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成程な
しおりを挟む地上部は一先ず良しとして、地下を進めよう。とは言えダンジョンコアを移動してどうなるかも分からないし、オーバーフローで壊されても敵わん。なので深く迄は手を付けない事にして、取り敢えず地下一階だけ。ダンジョンでは無くなっているせいで天井やら壁が脆くなっているだろう。奥まってる通路は埋めてしまい、二百ハーン四方の空洞にして、柱や壁で補強する。下り階段迄は太い一直線で良いだろう。下り階段前には五十ハーン四方で部屋を取った。
地下二階に手を付けようとして、階段の細さと脆さが気になった。全ての階段で同じ仕様なのだが、通路は五ハーン近くあるクセに、階段は大体二ハーンくらい、男二人が肩を当てない程度にしか幅が無いのだ。地下に居た四足のボスがどうやって上がって来るのか想像も出来ん。
ならばと階段も作り直す。ホルスト車が降りられる大きいつづら折りを二車線、傾斜がキツくなり過ぎないよう外周を回るように書き足した。そうなると距離も出る訳で、人用の階段も必要になった。これも螺旋階段だ。
で、階段を描いたら地下がズレた。やり直しである。天井高が約十ハーン、階高は約二十ハーンもあるので製図がとても面倒臭い。人用階段を基準にして一から描き直した。
「ふぅ~…」
「お疲れですか?」「ナニしてたの?」
何とか図案が仕上がって、厨房へ向かうとテイカとイゼッタがお茶の支度をしていた。
「図面描きしてたんだ。イゼッタは直ぐに帰って来たんだな」
「みんなのお世話」
「成程な。子供達のおやつの時間か」
「カケルも来る?」
「子供達に構って欲しいけど、もうちょっとだけ仕事なのじゃ。豆乳飲んだら工作の時間だ」
「そか、がんばれー」「良い仕事が出来ますよう」
豆乳飲んで、黒糖齧って外に出て空に上がる。螺旋階段を作るつもりでいたが、結局作るのは踊り場のある折返し階段にした。円を切るのが面倒だったのだ。それにバリアフリー対策迄は考える余裕は無かった。
一ユニット高さ六ハーン六十六ドン、長さ二十ハーン、幅五ハーン、蹴上げ二十ドンとして、段数三十三で描いた図面を見ながらパーツを切り出した。
六ハーン六十六ドン×二十ハーンの煉瓦板の上段に踊り場と、対角線-五ハーンの場所を繋ぐようにガイド代わりの斜めの板を貼って、 そこに段板を付けて行く。蹴込み分を忘れず入れて三十三段。内側の板は踊り場を避けて斜め板を張り、これで一つが出来上がる。後は同じ物を作って内側同士、五×十ハーンの踊り場を繋げば降りられるようになる訳だ。
取り敢えず、尺定規が欲しい。普通の定規すら手作りのしか無いけどなっ!
「カケルさぁ~ん」「カーケルー出来たー?」
ストレスを溜めながらの作業の手が止まると下から声が掛かる。リュネにイゼッタの気の抜けた声に力が抜ける。ラビアン達や匿いの五人も集まって、俺が唸る様を見ていたのだろう。
「コレを後二つ作ってくっ付けるんだ」
「陛下、見事な魔法に御座います」
「ルジェよ、今は公式の場では無いから陛下は止めてくれ」
「はっ、承りまして御座います」
ルジェがお世辞を言って来るが、相手が王ならそうもなるか。隣に怖い龍が居るしな。
「カケル様、図面を見ても良いですか?」
今度はテイカが図面をくれよと手を伸ばす。降りてって見せてやると、横から前から視線が伸びる。
「ふむ…。コレでこう、ですか」「どれどれぇ~」
「どゆこと?」
「奥様。カケル様はこの階段を、地面を堀抜いて埋め込みたいのでしょう」
「けどこれじゃあ、人の子がぴょ~んって、しますねぇ」
「う、手摺か…」
「手摺程度ではぴょんしますね」「馬鹿息子達ならしますねぇ絶対」
「…する、だろうなぁ。彼奴等なら体を捻って手だけで降り兼ねん」
「ですので、その状態で箱にしてしまい、後から踊り場に面した壁に穴を開けるのは如何でしょう」
「成程なー。ちょっとやってみる」
テイカは本当に器用だな。
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