【完結】「めでたし めでたし」から始まる物語

つくも茄子

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21.とある大臣side

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 人の好みは様々だ。
 それに対して文句を言うつもりはない。

 非の打ち所がない公爵令嬢ではなく、自由奔放な平民の少女に恋したとしても誰が文句を言えようか。女の好みが悪いな、と思うくらいだ。

 それにしても、王太子殿下の婚約者がラヌルフ公爵令嬢で良かったとつくづく思う。これが他の令嬢。いや、三大公爵家以外の家の令嬢ならば婚約撤回など出来ない。それどころかムリヤリでも王太子殿下との婚姻を勧めている。例え王太子殿下が嫌がろうとも、令嬢がお飾りの妃になろうともだ。

 妃教育とは、すなわち国家機密を知るということ。下手な国の上層部よりもずっと重い存在だ。まだ王家に嫁入りする前からそういった内容を聞かされて育つのだ。王家に嫁いだ瞬間から王族にならなければならないのだ。切り替えろという方が無理だ。だからこそ、幼少から王族になるために教育を受けさせられる。裏事情まで知る王太子の婚約者が婚約を辞めるとなると、不慮の死が待っている。公爵家は王家の分家だ。他国ではどうかは知らないが、我が国は王家と公爵家の間柄は密接な繋がりを持つ。いざとなれば王家になる可能性もある家だ。直系は国家機密を必ず教えられて育つ。

 だからラヌルフ公爵令嬢に毒杯を渡す必要はない。

 殿下が選んだ平民の少女。
 彼女にも妃教育が必要か。……陛下の御心が理解できん。あのような少女に教育など必要なのだろうか?

『何もしないという訳にはいかないだろう?レーモンが選んだ者だ。一応、教育は施さねばな。なに、我が王妃も幼少の頃から妃教育を受けた者ではない。王妃を教育した教師はこう言っていたぞ。やってみなければ分からない。やるからには全力で。結果は後からついてくる、と』

 陛下のお言葉はもっともだった。
 王妃殿下は完璧とはいえないが、王妃として及第点だ。
 しかしそれは、あくまでも『平均』という枠を出ない。
 仕方がない事だと分かっていても『完璧な王妃になるはずだった公爵令嬢』ばかり見ていた人間からすると、物足りなさを感じる。それが些細な行動であっても、あれが違うこれが違うと思ってしまうのだ。

 王太子殿下の一件で王家の権威は墜ちるのは確定だろう。
 公爵家の力を借りる事はできない。

 どうすれば……。



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