女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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牛っぽい

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 高い煙突と同じ高さに屋上のある梁と床だけの建物だが、見晴らしが良く小型UFOが見付かってしまった。声迄は聞こえんが、わらわらと雑魚が集まって来よる。

「頑張って作ったんだろうけど、残念だねぇ~」

「兄貴、ホント容赦ないよな~」

「街の平和を守ったのに感謝の意思も無いんだぜ?」

「「あー…」」

皆を集めて固まって、塔の内部へ《転移》する。小型UFOに矢やら魔法が飛んでるので《収納》しておこう。傷付くと音が出ちゃう。

「明かり明かり…あった」

アズがライトを取り出して、下に向かって明かりを放つ。ネーヴェが作った車に付けてたヤツだ。

「アズよ、それ取り外して持って来たのか?」

つか取り外せたのか?

「夜に走る事ってあんまり無いし、依頼に使えるから普段は外してるのよ」

「俺達夜目利くしな」「「なー」」「アタシも」「オレもー」

暗視は出来ても魔力視は使えないので閉ざされた穴では少し不便だと言う。アズは魔力視は使えるが投石とかは避けられない。やっぱり明かりは必要なのだ。
底に着き、ダンジョンの中へ。此処に来るのも久しぶりだ。少年隊の三人が先ずはと前に出て雑魚を蹴散らし進んでく。出て来る敵は以前と変わらずブフリムに溶けてるゲル、デカネズミ等。下る程に種類も変わって皆楽しそうだが、今回は探索では無く到達なので脇道に寄る事無く十階に到着した。

「お…、何だ金かぁ」「瓶~」「魔石~」

「十階だし、そんなモンっしょ」

「次はアタシ等だね」

ドロップに残念がる少年隊に、魔石を拾い上げたワーリンが突っ込む。この先はキキラが前に立つと宣言した。

「ねえ、それって二十一階からは私達って事?」

「アタイ一人で殺るのかー…」

順番的にはそうなるのか?流石に前衛一人で行かせるのはイカンだろ。

「なら俺も手伝おう。数減らせば良いよな?」

そんな訳で俺も冒険者活動に参加させてもらった。

 三十階のボス牛を殺り切る友恋を応援し、此処で一旦休憩となる。少年隊はドロップに斧や牛の被り物を見付けて喜んでおる。

「休む時は休む!」

「「「はーーーい」」」

「兄貴ぃ、コレ見てかっちょいー」

「黒い牛だなぁ」

「うし?タウロスでしょ?」「首だけだとモースだよね」「角あり毛無しドウドウ、みたいな」「あー」

牛は居ないのにタウロスは居るんだな。そしてヒズラーでは牛っぽい野獣をモースと、ノースバーではドウドウと呼ぶのか。確かにドウドウは毛むくじゃらの牛っぽいな。

「俺、モースって見た事無いや」

「公都以北に居るみたいよ?私も絵でしか見た事無いもの」

「キラ姐、コレ被ってみてよ」

「角あり毛無しドウドウをかい?んー、鼻面長いからアタシにも被れそうだけど…。旦那ぁ、大丈夫かねえ?」

「鑑定してからな」

タウロスマスク
タウロスの頭部を模した防具。角を曲げると口が開く仕掛けが施されている。二足歩行モンスターの敵意を消す事が出来る。

「呪われてないみたい。角を曲げると口が開くんだそうだ」

「へ~」

キキラは被り物の側面を調べてカパッと開くと毛を挟まぬよう慎重に顔を収めて蓋を締める。

「視界はどうだ?」

「意外と見えるね。けど角どっち曲げんのさー…あ、空いた」

両手で角を弄ると、ガパガパ口元が開いて黒牛から白熊が出て来る。鎧も黒いから白黒の度合いが黒に傾いたな。

「毛が蒸れそ」

「もうちょい視界が欲しいかなー。エメラルダスんトコで直してもらってから使おっと。皆良い?」

「「「いーよー」」」

どうやら気に入ったみたいだ。ちゃんと外せるようで良かった。因みに斧はデカ過ぎるし通路じゃ使えないので《収納》行きとなった。

 前衛を少年隊に代わり三十八階。久しぶりの顔を見る。

「兄貴~、彼奴等逃げる~」「届かな~い」「襲っても来な~い」

「ダンジョンにも平和主義なモンスターが居るんだろうよ」

ぴょんぴょんして追い掛けるものの、ヒラヒラと躱して間合いを取られ、三人は愚痴を零した。





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