【完結】「めでたし めでたし」から始まる物語

つくも茄子

文字の大きさ
25 / 67

25.影響3

しおりを挟む
 王太子殿下との婚姻がなくなったとしても、私は公爵家の跡取り娘。
 女性の爵位が認められた以上は婿でした。

 私が『ラヌルフ女公爵』になろうと『ラヌルフ公爵夫人』になろうとも……。



「アリエノール様の婚約白紙に影響されたのか、最近は婚姻を早める貴族が増えているようですよ」

「あら?そうなの?」

「はい。それと高位貴族の方々の間で婚約契約の見直しと早期の婚約が推奨されているようで」

「それはまた……」

「早いところでは三歳にならない年齢で既にお相手が決まっているお子様もいらっしゃるようで……」

「まぁまぁ」

 私は今のところ具体的な縁談や婚約について検討してはいません。両親もゆっくりと決めればいいと考えているようですし……。まさか他家に、このような形で影響を及ぼしているとは思いもよりませんでした。

「この分では私の結婚相手を国内で見つけるのは難しそうだわ」

「はい、それと……」

「まだ何かあるの?」

「……はい。王妃殿下が未だにアリエノール様を諦めていらっしゃらないと専らの噂でして」

「…………」

「勿論、再婚約は有りえないと分かってはいます。ですが万が一という事も考えられますので……。また、アリエノール様との再婚約がなかったとしても不出来な妃の代わりに別の令嬢が王太子殿下と婚約をさせられないとも限らないとの噂が高位貴族の方々の間で蔓延しているようです」

「バカな事を」

「はい。ありえない事です。ですが万が一に備えておいた方が良いと各家が判断をしたようです」

 溜息がでそうですわ。
 最悪を予想してそれに備えるのが貴族という生き物。全くないと保証はありませんものね。保証がない以上は「もしも」を常に考えなければならない。それとも王家に、そういった考えを及ぼすナニカ、があるのかもしれませんね。

 もう国外で結婚相手を探した方がいいのかもしれません。
 恐らく、私に合う結婚相手は国内にはいないでしょうから。家柄や年齢を考慮すれば、の話ですが。
 けれど私の婚期が遠のくということは貴族達にあらぬ誤解を招く恐れがあるでしょうね。例えば今噂されている「王太子殿下との復縁」とか。そんな事になれば王家が……いいえ、王妃殿下がこれ見よがしに騒ぎ立てる事は間違いありません。
 折角、王太子殿下との結婚がなくなったのです。有耶無耶になどさせません!

 王太子妃にならずとも、私の価値は高いままで変わらない。ならば追い風の吹いている今が絶好のチャンスともいえます。

「近隣の国々の婚姻状況を調べると共に、国際結婚のメリットとデメリットをまとめましょう。条件のいい独身貴族の選定を開始してちょうだい」

「かしこまりました」

 出来る事から着実にいきましょう。
 まず第一段階として他国の勢力図について確認をしなければ!

 

しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら
恋愛
幼き頃から皇后になるために育てられた公爵令嬢のリリィは婚約者であるレオナルド皇太子と相思相愛であった。 順調に愛を育み合った2人は結婚したが、なかなか子宝に恵まれなかった。。。 そんなある日、隣国から王女であるルチア様が側妃として嫁いでくることを相談なしに伝えられる。 リリィは強引に話をしてくるレオナルドに嫌悪感を抱くようになる。追い打ちをかけるような出来事が起き、愛ではなく未来の皇后として国を守っていくことに自分の人生をかけることをしていく。 そのためにリリィが取った行動とは何なのか。 リリィの心が離れてしまったレオナルドはどうしていくのか。 2人の未来はいかに···

【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない

風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。 メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。 「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」 この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。 家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。 メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。 ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。

最初から間違っていたんですよ

わらびもち
恋愛
二人の門出を祝う晴れの日に、彼は別の女性の手を取った。 花嫁を置き去りにして駆け落ちする花婿。 でも不思議、どうしてそれで幸せになれると思ったの……?

なぜ、虐げてはいけないのですか?

碧井 汐桜香
恋愛
男爵令嬢を虐げた罪で、婚約者である第一王子に投獄された公爵令嬢。 処刑前日の彼女の獄中記。 そして、それぞれ関係者目線のお話

婚約破棄されなかった者たち

ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。 令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。 第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。 公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。 一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。 その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。 ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

恩知らずの婚約破棄とその顛末

みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。 それも、婚約披露宴の前日に。 さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという! 家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが…… 好奇にさらされる彼女を助けた人は。 前後編+おまけ、執筆済みです。 【続編開始しました】 執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。 矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。

【完結】高嶺の花がいなくなった日。

恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。 清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。 婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。 ※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……

希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。 幼馴染に婚約者を奪われたのだ。 レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。 「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」 「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」 誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。 けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。 レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。 心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。 強く気高く冷酷に。 裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。 ☆完結しました。ありがとうございました!☆ (ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在)) (ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9)) (ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在)) (ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))

処理中です...