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夢界都(ユーメリア)—人々は眠る前に必ず「夢晶(むしょう)」と呼ばれる透明な石を枕元に置く。
夢晶は眠りの間に光を帯び、夢を記録する。
翌朝、それを薬師に診てもらうのがこの街の習わしだった。
夢は心身の鏡であり、病の兆しも、感情の歪みも、時に呪いさえも映し出すからだ。
「さあ……今日も始めるか」
夢薬師リセ・ファルナは、静かに夢薬庵(診療所)の扉を開いた。
朝の光が差し込み、棚に並ぶ夢晶が淡く輝く。
助手のノア・カインが既に仕事の整理を始めていた。
「おはようございます、リセさん。 昨夜分の夢晶、三十件ほど届いてます。 解析は僕が進めておきますね」
「助かるわ。……なんだか、今日は少し重い夢が来そうな予感がする」
リセは淡々と答えたが、胸の奥に微かなざわめきを感じていた。
夢晶の光が、いつもよりなぜか濁って見えるのだ。
午前の診療が始まって間もなく、一人の少女が母親に連れられてやってきた。
少女の名はミク。まだ十歳ほどだろうか。
怯えた瞳で夢晶を抱きしめている。
「先生……娘が、毎晩同じ夢を見るんです。血の海に沈む夢を……」
母親の声は震えていた。
ミクは泣きそうな顔で抱えていた夢晶をリセに差し出す。
「……血の夢?」
リセは夢晶を掌に載せ、目を閉じる。
夢晶が脈打つように震え、映像が意識に流れ込んでくる。
赤い雨。倒れた男性。少女の悲鳴。
「……これは、ただの悪夢じゃない」
リセは眉を寄せた。
夢晶に映る男性の姿は、現実の人物像に酷似していた。
夢は象徴であることが多い。だがこれは、あまりに具体的すぎる。
「先生……わたし……知らない男(ひと)を……殺したの……」
ミクが泣きながら口にした言葉に、室内の空気が凍りついた。
母親が慌てて娘を抱きしめる。
「違うわ、ミク! 夢よ、夢なんだから!」
リセは深く息を吸い、少女の肩に手を置いた。
「落ち着いて。これは、ミクちゃんの罪じゃない……。 夢晶の波形が異常ね。 誰かの記憶が混ざっている可能性がある」
ノアが解析器を操作し、波形を映し出す。
通常の夢晶は滑らかな曲線を描くが、ミクの夢晶は途中で乱れ、黒いノイズが走っていた。
「……外部の記憶が混入してる。 誰かが夢を上書きした痕跡だ」
リセは低く呟いた。
**
その夜―街で一人の男性が殺害されたという報せが届いた。
名前はダグラという商人。ミクの夢に出てきた男と顔立ちが一致していた。
「……夢が、現実を予言した?」
リセは夢晶を見つめ、胸の奥に冷たいものが広がるのを感じた。
「リセさん、夢警団から呼び出しです。事件との関係を説明しろって」
ノアが苦い顔で告げる。
リセは夢晶を手に取り、静かに頷いた。
「そう……行くしかないわね」
***
夢警団本部―灰色の石造りの建物は、外から見ても威圧感を放っていた。
リセとノアは、夢警団の青年、セイレン・ヴェイルと対面した。
柔和な物腰だが、その瞳は鋭く、なぜかリセを容疑者として見ているように感じる。
「君が夢薬師リセ・ファルナか……。 この夢晶、君が解析したんだな?」
「ええ。けれど夢は改ざん可能よ。夢の断片だけで真実を断定するのは危険」
「そうか……面白い。なら、我々に協力してもらおうか?」
セイレンは微笑んだ。
だがその笑みの奥に、リセへの警戒の影が潜んでいた。
リセとノアが夢晶を再解析すると、映像の中に“月が二つ”映っていることに気づいた。 それは『他人の夢を上書きした痕跡』だった。
「……やっぱり。ミクちゃん……彼女の夢は、誰かに植えつけられたもの」
リセは呟き、セイレンに視線を向けた。
「この街には、夢を偽装する技術者がいる……。夢犯罪の犯人は、どこかにいる」
リセは夢晶を抱え、セイレンに案内されながら夢警団本部奥へと歩いていく。
廊下の空気は冷たく、足音だけが響く。
セイレンが振り返り、鋭い眼差しを向けてきた。
声は柔らかいが、試すような響きがある。
「夢薬師の君は特異体質を持っているそうだな? 他人の夢に入り込める、と」
リセは一瞬だけ目を伏せ、夢晶を握りしめた。
(その話……。私が望んで得た力じゃないのに……)
「事故の後遺症よ。私自身も制御できるわけじゃない」
「だが、その力が、今回の事件に関わっている可能性は高い……」
セイレンの言葉は冷徹だった。
だが、彼の瞳の奥に、リセに対するわずかな興味が見えた。
「なら、今回の捜査に協力させて!! 夢晶の矛盾を解き明かすには、私の力が必要になるわ」
リセの声は静かだが、揺るぎない。
セイレンは少しだけ口元を緩めた。
「……いいだろう。だが一つ忠告しておく。夢に深入りすれば、君自身も失う」
「それでも構わない。夢は、買い残はできても、本質は、嘘をつけないから」
**
セイレンに伴われ、リセとノアは被害者ダグラの部屋を訪れた。
―割れた夢晶が床に散らばっていた。
リセは破片を拾い上げ、目を閉じる。
夢の残滓が意識に流れ込む。
──暗い部屋。刃物を握る女性。血に染まる床。
「……ミクちゃんじゃない。成人女性……」
リセが目を開けると、セイレンが険しい表情で頷いた。
「女性? 被害者の愛人が行方不明だ。彼女の部屋を調べるか」
リセは胸の奥に冷たいものを感じた。
(夢が二重に重なっている……誰かが意図的に混線させている)
***
ダグラの愛人の行方を捜すため、リセとノアはセイレンに連れられて、彼女の部屋を訪れた。
―枕元に置かれた夢晶は青く染まっていた。
通常の透明な夢晶とは違う、薬品で加工された特殊品。
「……これは、他人の夢を転送する素材。夢を見せるための実験品……」
リセが呟くと、ノアが顔をしかめた。
「つまり、ダグラの愛人は誰かに強制的に夢をみさせられ、利用された……?」
「ええ。誰かが彼女に、夢を意図的に植えつけたのよ」
***
その夜ーリセが夢晶を解析していると、突然意識が引きずり込まれた。
夢の中で再び刺殺シーンが再現される。だが今度は犯人の顔が明瞭に見えた。
「……あなたは……!」
刃物を握るのは、被害者ダグラの妻だった。 夢の中で彼女が囁く。
「夢は真実を語らない。でも、嘘をつけないのよ」
リセは息を呑み、夢から目覚めた。
(……被害者ダグラの妻が犯人。だがどう証明する?)
***
夢警団の取調室―リセは夢晶を提示した。
「ダグラの妻が愛人に“夢偽装薬”を投与していた。 愛人は操られ、夢の中で殺人を演じさせられていた」
セイレンが鋭い眼差しでダグラの妻を見据える。
「……ダグラの愛人は、夢で見たことが現実になったと錯乱しているが、実際は夢晶を偽造して、お前の罪を転送していたんだな?」
リセは夢偽装の理論を逆手に取り、妻の夢晶を解析した。
そこには彼女が事件を計画する夢が鮮明に記録されていた。
「……これが、あなたが犯した犯罪の証拠よ!!」
ダグラの妻は崩れ落ち、警団に連行された。
事件は解決した。
夜―リセは静かに夢に沈んだ。
そこで見たのは──崩れゆく街の上で、自分が誰かを呼んでいる夢。
「……これは……私の過去?」
リセは胸に不安を抱えながら目を覚ました。
(夢はまだ続いている。もっと大きな謎が待っている)
夢晶は眠りの間に光を帯び、夢を記録する。
翌朝、それを薬師に診てもらうのがこの街の習わしだった。
夢は心身の鏡であり、病の兆しも、感情の歪みも、時に呪いさえも映し出すからだ。
「さあ……今日も始めるか」
夢薬師リセ・ファルナは、静かに夢薬庵(診療所)の扉を開いた。
朝の光が差し込み、棚に並ぶ夢晶が淡く輝く。
助手のノア・カインが既に仕事の整理を始めていた。
「おはようございます、リセさん。 昨夜分の夢晶、三十件ほど届いてます。 解析は僕が進めておきますね」
「助かるわ。……なんだか、今日は少し重い夢が来そうな予感がする」
リセは淡々と答えたが、胸の奥に微かなざわめきを感じていた。
夢晶の光が、いつもよりなぜか濁って見えるのだ。
午前の診療が始まって間もなく、一人の少女が母親に連れられてやってきた。
少女の名はミク。まだ十歳ほどだろうか。
怯えた瞳で夢晶を抱きしめている。
「先生……娘が、毎晩同じ夢を見るんです。血の海に沈む夢を……」
母親の声は震えていた。
ミクは泣きそうな顔で抱えていた夢晶をリセに差し出す。
「……血の夢?」
リセは夢晶を掌に載せ、目を閉じる。
夢晶が脈打つように震え、映像が意識に流れ込んでくる。
赤い雨。倒れた男性。少女の悲鳴。
「……これは、ただの悪夢じゃない」
リセは眉を寄せた。
夢晶に映る男性の姿は、現実の人物像に酷似していた。
夢は象徴であることが多い。だがこれは、あまりに具体的すぎる。
「先生……わたし……知らない男(ひと)を……殺したの……」
ミクが泣きながら口にした言葉に、室内の空気が凍りついた。
母親が慌てて娘を抱きしめる。
「違うわ、ミク! 夢よ、夢なんだから!」
リセは深く息を吸い、少女の肩に手を置いた。
「落ち着いて。これは、ミクちゃんの罪じゃない……。 夢晶の波形が異常ね。 誰かの記憶が混ざっている可能性がある」
ノアが解析器を操作し、波形を映し出す。
通常の夢晶は滑らかな曲線を描くが、ミクの夢晶は途中で乱れ、黒いノイズが走っていた。
「……外部の記憶が混入してる。 誰かが夢を上書きした痕跡だ」
リセは低く呟いた。
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その夜―街で一人の男性が殺害されたという報せが届いた。
名前はダグラという商人。ミクの夢に出てきた男と顔立ちが一致していた。
「……夢が、現実を予言した?」
リセは夢晶を見つめ、胸の奥に冷たいものが広がるのを感じた。
「リセさん、夢警団から呼び出しです。事件との関係を説明しろって」
ノアが苦い顔で告げる。
リセは夢晶を手に取り、静かに頷いた。
「そう……行くしかないわね」
***
夢警団本部―灰色の石造りの建物は、外から見ても威圧感を放っていた。
リセとノアは、夢警団の青年、セイレン・ヴェイルと対面した。
柔和な物腰だが、その瞳は鋭く、なぜかリセを容疑者として見ているように感じる。
「君が夢薬師リセ・ファルナか……。 この夢晶、君が解析したんだな?」
「ええ。けれど夢は改ざん可能よ。夢の断片だけで真実を断定するのは危険」
「そうか……面白い。なら、我々に協力してもらおうか?」
セイレンは微笑んだ。
だがその笑みの奥に、リセへの警戒の影が潜んでいた。
リセとノアが夢晶を再解析すると、映像の中に“月が二つ”映っていることに気づいた。 それは『他人の夢を上書きした痕跡』だった。
「……やっぱり。ミクちゃん……彼女の夢は、誰かに植えつけられたもの」
リセは呟き、セイレンに視線を向けた。
「この街には、夢を偽装する技術者がいる……。夢犯罪の犯人は、どこかにいる」
リセは夢晶を抱え、セイレンに案内されながら夢警団本部奥へと歩いていく。
廊下の空気は冷たく、足音だけが響く。
セイレンが振り返り、鋭い眼差しを向けてきた。
声は柔らかいが、試すような響きがある。
「夢薬師の君は特異体質を持っているそうだな? 他人の夢に入り込める、と」
リセは一瞬だけ目を伏せ、夢晶を握りしめた。
(その話……。私が望んで得た力じゃないのに……)
「事故の後遺症よ。私自身も制御できるわけじゃない」
「だが、その力が、今回の事件に関わっている可能性は高い……」
セイレンの言葉は冷徹だった。
だが、彼の瞳の奥に、リセに対するわずかな興味が見えた。
「なら、今回の捜査に協力させて!! 夢晶の矛盾を解き明かすには、私の力が必要になるわ」
リセの声は静かだが、揺るぎない。
セイレンは少しだけ口元を緩めた。
「……いいだろう。だが一つ忠告しておく。夢に深入りすれば、君自身も失う」
「それでも構わない。夢は、買い残はできても、本質は、嘘をつけないから」
**
セイレンに伴われ、リセとノアは被害者ダグラの部屋を訪れた。
―割れた夢晶が床に散らばっていた。
リセは破片を拾い上げ、目を閉じる。
夢の残滓が意識に流れ込む。
──暗い部屋。刃物を握る女性。血に染まる床。
「……ミクちゃんじゃない。成人女性……」
リセが目を開けると、セイレンが険しい表情で頷いた。
「女性? 被害者の愛人が行方不明だ。彼女の部屋を調べるか」
リセは胸の奥に冷たいものを感じた。
(夢が二重に重なっている……誰かが意図的に混線させている)
***
ダグラの愛人の行方を捜すため、リセとノアはセイレンに連れられて、彼女の部屋を訪れた。
―枕元に置かれた夢晶は青く染まっていた。
通常の透明な夢晶とは違う、薬品で加工された特殊品。
「……これは、他人の夢を転送する素材。夢を見せるための実験品……」
リセが呟くと、ノアが顔をしかめた。
「つまり、ダグラの愛人は誰かに強制的に夢をみさせられ、利用された……?」
「ええ。誰かが彼女に、夢を意図的に植えつけたのよ」
***
その夜ーリセが夢晶を解析していると、突然意識が引きずり込まれた。
夢の中で再び刺殺シーンが再現される。だが今度は犯人の顔が明瞭に見えた。
「……あなたは……!」
刃物を握るのは、被害者ダグラの妻だった。 夢の中で彼女が囁く。
「夢は真実を語らない。でも、嘘をつけないのよ」
リセは息を呑み、夢から目覚めた。
(……被害者ダグラの妻が犯人。だがどう証明する?)
***
夢警団の取調室―リセは夢晶を提示した。
「ダグラの妻が愛人に“夢偽装薬”を投与していた。 愛人は操られ、夢の中で殺人を演じさせられていた」
セイレンが鋭い眼差しでダグラの妻を見据える。
「……ダグラの愛人は、夢で見たことが現実になったと錯乱しているが、実際は夢晶を偽造して、お前の罪を転送していたんだな?」
リセは夢偽装の理論を逆手に取り、妻の夢晶を解析した。
そこには彼女が事件を計画する夢が鮮明に記録されていた。
「……これが、あなたが犯した犯罪の証拠よ!!」
ダグラの妻は崩れ落ち、警団に連行された。
事件は解決した。
夜―リセは静かに夢に沈んだ。
そこで見たのは──崩れゆく街の上で、自分が誰かを呼んでいる夢。
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