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番外編
1.アリア元王妃side
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「ルード伯爵令嬢令嬢、よろしければ一曲私と踊っていただけませんか?」
「は、はい!喜んで!!」
その手を取ったのが全ての始まりだった。
成り上がりの伯爵令嬢から王妃へ。
人は私を幸運な女性だと言った。
確かに幸運だろう。
普通ならこんな地位に登ることはなかったのだから。
けれどその代償は大きかった。
夫である国王は、私以外に妻を持つことは無かった。
愛妾だって一人もいない。
だからといって、夫が私を愛しているかというとそうでもない。
なら愛されていないのかというと、そうとも言えない。
私は『身代わり』だった。
夫は亡くなった婚約者を愛していた。
私と結婚した後もずっと――――
夫が私を妻にと望んだのもそもそも私が夫の婚約者に似ていたから。
瓜二つ、という訳ではないけれど……。
結婚して妻に迎えるのなら「愛する女性に少しでも似ている女が良い」と思うのは当然のことだろう。
私はそれを分った上で、国王との結婚を受け入れた。
王国で最も愛される人の妻になる。
王国で彼に恋焦がれない女はいなかった。
私は彼に恋をしたいた。
今もずっと恋焦がれているの……。
自信があった。
どれだけ愛していようとも所詮は死人。生きている人間に勝てる訳がない。
彼を愛し合うのは私。
彼との子供を産むのは私。
思い出は風化すると信じていたの。愚かにも……。
それが間違いだと気付いたのは何時だったかしら?
彼は死んだ婚約者のことを忘れていなかった。
今もまだ愛している。
唯一人の妃、アリア――――と言う名の惨めな王妃。
それが私だ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「アリア王妃様如何なさいました!?……っ!!!」
「わ、私の髪が……どうして……」
混じりけなしの真っ赤な髪は私の自慢だった。
なのに……。茶色に見えるほど色褪せていた。
「これは一体どういうことなの!?私の髪が……」
「王宮の洗髪料が王妃様に合わなかったのでしょう」
「そんな!!」
「この度は誠に申し訳ございません。至急新しい物と取り替えますので」
「っ!そんなものではないわ!!これは……!!」
「髪質が合わなかったのです。これ以上の詮索をおやめください」
「……こんなみっともない髪。もう陛下は私を愛してくださらない」
「いいえ。今以上に愛されます」
「…………え?」
女官長の言葉通り、私の髪を見ても陛下は変わらず愛してくれた。
寧ろ、前以上に……。
この時、気付けば良かった。
陛下は混じりけのある髪が好きなのだと。
婚約者と同じ髪にしたかったのだと。
名前しか知らない。
あった事もない恋敵。
彼女を全く知らない私は、気付くのが遅すぎた。
「は、はい!喜んで!!」
その手を取ったのが全ての始まりだった。
成り上がりの伯爵令嬢から王妃へ。
人は私を幸運な女性だと言った。
確かに幸運だろう。
普通ならこんな地位に登ることはなかったのだから。
けれどその代償は大きかった。
夫である国王は、私以外に妻を持つことは無かった。
愛妾だって一人もいない。
だからといって、夫が私を愛しているかというとそうでもない。
なら愛されていないのかというと、そうとも言えない。
私は『身代わり』だった。
夫は亡くなった婚約者を愛していた。
私と結婚した後もずっと――――
夫が私を妻にと望んだのもそもそも私が夫の婚約者に似ていたから。
瓜二つ、という訳ではないけれど……。
結婚して妻に迎えるのなら「愛する女性に少しでも似ている女が良い」と思うのは当然のことだろう。
私はそれを分った上で、国王との結婚を受け入れた。
王国で最も愛される人の妻になる。
王国で彼に恋焦がれない女はいなかった。
私は彼に恋をしたいた。
今もずっと恋焦がれているの……。
自信があった。
どれだけ愛していようとも所詮は死人。生きている人間に勝てる訳がない。
彼を愛し合うのは私。
彼との子供を産むのは私。
思い出は風化すると信じていたの。愚かにも……。
それが間違いだと気付いたのは何時だったかしら?
彼は死んだ婚約者のことを忘れていなかった。
今もまだ愛している。
唯一人の妃、アリア――――と言う名の惨めな王妃。
それが私だ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「アリア王妃様如何なさいました!?……っ!!!」
「わ、私の髪が……どうして……」
混じりけなしの真っ赤な髪は私の自慢だった。
なのに……。茶色に見えるほど色褪せていた。
「これは一体どういうことなの!?私の髪が……」
「王宮の洗髪料が王妃様に合わなかったのでしょう」
「そんな!!」
「この度は誠に申し訳ございません。至急新しい物と取り替えますので」
「っ!そんなものではないわ!!これは……!!」
「髪質が合わなかったのです。これ以上の詮索をおやめください」
「……こんなみっともない髪。もう陛下は私を愛してくださらない」
「いいえ。今以上に愛されます」
「…………え?」
女官長の言葉通り、私の髪を見ても陛下は変わらず愛してくれた。
寧ろ、前以上に……。
この時、気付けば良かった。
陛下は混じりけのある髪が好きなのだと。
婚約者と同じ髪にしたかったのだと。
名前しか知らない。
あった事もない恋敵。
彼女を全く知らない私は、気付くのが遅すぎた。
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