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溶けている
しおりを挟む「あら?仕切り。んで、また部屋?」
「やっぱり、風呂っぽいな」
「お湯は?」
「脱衣場だよ多分。その仕切りの奥は浴室だと思う」
「なんかパチャパチャ鳴ってるもんね」「いー香りもするー」
「飯風呂寝る。風呂飯寝る」
「「飯」」「「「ご飯」」」「お風呂」「「風呂」」
俺の言葉と挙手に八人群がり、五対三で飯となった。皆が食堂へ向かう中俺は中抜け。リラクゼーションされてる受付嬢がこのままだと溶けてしまう。外に出て、上へ上がる。穴の部屋はまだ開いていて、部屋に入ると受付嬢の姿はむんにゅりに包まれていた。どうやらエステ中みたいだ。むんにゅり柔らかい外側が薄くなり、受付嬢の顔が出る。
「食事をしに行くが、どうする?」
「も…もうしゅこしぃ。しゅこしらけぇ~」
ああ、溶けている。こりゃダメだ。お手柔らかにと《念話》を飛ばし、十本槍の居る食堂へと戻った。
「カケルさん、何処行ってたの?女?」
「でしょうね」「だろうね」「何人連れて来たのよ」
「一人だよ。ホテルオナホの利用価値、存在価値を確認してもらおうと思ってな、連れて来たんだ」
「ふ~ん、エッチしたい言い訳じゃ無い?」
「否定はしないが、ギルド職員が直に味わってこそだと思うんだ」
「あー、アレ、癖になるよねぇ」「優しさに包まれるわよね」「お肌ぷるんぷるんだもんねっ」
「それはそうと、ソレは肉か?」
円卓二つに並べられた料理はスープに切れ目の無いメロンパン状の何か。そして焼かれた肉状のモノ。メロンパン状の何か以外は味の想像が付かない。空いてる円卓に一人座ると、テーブルからポコッと丸い半球が湧いて出て、天辺から割れてテーブルに吸収されて行く。テーブルに残った物は皆と同じ、パンとスープ?と肉?だった。
「ささ、揃ったんなら食べようよ」「カケル様っ、毒だったら治してね」「私、ヒーラーなんだけど?」
食事を前にステイされていた女達に活気が戻る。俄に騒がしくなったと思ったら直ぐに静かになった。黙々と食べ出したのだ。
メロンパン?を千切って口に。味はパン。ふわふわの、パン。イーストは…自前か。表面はしっとりしているので日持ちはしなそうだ。ケリタケの表面に似てるな。
味が不明なスープを一口。何故か塩味がある。そして仄かに酸味があり、ゴロゴロとした具は野菜に近い甘さだったり優しい歯応えの物が入っている。熱々では無いが、地上の宿屋に勝る味だと俺は感じた。
最後に肉?だ。クリーム色の塊が放つ湯気は肉なのだが、見た目は食品サンプルの着色前。添えられたナイフで一口大に切り分けると、中からジュワッと汁が出る。目を瞑れば完全に肉だ。口に含んで、肉……肉?肉っぽい。肉だと言われたら肉だが、何の?と言われたら答えられない。繊維があって噛み応えもあり、味も塩味の蒸し肉か茹で肉だ。鶏腿肉に近い…かな?
熱々が出せないのはホテルオナホが魔物だからだし、肉が無いのも同じ理由だろう。味が良いだけに少し残念ではあるが、ダンジョンの謎肉程不安になるモノは無いのでヴィーガンフードも止む無しだ。
食ったら出す。トイレは食堂の奥のパテーションの向こうにあり、なんとトイペが備え付けられていた!シルケに来て、初めてトイペで尻を拭いたよ…感動した。
「屈むトコの横にあった薄い紙、何に使うんだったの?」
「おしっこしたらお股拭くんだ。お尻もな」
「……」
《洗浄》してやったよ。誰がパンツを湿らせていたかは秘密とする。
飯風呂寝る。飯の後は風呂だ。再び地下の斜面を下り、脱衣して浴室へ。先程迄真っ暗だった廊下は薄らと明るくなっていて、脱衣場と浴室も前が見える程度になっていた。
「カ、カケル様。体ぁ洗った後でなら、良いからね?」「汗臭いのが良いなら…良いけど」
「先ずは疲れを流しておくれ。俺は逃げるが枯れないからな」
「逃げも隠れもしないでよ」
湯に浸かりながらイゼッタ達の近況を話す。シャリーの出産を聞いて驚くミルカであった。
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