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4.長男side
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「は?」
……今なんて言った?
できないっていったか?
「なんでだよ?」
「本日の旦那様のスケジュールに〝来客〟は存在しておりません。事前にお約束をされていない方を旦那様に会わせるわけには参りません。どうぞ、お引き取りください」
「おいおい、冗談きついぜ」
「冗談ではござません」
いやいや。
誰が聞いても冗談だと思うぜ。
まあ、くそ真面目なブレイクが冗談を言うはずはねぇんだが。……となると、父上はまだお怒りというヤツか?
めんどくせぇな。
あれから三年も経ったんだ。いい加減、機嫌を直してほしいもんだぜ。
「わざわざ帰って来てやったんだ。それを追い帰すっていうのかよ」
「バークロッド公爵家のご子息はベンジャミン様お一人でございます。貴男のような無礼極まる人物が誉れ高きバークロッド公爵の息子などと戯言をおっしゃられては困ります」
「なっ!?どういう意味だ!ブレイク!」
「そのままの意味でございます。旦那様と事前にお約束がない方を屋敷にお入れするわけには参りません。まして、〝バークロッド公爵家の息子〟を名乗る不届き者など論外と申しております。どうぞ、お引き取りを」
「ブレイク……」
なんだよ、それは。
淡々と告げるブレイクは知らねぇ奴のようだった。
幼少の頃から見知っている老執事。
ずっと執事長として父上の傍にいた。
ブレイクは厳つい顔に似合わず子供好きで、俺達兄弟にも優しかった。ババアに怒られて罰として夕食を抜かれた時だって、こっそりと夜食を運んでくれたことだってある。
「旦那様と奥様には内緒ですよ」と、双眸を細めて笑っていたのに。
そのブレイクが今では他人以下のような冷たい眼差しで自分を見ていることに俺は愕然とした。
な、なんだよ?
まるで別人みてえじゃねぇか。
なんだってんだ?
「それでは失礼いたします」
ハッとした。
ブレイクが玄関のドアを閉めようとするのを見て、俺は慌てて足を差し込んだ。閉め出されるわけにはいかねぇ。力なら俺の方が勝っているはずだ。老人と若者、どちらが強いかなんて明白だ。
「ま、待て!待て!なに勝手に話を終わらせようとしてんだよ!ふざけんな!火急の用だっつってんだろ!!」
俺の叫びに対して、返ってきたのは冷たい言葉だった。
「火急の用ですか。それがなにか?当家にはまったく関係のないお話です」
「関係ないだと!?俺はこの家の息子だ!セオドラ・バークロッドだぞ!関係ないわけがないだろ!」
必死に名を告げる。自分の存在を証明するために。だが――
「……その名前を持つ者はバークロッド公爵家に存在しておりません。別の家とお間違いではありませんか?」
「何言ってやがる!おい、ブレイク。ふざけるのなよ!」
「至って真面目に答えております」
「嘘つけ!なんだってんだ。ボケてんのか!?」
叫んでも、ブレイクの目は氷のように冷たい。
なんだよ。……なんで俺をそんな目で見るんだ?
そんな冷ややかな態度を取るんだよ?
わからねぇ。
俺は、この家の息子だ。
廃嫡されたからなんだっていうんだ?
そんなもん後からどうにでもできんだろ。
俺を市井に出したからって親子だ。
ほとぼりが冷めれば戻されるはずだろう?
他の連中だってそうだろ?
なのに、なんでだよ。
なんで、俺をそんな目で見てくるんだ?
そんな目で見るんじゃねぇ!
……今なんて言った?
できないっていったか?
「なんでだよ?」
「本日の旦那様のスケジュールに〝来客〟は存在しておりません。事前にお約束をされていない方を旦那様に会わせるわけには参りません。どうぞ、お引き取りください」
「おいおい、冗談きついぜ」
「冗談ではござません」
いやいや。
誰が聞いても冗談だと思うぜ。
まあ、くそ真面目なブレイクが冗談を言うはずはねぇんだが。……となると、父上はまだお怒りというヤツか?
めんどくせぇな。
あれから三年も経ったんだ。いい加減、機嫌を直してほしいもんだぜ。
「わざわざ帰って来てやったんだ。それを追い帰すっていうのかよ」
「バークロッド公爵家のご子息はベンジャミン様お一人でございます。貴男のような無礼極まる人物が誉れ高きバークロッド公爵の息子などと戯言をおっしゃられては困ります」
「なっ!?どういう意味だ!ブレイク!」
「そのままの意味でございます。旦那様と事前にお約束がない方を屋敷にお入れするわけには参りません。まして、〝バークロッド公爵家の息子〟を名乗る不届き者など論外と申しております。どうぞ、お引き取りを」
「ブレイク……」
なんだよ、それは。
淡々と告げるブレイクは知らねぇ奴のようだった。
幼少の頃から見知っている老執事。
ずっと執事長として父上の傍にいた。
ブレイクは厳つい顔に似合わず子供好きで、俺達兄弟にも優しかった。ババアに怒られて罰として夕食を抜かれた時だって、こっそりと夜食を運んでくれたことだってある。
「旦那様と奥様には内緒ですよ」と、双眸を細めて笑っていたのに。
そのブレイクが今では他人以下のような冷たい眼差しで自分を見ていることに俺は愕然とした。
な、なんだよ?
まるで別人みてえじゃねぇか。
なんだってんだ?
「それでは失礼いたします」
ハッとした。
ブレイクが玄関のドアを閉めようとするのを見て、俺は慌てて足を差し込んだ。閉め出されるわけにはいかねぇ。力なら俺の方が勝っているはずだ。老人と若者、どちらが強いかなんて明白だ。
「ま、待て!待て!なに勝手に話を終わらせようとしてんだよ!ふざけんな!火急の用だっつってんだろ!!」
俺の叫びに対して、返ってきたのは冷たい言葉だった。
「火急の用ですか。それがなにか?当家にはまったく関係のないお話です」
「関係ないだと!?俺はこの家の息子だ!セオドラ・バークロッドだぞ!関係ないわけがないだろ!」
必死に名を告げる。自分の存在を証明するために。だが――
「……その名前を持つ者はバークロッド公爵家に存在しておりません。別の家とお間違いではありませんか?」
「何言ってやがる!おい、ブレイク。ふざけるのなよ!」
「至って真面目に答えております」
「嘘つけ!なんだってんだ。ボケてんのか!?」
叫んでも、ブレイクの目は氷のように冷たい。
なんだよ。……なんで俺をそんな目で見るんだ?
そんな冷ややかな態度を取るんだよ?
わからねぇ。
俺は、この家の息子だ。
廃嫡されたからなんだっていうんだ?
そんなもん後からどうにでもできんだろ。
俺を市井に出したからって親子だ。
ほとぼりが冷めれば戻されるはずだろう?
他の連中だってそうだろ?
なのに、なんでだよ。
なんで、俺をそんな目で見てくるんだ?
そんな目で見るんじゃねぇ!
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