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5.婚約解消1
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私、アリックス・リードの婚約者は同じ子爵家の嫡男ジェフリー・マーラーだった。
幼少期に決められた婚約には別段、政略的な意味はありません。
偶々、私の父とジェフリーの父が友人同士で、偶然にも家格も同じ。領地も比較的近い距離にある。その上、子供が同時期に生まれた事もあり、「まるで運命のようだ」と笑いあっていた。酒の席で「いっその事、婚約させるか」という話になりトントン拍子で婚約は決まったのです。
婚約したとは言っても、幼い頃は互いの領地で暮らしていたので専ら文通が主流。年に数回会えばいい方だった。ジェフリーは筆不精のようで殆ど代筆だったけど……。それでも節目の贈り物などは欠かさず届いていた。これも恐らく家の使用人が代わりに選んで送ってきていましたが私から指摘する事はありません。これも淑女の嗜み。野暮な事は言いっこなしです。
子爵家でこっそりと執事の方に「プレゼントを選んだ方にお礼をしたい」と言えばすぐに教えてくれたので間違いない事ですが。
もっとも……。
『何故、お分かりなったのですか?』
『プレゼントが流行りの物ばかりでしたから』
『女性は流行りの物が好きだと聞きます』
『それは世間一般での話ですね』
『……アリックス様は違うと』
『そうではありませんわ。私も流行りの物は好きです。ですが、流行を追い求め過ぎない程度、と言っておきましょう』
『…………と言いますと?』
『流行っているからと言って、自分に似合うとは限りませんもの。私の場合、派手過ぎる色合いは似合いません。それに大ぶりの宝飾品は好みではありませんわ』
『………………さようですか』
『贈られて来た物は全て私の好みを考慮していなかったので、リサーチ不足なのか、それともそこまでしなくても困らない相手だと思われたのか。さて、どちらしら?』
『……』
『プレゼントを選んだ者に言っておいてください。これからは隠す必要はありませんと』
『…………畏まりました』
と、いう流れ作業のような出来事がありました。
聞き耳を立てていたメイド達ですら絶句していましたから、マーラー子爵家は優秀な使用人が育っていないのだと判断しました。
普通は、聞き耳を立てていたとしても知らないフリくらいするものです。
その事を踏まえて忠告すると、眉がピクリと動いていました。
一応、「貴族の結婚などこんなものです」とフォローを入れた私は親切な令嬢だと自画自賛した程です。
私は小さい頃から達観していた。
そのせいで両親からは「物分かりの良い娘」と思われていました。
それに婚約者の事にしてもさほど気にする事はありませんでした。
十三歳になれば貴族子弟は王都の学園に通うのが習わし。
同級生になるのだから、そこで交流を深めれば良いと思っていたのです。
ところが、肝心のジェフリーは違っていました。
幼少期に決められた婚約には別段、政略的な意味はありません。
偶々、私の父とジェフリーの父が友人同士で、偶然にも家格も同じ。領地も比較的近い距離にある。その上、子供が同時期に生まれた事もあり、「まるで運命のようだ」と笑いあっていた。酒の席で「いっその事、婚約させるか」という話になりトントン拍子で婚約は決まったのです。
婚約したとは言っても、幼い頃は互いの領地で暮らしていたので専ら文通が主流。年に数回会えばいい方だった。ジェフリーは筆不精のようで殆ど代筆だったけど……。それでも節目の贈り物などは欠かさず届いていた。これも恐らく家の使用人が代わりに選んで送ってきていましたが私から指摘する事はありません。これも淑女の嗜み。野暮な事は言いっこなしです。
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『それは世間一般での話ですね』
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『そうではありませんわ。私も流行りの物は好きです。ですが、流行を追い求め過ぎない程度、と言っておきましょう』
『…………と言いますと?』
『流行っているからと言って、自分に似合うとは限りませんもの。私の場合、派手過ぎる色合いは似合いません。それに大ぶりの宝飾品は好みではありませんわ』
『………………さようですか』
『贈られて来た物は全て私の好みを考慮していなかったので、リサーチ不足なのか、それともそこまでしなくても困らない相手だと思われたのか。さて、どちらしら?』
『……』
『プレゼントを選んだ者に言っておいてください。これからは隠す必要はありませんと』
『…………畏まりました』
と、いう流れ作業のような出来事がありました。
聞き耳を立てていたメイド達ですら絶句していましたから、マーラー子爵家は優秀な使用人が育っていないのだと判断しました。
普通は、聞き耳を立てていたとしても知らないフリくらいするものです。
その事を踏まえて忠告すると、眉がピクリと動いていました。
一応、「貴族の結婚などこんなものです」とフォローを入れた私は親切な令嬢だと自画自賛した程です。
私は小さい頃から達観していた。
そのせいで両親からは「物分かりの良い娘」と思われていました。
それに婚約者の事にしてもさほど気にする事はありませんでした。
十三歳になれば貴族子弟は王都の学園に通うのが習わし。
同級生になるのだから、そこで交流を深めれば良いと思っていたのです。
ところが、肝心のジェフリーは違っていました。
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