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第2章 繋がりは繋がっていく
14.鑑定魔法と鑑定術
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初めて、アイテムボックスの中の情報を人に教える決断をした。少なくともレイヴァーンの物なのは間違いないが、使えるかどうかはわからないし、サブマスが誘いを断るかもしれな…
「良いんですか⁉︎」
早かった。サブマスの眼鏡が輝いて見える程に。
「誰かに教えたことはないので、上手くいくかは未知数ですが…」
「お願いします!」
「そ、それでですね…お願いがあるんですが…」
「やるやる!何でもやってやる!」
「せめて内容聞いてからにしろよ…」
交渉は成立したようだ。
とりあえず一旦落ち着こう、と食事にした。精霊がコッソリ果物を失敬しているのをアーバンさんが見たらしく、ちょっと和んでいるのを見てしまった。なんとなくそのタイミングで、精霊を連れている事などをギルマス達にも話した。
「…リッカさん、これが落ち着いたら、うちの子達に付けている魔法の家庭教師の講義を聞いてみませんか?今の魔法に関する一般的な認識が少しはわかるかもしれません」
ミリィさんに加えて、子爵家の家庭教師の講義も聞かせてもらえることになった。
ワインを1瓶空けて、2瓶めに入った所で、ギルマスがこの1ヶ月の愚痴を語り出した。いつの間にか私のグラスにも注がれる。
「あいつらが来てから、ホントろくな事なくてよ。あいつらの騒動の苦情はみんなこっちに来るし。ソノラの支部はギルマスが病気になってサブマスは失踪したとかで話も聞けねぇし。本部は丸投げしてくるし…うちの奴らに怪我させられて、でも微妙に証拠が出ねぇだろ…」
そこで、ギルマスはハッとして不意に立ち上がると、私のところまで来てガバリと頭を下げた。
「ほんと、すまん!助けてもらいっぱなしだ」
「頭を上げてください。そして、謝らないでください。私が自分で勝手に決めてやった事です。本当に、無事で良かった」
「………うん、ありがとな。助かったぜ」
ギルマスはまたわたしの頭をポンポン撫でた。
「ジェイ…いやギルマス、よそのお嬢さんに子供扱いは…」
「俺にとっちゃ、ガルダの冒険者はみんな可愛い子供みたいなモンなんだよ。だからよ」
ギルマスがニヤリと笑う。
「可愛い子供の願い事は、基本叶えてやりたいだろ?」
食後のお茶もそこそこに、サブマスへのレクチャーが始まった。どうしても見たいというので、3人一緒だ。
まず、サブマスの鑑定魔法を見せてもらう。魔法の使用の仕方を見るために、サブマスの魔力紋様をみせてもらいながら、ギルマスが倉庫から持ってきた剣を鑑定してもらう事にした。
「創世の神に願うは、創世の神の創り賜し物事の理。偉大なる欠片を我に貸し与え眼前に示し…」
10秒ほどの呪文を唱えると、サブマスの魔力がゆらゆら剣を包む。
(魔力を、対象物に染み込ませるみたいにしてる…かな?)
「魔力が対象物に染み込んだ分の変化を読み取ってる感覚ですか?」
「ええ。そう習います」
------
鑑定
片手剣 銘【雷迅】
素材 白鉄合金
------
「こんな感じですね。」
サブマスはサラサラと紙にペンを走らせる。
「ちなみに、素材まで鑑定出来ればそれで食って行けるくらいにすげえ事だからな?」
ギルマスの言葉に、アーバンさんがうんうん頷いている。
「……物によって鑑定のし辛さがありませんか?」
「ええ。私は炎属性の物の鑑定は苦手な方です。苦手な物には個人差があるとはよく聞きます」
「人間の鑑定は難しいのでは?」
「一般的にそうですね」
「あと、1日に何回鑑定できますか?」
「私は最高で20件までなら鑑定したことがあります」
「あ、このレベルだと宮廷魔術師も夢じゃ無いからな。魔導国でも鑑定件数の平均は1日5件だ」
ふむふむ、と頷く私を、3人が怪訝そうに見ている。
(…魔法、魔術…ちょっとだけ解ったかも…)
私は自分の書き付け用の紙束を眺めるふりをして、『鑑定術(初級)』を見た。
「サブマス、感覚的なことですが…魔力が血のように全身を巡っているのは解りますか?」
「ええ。自分の魔力を感知するのに、最初にそう習います。心臓から出て、心臓に戻ると」
「分かりやすくいうと、それを図案化したのが魔力紋様です。この世のものは、全て魔力を含んでいます。私の鑑定術は…」
剣の紋様を出す。
「この紋様を読み解きます」
------
鑑定
片手剣 銘【雷迅】
素材 白鉄合金
製作者 ドルブ・マッジ
所有者 アーバン
-------
分かりやすいように、情報のある部分の紋様を光らせる。
「情報を読み取るのには慣れが必要です。魔力に余裕があるなら自動変換する術を組み合わせてもっと効率的にできるようになります。これは推測ですが、魔力紋様は、人によって同じ物の紋様でも形が違うはずです」
「あの…あの……」
「はい?」
「呪文は…」
「あ……」
うっかりしていた。
「うーんと…じゃあ、『創世の神に願うは、創世の神の創り賜し物事の理を示す紋』とかで…」
「「「『とかで?』」」」
そこで、私は研究で得た知識を軽く話すことになった。
「無詠唱の秘密が…想像力とは…」
「いや、これは言われてみればわからんでも無いぞ。子供が魔法を暴発させたり、酒に酔って「噴水!」だけで水芸やった奴とか居たよな?」
「そう言えば身体強化は呪文ないよな…うん」
「そうは言っても幼い頃から教えられた事を変えてやるのは難しいでしょうから、まずはさっきの呪文の変更と、あの紋様を出す事を練習しましょう」
「はい」
サブマスが物凄いやる気を見せている。
「今になって魔法の深淵に触れられるとは…こんな幸運は2度とないでしょうから…!」
いや、これは『鑑定術(初級)』です、とは言えなかった。
「良いんですか⁉︎」
早かった。サブマスの眼鏡が輝いて見える程に。
「誰かに教えたことはないので、上手くいくかは未知数ですが…」
「お願いします!」
「そ、それでですね…お願いがあるんですが…」
「やるやる!何でもやってやる!」
「せめて内容聞いてからにしろよ…」
交渉は成立したようだ。
とりあえず一旦落ち着こう、と食事にした。精霊がコッソリ果物を失敬しているのをアーバンさんが見たらしく、ちょっと和んでいるのを見てしまった。なんとなくそのタイミングで、精霊を連れている事などをギルマス達にも話した。
「…リッカさん、これが落ち着いたら、うちの子達に付けている魔法の家庭教師の講義を聞いてみませんか?今の魔法に関する一般的な認識が少しはわかるかもしれません」
ミリィさんに加えて、子爵家の家庭教師の講義も聞かせてもらえることになった。
ワインを1瓶空けて、2瓶めに入った所で、ギルマスがこの1ヶ月の愚痴を語り出した。いつの間にか私のグラスにも注がれる。
「あいつらが来てから、ホントろくな事なくてよ。あいつらの騒動の苦情はみんなこっちに来るし。ソノラの支部はギルマスが病気になってサブマスは失踪したとかで話も聞けねぇし。本部は丸投げしてくるし…うちの奴らに怪我させられて、でも微妙に証拠が出ねぇだろ…」
そこで、ギルマスはハッとして不意に立ち上がると、私のところまで来てガバリと頭を下げた。
「ほんと、すまん!助けてもらいっぱなしだ」
「頭を上げてください。そして、謝らないでください。私が自分で勝手に決めてやった事です。本当に、無事で良かった」
「………うん、ありがとな。助かったぜ」
ギルマスはまたわたしの頭をポンポン撫でた。
「ジェイ…いやギルマス、よそのお嬢さんに子供扱いは…」
「俺にとっちゃ、ガルダの冒険者はみんな可愛い子供みたいなモンなんだよ。だからよ」
ギルマスがニヤリと笑う。
「可愛い子供の願い事は、基本叶えてやりたいだろ?」
食後のお茶もそこそこに、サブマスへのレクチャーが始まった。どうしても見たいというので、3人一緒だ。
まず、サブマスの鑑定魔法を見せてもらう。魔法の使用の仕方を見るために、サブマスの魔力紋様をみせてもらいながら、ギルマスが倉庫から持ってきた剣を鑑定してもらう事にした。
「創世の神に願うは、創世の神の創り賜し物事の理。偉大なる欠片を我に貸し与え眼前に示し…」
10秒ほどの呪文を唱えると、サブマスの魔力がゆらゆら剣を包む。
(魔力を、対象物に染み込ませるみたいにしてる…かな?)
「魔力が対象物に染み込んだ分の変化を読み取ってる感覚ですか?」
「ええ。そう習います」
------
鑑定
片手剣 銘【雷迅】
素材 白鉄合金
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「こんな感じですね。」
サブマスはサラサラと紙にペンを走らせる。
「ちなみに、素材まで鑑定出来ればそれで食って行けるくらいにすげえ事だからな?」
ギルマスの言葉に、アーバンさんがうんうん頷いている。
「……物によって鑑定のし辛さがありませんか?」
「ええ。私は炎属性の物の鑑定は苦手な方です。苦手な物には個人差があるとはよく聞きます」
「人間の鑑定は難しいのでは?」
「一般的にそうですね」
「あと、1日に何回鑑定できますか?」
「私は最高で20件までなら鑑定したことがあります」
「あ、このレベルだと宮廷魔術師も夢じゃ無いからな。魔導国でも鑑定件数の平均は1日5件だ」
ふむふむ、と頷く私を、3人が怪訝そうに見ている。
(…魔法、魔術…ちょっとだけ解ったかも…)
私は自分の書き付け用の紙束を眺めるふりをして、『鑑定術(初級)』を見た。
「サブマス、感覚的なことですが…魔力が血のように全身を巡っているのは解りますか?」
「ええ。自分の魔力を感知するのに、最初にそう習います。心臓から出て、心臓に戻ると」
「分かりやすくいうと、それを図案化したのが魔力紋様です。この世のものは、全て魔力を含んでいます。私の鑑定術は…」
剣の紋様を出す。
「この紋様を読み解きます」
------
鑑定
片手剣 銘【雷迅】
素材 白鉄合金
製作者 ドルブ・マッジ
所有者 アーバン
-------
分かりやすいように、情報のある部分の紋様を光らせる。
「情報を読み取るのには慣れが必要です。魔力に余裕があるなら自動変換する術を組み合わせてもっと効率的にできるようになります。これは推測ですが、魔力紋様は、人によって同じ物の紋様でも形が違うはずです」
「あの…あの……」
「はい?」
「呪文は…」
「あ……」
うっかりしていた。
「うーんと…じゃあ、『創世の神に願うは、創世の神の創り賜し物事の理を示す紋』とかで…」
「「「『とかで?』」」」
そこで、私は研究で得た知識を軽く話すことになった。
「無詠唱の秘密が…想像力とは…」
「いや、これは言われてみればわからんでも無いぞ。子供が魔法を暴発させたり、酒に酔って「噴水!」だけで水芸やった奴とか居たよな?」
「そう言えば身体強化は呪文ないよな…うん」
「そうは言っても幼い頃から教えられた事を変えてやるのは難しいでしょうから、まずはさっきの呪文の変更と、あの紋様を出す事を練習しましょう」
「はい」
サブマスが物凄いやる気を見せている。
「今になって魔法の深淵に触れられるとは…こんな幸運は2度とないでしょうから…!」
いや、これは『鑑定術(初級)』です、とは言えなかった。
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