【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす

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第1章 諸事情により冒険者になりました

7.隠者のステータス

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名前 リッカ
職業 採取者 隠者

 シンプルすぎる画面を見て私は首を捻った。どうしてこうなったのか、ちょっと見当がつかなかったのだ。アイテムボックスのステータスなら、[続きを見る]みたいなボタンで全部見ることができる筈で…
(…あ!)
 思い出した。
 隠者がついた時に、隠蔽術をいじり倒して隠者の表示が消えないか、色々試した事がある。その時に、おそらく私のステータスの続きを[続きを見る]形式に変え、そのボタンを隠蔽しているのではないだろうか?
 私はギルドの板を手に取って表示させるふりをしてアイテムボックスのディスプレイを出す。私以外には視認不可、触れることもできないはず。3人の表情も魔力の流れも変わらない。やはり気づいていないようだ。ディスプレイにかけている魔法を鑑定して、自ステータス表示の部分に干渉する、隠蔽の部分だけそっと剥がす。
 すると、ブォン!と機械音のような音とともに、ギルドの板の表示が増えた。


名前 リッカ
職業 採取者 隠者 冒険者魔法士 魔法探求者 魔法創造者 従魔獣士 

性別 女性
年齢 21歳(不明)

【魔法適正 高※】
【魔法】紋様術10 鑑定術10 回復術9 火術6(火球他)風術9(風刃他)水術10(水球他)従魔術 空間収納 転移術 生活魔法 

【技能】速読 記憶 察知 隠秘 隠蔽 隠密 探求 祈願 祈祷

(まずい!)
 慌てて隠蔽を剥がすのを一瞬でやめたが、それでもこんな感じになった。
 横でハラハラしていたらしいアーバンさんにそろっと板を渡すと、彼は目を通して、完全な無表情でギルマスたちに板を渡した。
 その後の事はあまり見なかったことにしたい。イケメンおじさま達の残念な変顔は、私の胸の中にしまっておく。多分受付嬢達に見られたら、彼らの評価にどんな影響があるかわからない。

◇◇◇

「隠者の称号がついた時に、珍しい称号だと言うのを知ったので、焦って色々と隠せないかと試行錯誤した結果、機械の故障も相俟って、あのようなシンプルな表示を生み出した。と…」
 いうことにしましょうね、とサブマスはペンを走らせる。
「名前以外の記憶が無いから出自はわからん、だから年齢は外見で判断して書いた、ってのは、年齢トシに関しちゃよくある話だからそのままだな」
 ギルマスは描き終わったものを読みながら再確認する。
「とにかく本人は今の生活を変えたく無い、放っておいてくれるなら、希少素材採取などの出来るだけの依頼は受けるから、貴族の面会などは極力したくないと言っている…で良いでしょうか?」
「本当は絶対に嫌ですが…」
「そう言ってしまうと、かえって目立ちすぎるし追及されかねないぜ、リッカさん」
「…わかりました」
「…百万が一、貴族に面会となったら、私やギルマスがフォローできますからね」
「それに、仮にそうなったとしても辺境伯は騎士道精神の塊みたいなお人だから、無理難題は言ってこないと思うぜ?」
「…すみません」
「あとは……これからの関係性によっては緊急時に協力することもやぶさかでは無いが、もしも隠者の意に沿わない事を強要された場合は、すぐに身を隠す可能性が高い。隠者との関係性には、慎重に慎重をと…こんなところですかね」
 サブマスがサラサラとギルド上層部や貴族向けの文言を考えていく。
「貴族向けには、あのステータスの隠蔽の術の開発が可能らしい、と言えば大抵はこちらの言う事を聞くでしょうが…これは最終手段か、ともすると国王陛下と直談判するような非常事態の時にでも使うくらいが良いですかね…」
「それは使い方によっちゃ、毒になる部分も多いからな~」
「犯罪隠しに使われたらこまりますからね」

 私が希望しているのは、今の生活を続けること。干渉してこないでほしい、ただそれだけだ。ギルマスたちは、その方法を話し合ってくれている。
 要は、貴族を黙らせる何かが必要なんだろうか?
「…あの。空間収納術というのは、珍しいんですよね?」
「適性がないと駄目だと言われていますね」
「アーバンさんは使えますよね?容量はどれくらいでしょうか?」
 アーバンさんはちょっとビックリした顔をした。話したっけ?つぶやいてから、だいたいこれくらいと腕を広げる。2立法メートルくらいだろうか。
「これはだいぶ大きいほうだぞ。この半分でも、仕事探しには困らないし、商人は大金払っても魔法袋マジックバック魔法袋を欲しがるからな。
 私は、背負い籠から巾着袋をいくつか取り出した。中には、2センチ程の楕円の水晶がころんと入っている。
「この石には、空間収納の出し入れをする際の起点キーになる魔法を刻んであります。使用者の登録をすれば、その人のみ使える収納魔法が使えるはずです。容量は石によって変わるので、これらはアーバンさんの半分くらいですが、辺境伯様にはこれを差し上げるので、よしなにと…」
(あれ?)
 途中まで喋った時に、雰囲気が変わったので顔を上げると、おじさま3人は額を抑えたり、青くなったりと色々な顔になっている。
「あのよ、リッカさん。あんた初対面のギルマス達にこんなもんホイホイ出すなよ…おれにだって、こんなもん見せて万が一ヤバいことになったら…」
「…アイテムに魔法を付与するのは一般的ですよね?」
「…国に3人もいれば多いくらいだけどな」「魔術具の技師さんがいますよね?」
「魔力をエネルギー源にして動かす魔法具は、あるにはありますが、付与とは違いますよ」

 ……おかしいな。付与の技能を持つ人はそれなりに居ると本には書いてあった気がするんだけど。
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