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第52話産業問題~大臣side~
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商人の流入が減った。
アダマント王国出身の商人達の国外流出だけは何とか抑える事はできた。だが、無理矢理抑え込んだところで意味はない。
シャイン公爵家は外交手腕もさることながら、国内の経済を回す事にも長けていた。それ故に国内外の市場動向に敏感であり、国内市場への悪影響が出ないよう細心の注意を払っていたのだ。諸外国との絶妙なバランスの上に成り立っていたアダマンタイト王国。シャイン公爵家を失った事でその均衡が崩れてしまった。そのせいで、この国は急激な衰退を始めている。
しかも、シーラ帝国との交易が完全に途絶えてしまった事により、アダマンタイト王国の経済は更に低下している。帝国の魔道具を輸入できない状況は市民生活に深刻な影響が出ているそうだ。今はまだ、何とかギリギリの状態で持ち堪えているが……それも時間の問題だろう。
公爵家の存在はそれだけ大きかったという訳だ。
特に帝国皇女の公爵夫人、そして御息女の存在は大きい。
「陛下は何と?」
「指摘されても聞き入れない。それが事実であっても認めない。挙句に『くだらない事を一々報告するな』と言い放ったそうです」
「あの国王らしい返答だな」
「はい。陛下はシャイン公爵令嬢の価値を理解なさっていないのでしょうか?」
部下の言葉を聞いて私は苦笑した。
「まぁ、仕方あるまいよ。国王陛下にとってはシャイン公爵令嬢は血筋が良いだけの娘という印象なのだろう。この国で最も必要な血筋の令嬢だったという認識はないだろうな」
かけがえのない存在だった。
シャイン公爵家の存在なくしてこの国の繁栄はない。それは誰の目から見ても明らかであった。
だが、それを誰よりも理解しなければならない者が理解していない。それがこの国の不幸の始まりだったのかもしれん。
「ラゴン公国が帝国に接近しているとの情報ですが……」
「接近しているのは帝国というよりもシャイン公爵家にだろうな。公国はダイヤモンド産業が盛んだからな。言うなれば我が国のライバルだ。シャイン公爵家に取り入りたいと思ってもおかしくない。あそこは鉱物資源が豊富だと聞いているからな」
「そうですか……」
「今まではアダマント王国の公爵ということで表立って動かなかったのだろう」
「はい。しかし、今は帝国貴族です。枷はありません」
「ああ。どちらとも、な。シャイン公爵家は王国の産業を支える重要な立場にあった。外交貿易で公国を抑え込んでいた。我が国からしたら、質の劣るダイヤモンドをブランド化に成功させた功労者であっても、公国からすると目の上のたん瘤だった筈だ。その存在が王国を見限った。これをチャンスと捉えたとしても不思議ではない」
「公国としては是非ともシャイン公爵家と繋がりを持ちたいと考えるでしょうね」
「だろうな。ダイヤモンド市場は一気に立場が変わる事になるぞ。公国の進出によってな。なにしろ我が国はダイヤモンド品質で圧倒的に負けている。市場を奪われるのは時間の問題だろう」
「そんな……」
「残念だが現実になりそうだ。外交使節団たちに頑張って欲しいところだが、相手が相手だけに難しいかもしれんな」
ユリウス陛下の婚約者がシャイン公爵令嬢のままであったならば。
せめて、シャイン公爵家が王国に留まってさえいれば状況は違っていただろう。
帝国は我が国を気にかけてくれただろう。
それももう……。
アダマント王国出身の商人達の国外流出だけは何とか抑える事はできた。だが、無理矢理抑え込んだところで意味はない。
シャイン公爵家は外交手腕もさることながら、国内の経済を回す事にも長けていた。それ故に国内外の市場動向に敏感であり、国内市場への悪影響が出ないよう細心の注意を払っていたのだ。諸外国との絶妙なバランスの上に成り立っていたアダマンタイト王国。シャイン公爵家を失った事でその均衡が崩れてしまった。そのせいで、この国は急激な衰退を始めている。
しかも、シーラ帝国との交易が完全に途絶えてしまった事により、アダマンタイト王国の経済は更に低下している。帝国の魔道具を輸入できない状況は市民生活に深刻な影響が出ているそうだ。今はまだ、何とかギリギリの状態で持ち堪えているが……それも時間の問題だろう。
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「あの国王らしい返答だな」
「はい。陛下はシャイン公爵令嬢の価値を理解なさっていないのでしょうか?」
部下の言葉を聞いて私は苦笑した。
「まぁ、仕方あるまいよ。国王陛下にとってはシャイン公爵令嬢は血筋が良いだけの娘という印象なのだろう。この国で最も必要な血筋の令嬢だったという認識はないだろうな」
かけがえのない存在だった。
シャイン公爵家の存在なくしてこの国の繁栄はない。それは誰の目から見ても明らかであった。
だが、それを誰よりも理解しなければならない者が理解していない。それがこの国の不幸の始まりだったのかもしれん。
「ラゴン公国が帝国に接近しているとの情報ですが……」
「接近しているのは帝国というよりもシャイン公爵家にだろうな。公国はダイヤモンド産業が盛んだからな。言うなれば我が国のライバルだ。シャイン公爵家に取り入りたいと思ってもおかしくない。あそこは鉱物資源が豊富だと聞いているからな」
「そうですか……」
「今まではアダマント王国の公爵ということで表立って動かなかったのだろう」
「はい。しかし、今は帝国貴族です。枷はありません」
「ああ。どちらとも、な。シャイン公爵家は王国の産業を支える重要な立場にあった。外交貿易で公国を抑え込んでいた。我が国からしたら、質の劣るダイヤモンドをブランド化に成功させた功労者であっても、公国からすると目の上のたん瘤だった筈だ。その存在が王国を見限った。これをチャンスと捉えたとしても不思議ではない」
「公国としては是非ともシャイン公爵家と繋がりを持ちたいと考えるでしょうね」
「だろうな。ダイヤモンド市場は一気に立場が変わる事になるぞ。公国の進出によってな。なにしろ我が国はダイヤモンド品質で圧倒的に負けている。市場を奪われるのは時間の問題だろう」
「そんな……」
「残念だが現実になりそうだ。外交使節団たちに頑張って欲しいところだが、相手が相手だけに難しいかもしれんな」
ユリウス陛下の婚約者がシャイン公爵令嬢のままであったならば。
せめて、シャイン公爵家が王国に留まってさえいれば状況は違っていただろう。
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それももう……。
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