。否、尻触ったか。何故気付くのか、これが分からない。

「それは大丈夫だろう。皆むさくて可愛くないからな」

「可愛ければ食っちまうんだねぇ~」

愛でるだけだ。食べないよ。




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