62 / 67
番外編
5.トゥールーズ前公爵side
しおりを挟む
≪≫死者の声
*******************
≪――――気色悪い。あの男全然変わってない!!メチャクチャ気持ち悪いんだけど!!!≫
「……」
≪あの男!寝室に秘密の隠し部屋を造ってやがる!≫
「……」
≪秘密の隠れ家!カッコイイ!とか思った私の気持ちを返せ!壁一面、私の肖像画とか、マジで止めて欲しいんだけど!しかも、私が捨てた筈の物まで大切に保管してるし!気に入ってた髪飾りまであった!どこで失くしたのかと探し回った記憶があるから間違いない!あいつが取ったんだ!!ふざけんな!!≫
「…………」
≪肖像画に向かって一日何回も「愛してる」って言うの!怖ッ!!気持ち悪ッ!!なんなの!?あの男!!≫
「…………」
≪聞いてます?お兄様!!!≫
「…………聞こえている」
≪あぁ~~~、良かった!お兄様てばさっきからずっとダンマリなんだもの≫
私の周囲をグルグル走り回る半透明の妹。
そう妹だ。
何十年も前に死んだ妹。
成仏しないまま公爵家に居ついてしまった。
いや、まぁこの家はこの子の家でもあるから居つくというのはちょっと違うのかもしれない。
はぁ……。
まさか自分の妹が悪霊になるなど思いもしなかった。
というか、人は死んだらそれで終わり。そう思っていたが……。
私の周りを飛び回る悪霊……もとい、私の妹、ローゼリア。
「また、王宮に行っていたのか?」
≪だって~~心配なんだもん≫
「何がだ」
≪私の孫息子が≫
「お前の孫ではなく、私の孫だ」
≪も~~~。いいじゃないそんな細かい事は。お兄様の孫は私の孫も同然よ!≫
「適当な事を」
≪お兄様だって心配でしょう?≫
「……あの子は歳の割にしっかりしている」
≪無理しちゃって!でもまぁ、何とか上手くやれてるっぽいわ≫
「そうだろうとも」
≪あの男は「義父上」って呼ばれて緩みまくった顔がキモかったけど……≫
「そう言ってやるな。お前の婚約者だったんだ」
妹は辛辣だ。
可愛らしい雰囲気の愛らしい美貌に反して中身は野生のゴリラ。
そんな妹がまさか十代の若さで亡くなるなど誰が予想できた?
少なくともトゥールーズ公爵家は予想してなかった筈だ。
例えトゥールーズ公爵領の領民全てが感染症で亡くなったとしても、ローゼリアだけは生き残っていると屋敷中の者達に思われていた。その妹が呆気なく亡くなった時は屋敷中が騒然とした。
妹の死にショックを覚える以上に「あのローゼリアが!?」という思いの方が強かった。
何かの間違いではないのかと何度も思ったし、死因を徹底的調べた。殿下の婚約者ということで命を狙われるケースも考えられたからだ。まあ、実際はアホな理由だったが……。
そして、死んだ妹の幽霊は兄の私以外は視えない。
*******************
≪――――気色悪い。あの男全然変わってない!!メチャクチャ気持ち悪いんだけど!!!≫
「……」
≪あの男!寝室に秘密の隠し部屋を造ってやがる!≫
「……」
≪秘密の隠れ家!カッコイイ!とか思った私の気持ちを返せ!壁一面、私の肖像画とか、マジで止めて欲しいんだけど!しかも、私が捨てた筈の物まで大切に保管してるし!気に入ってた髪飾りまであった!どこで失くしたのかと探し回った記憶があるから間違いない!あいつが取ったんだ!!ふざけんな!!≫
「…………」
≪肖像画に向かって一日何回も「愛してる」って言うの!怖ッ!!気持ち悪ッ!!なんなの!?あの男!!≫
「…………」
≪聞いてます?お兄様!!!≫
「…………聞こえている」
≪あぁ~~~、良かった!お兄様てばさっきからずっとダンマリなんだもの≫
私の周囲をグルグル走り回る半透明の妹。
そう妹だ。
何十年も前に死んだ妹。
成仏しないまま公爵家に居ついてしまった。
いや、まぁこの家はこの子の家でもあるから居つくというのはちょっと違うのかもしれない。
はぁ……。
まさか自分の妹が悪霊になるなど思いもしなかった。
というか、人は死んだらそれで終わり。そう思っていたが……。
私の周りを飛び回る悪霊……もとい、私の妹、ローゼリア。
「また、王宮に行っていたのか?」
≪だって~~心配なんだもん≫
「何がだ」
≪私の孫息子が≫
「お前の孫ではなく、私の孫だ」
≪も~~~。いいじゃないそんな細かい事は。お兄様の孫は私の孫も同然よ!≫
「適当な事を」
≪お兄様だって心配でしょう?≫
「……あの子は歳の割にしっかりしている」
≪無理しちゃって!でもまぁ、何とか上手くやれてるっぽいわ≫
「そうだろうとも」
≪あの男は「義父上」って呼ばれて緩みまくった顔がキモかったけど……≫
「そう言ってやるな。お前の婚約者だったんだ」
妹は辛辣だ。
可愛らしい雰囲気の愛らしい美貌に反して中身は野生のゴリラ。
そんな妹がまさか十代の若さで亡くなるなど誰が予想できた?
少なくともトゥールーズ公爵家は予想してなかった筈だ。
例えトゥールーズ公爵領の領民全てが感染症で亡くなったとしても、ローゼリアだけは生き残っていると屋敷中の者達に思われていた。その妹が呆気なく亡くなった時は屋敷中が騒然とした。
妹の死にショックを覚える以上に「あのローゼリアが!?」という思いの方が強かった。
何かの間違いではないのかと何度も思ったし、死因を徹底的調べた。殿下の婚約者ということで命を狙われるケースも考えられたからだ。まあ、実際はアホな理由だったが……。
そして、死んだ妹の幽霊は兄の私以外は視えない。
400
あなたにおすすめの小説
あなたが捨てた花冠と后の愛
小鳥遊 れいら
恋愛
幼き頃から皇后になるために育てられた公爵令嬢のリリィは婚約者であるレオナルド皇太子と相思相愛であった。
順調に愛を育み合った2人は結婚したが、なかなか子宝に恵まれなかった。。。
そんなある日、隣国から王女であるルチア様が側妃として嫁いでくることを相談なしに伝えられる。
リリィは強引に話をしてくるレオナルドに嫌悪感を抱くようになる。追い打ちをかけるような出来事が起き、愛ではなく未来の皇后として国を守っていくことに自分の人生をかけることをしていく。
そのためにリリィが取った行動とは何なのか。
リリィの心が離れてしまったレオナルドはどうしていくのか。
2人の未来はいかに···
【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない
風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。
メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。
「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」
この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。
家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。
メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。
ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
恩知らずの婚約破棄とその顛末
みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。
それも、婚約披露宴の前日に。
さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという!
家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが……
好奇にさらされる彼女を助けた人は。
前後編+おまけ、執筆済みです。
【続編開始しました】
執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。
矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。
【完結】高嶺の花がいなくなった日。
紺
恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。
清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。
婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。
※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる