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第2話:ご対面の時です
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翌朝、いつもの様に両親と一緒に食事を済ますと、いよいよ旅立ちの時だ。女性騎士の衣装に身を包み、門のところまでやって来た。
そこには両親と、一番上の兄、ブライズお兄様と妻のライラお義姉様、それに甥や姪たちも来てくれていた。
「アリシアちゃん、あなた、本当に討伐に参加するの?あんな危険な場所に、アリシアちゃんが参加するなんて…」
そう言って涙を流してくれるライラお義姉様。
「ライラ、アリシアは大丈夫だ。この日の為に、しっかり修行を積んだんだ。心配はいらない」
「そうよ、ライラちゃん。私も30年くらい前には、バンバン魔物を倒していたのよ。あぁ、私ももっと若かったら、魔物討伐に参加したのに…」
そう言って悔しそうな顔をしているのはお母様だ。お母様は武の家としても有名な、侯爵家の出。実際お母様自身も、貴族令嬢では初めて魔物討伐に参加した人物なのだ。
実を言うとお母様の修行が一番厳しかった…思い出しただけで、めまいが…
「さあ、無駄話をしている暇はない。魔物討伐部隊の場所までは、彼が案内してくれる。悪いがアリシアの事をよろしく頼む」
「はい、もちろんです。では、アリシア嬢、早速参りましょう」
20代後半くらいの男性が、話しかけてきた。
「よろしくお願いいたします。ただ、私は公爵令嬢という身分を隠して向かいます。どうか、アリーとお呼びください」
「そうでしたね、では、アリーさん。参りましょう」
男性が馬にまたがった。
「それでは皆様、行って参ります」
「ああ、気を付けてな」
「アリシアちゃん、怪我には気を付けてね」
「アリシア、あなたは治癒魔法が得意だから、ガンガン皆を治療するのよ」
「ルーカス殿下によろしく」
一通り皆に挨拶をしたところで、私も馬にまたがった。
「それでは参りましょう」
男性に付いて、馬を走らせていく。
「アリシ…アリーさんは馬を上手に乗りこなせるのですね。それなら、もう少しスピードを出してもよろしいですか?魔物討伐部隊のいる場所まで、ここから馬を飛ばしても半日程度かかりますので」
「ええ、もちろんですわ。ある程度の速さにならついていけますので、遠慮なく飛ばしてください」
「さすがカーラル公爵家の令嬢だ。逞しい。それでは、参りましょう」
一気に馬を加速させる男性。もちろん、私も付いていく。3時間程度ぶっ通しに走った後、少し休憩をはさみ、再び魔物討伐部隊のいる森を目指す。
辺りがすっかり暗くなったころ、やっと森に入った。
「アリーさん、この先は魔物がウジャウジャいます。どうか、気を引き締めて…」
そう言っているそばから、魔物が襲い掛かって来た。
「炎!」
炎魔法で一気に焼き払う。
「アリーさんは治癒師として魔物討伐に参加するとお伺いしましたが…お強いのですね。さすがカーラル公爵令嬢だ」
「いいえ、まだまだです。私はどれほど訓練を積んでも、最低限自分の身を守れる程度の攻撃魔法しか使えません。その代わり、治癒魔法なら誰にも負けませんわ」
本当は私も、お兄様たちの様に最前線で戦いたかった。でも、どうやら攻撃魔法は苦手な様で、お母様から“そんな攻撃では、一瞬で殺されるわよ!”と、よく怒られたものだ。
「そうなのですね…私には、十分討伐部隊でも戦えると思いますが…」
何やらブツブツ言っている。
「あの灯りが付いているところが、ルーカス殿下が率いている部隊です」
何度か魔物に襲われながらも、どうやら部隊に着いた様だ。いよいよルーカス様に会えるのね。なんだかドキドキしてきたわ。
馬から降り、部隊に近づく。すると、すぐに1人の騎士がやって来た。
何なのこの人…ガリガリじゃない…
こんな状況で魔物と戦っているの?あり得ない…これじゃあ、十分な魔力を発揮できないわ。それとも彼はただの見張り役?
「こんな夜にどうされましたか?」
「新しい治癒師を連れて参りました。ルーカス殿下はどちらにいらっしゃいますか?」
「治癒師の方でしたか。でも…女性?」
私を見るなり、怪訝そうな顔をしている。失礼ね、これでも私は優秀な治癒能力を持っているのよ。そう言おうとした時だった。
「彼女はこう見えて、非常に優秀な治癒師です。野宿も慣れていると伺っております」
隣の男性が、騎士に説明してくれた。ただ…こう見えては失礼でしょう。本当にどいつもこいつも。
「そうですか…では、どうぞこちらへ」
奥に向かうと、たくさんのテントが立ち並んでいた。
「少しお待ちください」
騎士に言われ待っていると、2人の男性が出てきた。あれは…誰?
辺りが薄暗く、髪の色は分からない。それに、2人とも随分とやつれている。
「えっと…君が新しい治癒師かい?」
「はい、アリーと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「俺はこの隊を率いているルーカスだ。こっちが副隊長のカール。よろしく頼む」
えっ!!
このやつれた男性が、ルーカス様なの…5年前見た時は、もっとガッチリしていた。きっとよほどここが過酷なのだろう…
おっといけない、私にはやらなければいけないことがあるのだった。お母様に討伐部隊での行動を叩き込まれている。
「ルーカス隊長、カール副隊長、どうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、ケガ人がいる場所に案内してください。私はケガ人を治す為にここに来たのです」
そう、お母様から、まずはケガ人の手当てに当たれと言われているのだ。しばらく治癒師がいなかったこの部隊。きっとケガ人で溢れかえっているはずだ。
「わかった…こっちだ…」
ルーカス様に連れられ、奥へと向かったのであった。
そこには両親と、一番上の兄、ブライズお兄様と妻のライラお義姉様、それに甥や姪たちも来てくれていた。
「アリシアちゃん、あなた、本当に討伐に参加するの?あんな危険な場所に、アリシアちゃんが参加するなんて…」
そう言って涙を流してくれるライラお義姉様。
「ライラ、アリシアは大丈夫だ。この日の為に、しっかり修行を積んだんだ。心配はいらない」
「そうよ、ライラちゃん。私も30年くらい前には、バンバン魔物を倒していたのよ。あぁ、私ももっと若かったら、魔物討伐に参加したのに…」
そう言って悔しそうな顔をしているのはお母様だ。お母様は武の家としても有名な、侯爵家の出。実際お母様自身も、貴族令嬢では初めて魔物討伐に参加した人物なのだ。
実を言うとお母様の修行が一番厳しかった…思い出しただけで、めまいが…
「さあ、無駄話をしている暇はない。魔物討伐部隊の場所までは、彼が案内してくれる。悪いがアリシアの事をよろしく頼む」
「はい、もちろんです。では、アリシア嬢、早速参りましょう」
20代後半くらいの男性が、話しかけてきた。
「よろしくお願いいたします。ただ、私は公爵令嬢という身分を隠して向かいます。どうか、アリーとお呼びください」
「そうでしたね、では、アリーさん。参りましょう」
男性が馬にまたがった。
「それでは皆様、行って参ります」
「ああ、気を付けてな」
「アリシアちゃん、怪我には気を付けてね」
「アリシア、あなたは治癒魔法が得意だから、ガンガン皆を治療するのよ」
「ルーカス殿下によろしく」
一通り皆に挨拶をしたところで、私も馬にまたがった。
「それでは参りましょう」
男性に付いて、馬を走らせていく。
「アリシ…アリーさんは馬を上手に乗りこなせるのですね。それなら、もう少しスピードを出してもよろしいですか?魔物討伐部隊のいる場所まで、ここから馬を飛ばしても半日程度かかりますので」
「ええ、もちろんですわ。ある程度の速さにならついていけますので、遠慮なく飛ばしてください」
「さすがカーラル公爵家の令嬢だ。逞しい。それでは、参りましょう」
一気に馬を加速させる男性。もちろん、私も付いていく。3時間程度ぶっ通しに走った後、少し休憩をはさみ、再び魔物討伐部隊のいる森を目指す。
辺りがすっかり暗くなったころ、やっと森に入った。
「アリーさん、この先は魔物がウジャウジャいます。どうか、気を引き締めて…」
そう言っているそばから、魔物が襲い掛かって来た。
「炎!」
炎魔法で一気に焼き払う。
「アリーさんは治癒師として魔物討伐に参加するとお伺いしましたが…お強いのですね。さすがカーラル公爵令嬢だ」
「いいえ、まだまだです。私はどれほど訓練を積んでも、最低限自分の身を守れる程度の攻撃魔法しか使えません。その代わり、治癒魔法なら誰にも負けませんわ」
本当は私も、お兄様たちの様に最前線で戦いたかった。でも、どうやら攻撃魔法は苦手な様で、お母様から“そんな攻撃では、一瞬で殺されるわよ!”と、よく怒られたものだ。
「そうなのですね…私には、十分討伐部隊でも戦えると思いますが…」
何やらブツブツ言っている。
「あの灯りが付いているところが、ルーカス殿下が率いている部隊です」
何度か魔物に襲われながらも、どうやら部隊に着いた様だ。いよいよルーカス様に会えるのね。なんだかドキドキしてきたわ。
馬から降り、部隊に近づく。すると、すぐに1人の騎士がやって来た。
何なのこの人…ガリガリじゃない…
こんな状況で魔物と戦っているの?あり得ない…これじゃあ、十分な魔力を発揮できないわ。それとも彼はただの見張り役?
「こんな夜にどうされましたか?」
「新しい治癒師を連れて参りました。ルーカス殿下はどちらにいらっしゃいますか?」
「治癒師の方でしたか。でも…女性?」
私を見るなり、怪訝そうな顔をしている。失礼ね、これでも私は優秀な治癒能力を持っているのよ。そう言おうとした時だった。
「彼女はこう見えて、非常に優秀な治癒師です。野宿も慣れていると伺っております」
隣の男性が、騎士に説明してくれた。ただ…こう見えては失礼でしょう。本当にどいつもこいつも。
「そうですか…では、どうぞこちらへ」
奥に向かうと、たくさんのテントが立ち並んでいた。
「少しお待ちください」
騎士に言われ待っていると、2人の男性が出てきた。あれは…誰?
辺りが薄暗く、髪の色は分からない。それに、2人とも随分とやつれている。
「えっと…君が新しい治癒師かい?」
「はい、アリーと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「俺はこの隊を率いているルーカスだ。こっちが副隊長のカール。よろしく頼む」
えっ!!
このやつれた男性が、ルーカス様なの…5年前見た時は、もっとガッチリしていた。きっとよほどここが過酷なのだろう…
おっといけない、私にはやらなければいけないことがあるのだった。お母様に討伐部隊での行動を叩き込まれている。
「ルーカス隊長、カール副隊長、どうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、ケガ人がいる場所に案内してください。私はケガ人を治す為にここに来たのです」
そう、お母様から、まずはケガ人の手当てに当たれと言われているのだ。しばらく治癒師がいなかったこの部隊。きっとケガ人で溢れかえっているはずだ。
「わかった…こっちだ…」
ルーカス様に連れられ、奥へと向かったのであった。
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