彼を傷つける者は許さない!私が皆叩き潰して差し上げましょう

Karamimi

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第5話:栄養のあるものを作りましょう

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皆が魔物の方に向かって走って行ったあと、1人取り残された。どうしよう、私も付いて行って、治癒魔法を掛けた方が…

いいえ、私が行っても足手まといになるだけだわ。とにかく、ケガ人が出たらきっと知らせが入るだろう。私は今できる事をしないと。

まずは大量にある洗い物を、一気に片づける事にした。

もちろん、魔法で行う。私はこの5年間でありとあらゆる魔法を覚えた。その為、洗い物なんて朝飯前だ。

「クリーン」と唱え、一気にお皿を綺麗にしていく。そして、そのまま魔法で食器棚へとしまった。ちょうど片付けが終わった時だった。

「アリー、ケガ人が出た。すぐに来てくれ」

「はい、分かりました」

隊員に呼ばれ、早速ついていく。すると、血を流して倒れている隊員が数名いた。

「大丈夫ですか?これは…」

どうやら魔物の角で体を貫かれた様だ。でも、まだ息はある。急いで治癒魔法をかける。すると、傷が見る見る塞がり、あっという間に治った。

「おお、すごい。もう痛くもかゆくもないぞ。ありがとう、アリー」

「どういたしまして。他に怪我人はいませんか?」

その時だった。大きな角を持った魔物が、私に向かって襲って来たのだ。しまった!そう思った時には、時すでに遅し。既に目の前にまで迫って来ていた。

やられる!

「危ない!炎」

「グァァァァ」

目の前で魔物が炎に包まれ、倒れたのだ。この声は…

「アリー、大丈夫か?怪我はないか?」

「はい、助けて頂き、ありがとうございます。隊長」

私を助けてくれたのは、ルーカス様だ。やっぱりカッコいいわ。

「ここは危ない。今すぐテントに戻れ。ケガ人が出たら、テントに運ぶ様にしよう。でも、1人で戻すのは心配だな。俺も一緒に…」

「いいえ、隊長の手を煩わせるわけにはいきません。最低限の戦闘魔法なら使えますので、テントに戻るくらいなら大丈夫です。それでは」

「あ…アリー」

後ろでルーカス様の声が聞こえるが、これ以上迷惑はかけられない。途中魔物が襲ってきたが、焼き払っておいた。

皆あんなにも過酷な戦いをしているのだから、やっぱり栄養のあるものをたくさん食べさせてあげないと。

厨房に戻ると、早速調理開始だ。と言っても、料理も魔法で行う。作りたい料理の材料と調味料を並べ、魔法で念じるのだ。ただ、細かな味の調整が難しく、料理をマスターするのに、私は1年近く掛かってしまった。

でも必死に練習したおかげで、今では色々な料理を作れる様になった。今日は野菜たっぷり牛肉のシチューと白身魚のフライ。ホットサンド、さらにローストビーフ入りのサラダも作る。

材料を並べ、魔力を込めるとあっという間に出来るのだ。何度も言うが、このお料理には、私の魔力が込められている。食べた人が元気になるのはもちろん、その人の中に眠る魔力をも引き出すことが出来る。

その力を手に入れるため、魔術師と何度も研究を重ねたのだ。

しばらくすると、皆が戻ってきた。

「おかえりなさい。お怪我をした人はいませんか?」

早速声を掛ける。すると

「何人か怪我をしてな。早速治してやってくれるだろうか?」

隊員に肩を借り、足を引きづっている人や、手から出血している人たちを見つけた。早速治癒魔法をかける。

「おお、ありがとう。アリー。すっかり良くなったよ」

隊員たちが、嬉しそうに笑っている。

「なあ、なんかめちゃくちゃいい匂いがしないか?」

「俺もずっと気になっていたんだ」

そうだわ、皆の為に、食事を作ったのだった。

「食事の準備が出来ていますので、どうぞこちらへ」

早速魔法で各テーブルに料理を並べていく。全て並べ終わったところで、私もルーカス様の隣に座ろうと思ったのだが…

「アリー、こっちに席を準備したぞ。俺たちと食べようぜ」

男性3人グループに話しかけられた。せっかくなので、彼らの元へと向かう。

「俺はダイ、こっちがグレイ、こいつがダニーだ。よろしくな」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

ペコリと頭を下げ、ダイさんの横に座った。

「なあ、アリーって綺麗な髪をしているよな。治癒力もすごいし。高貴な身分の貴族なのか?」

ふとそんな事を聞いて来たのは、グレイさんだ。


「私は…まあ…」

何と答えていいか分からず、濁しておいた。

「あ…訳アリってやつか。まあ、こんな過酷な討伐部隊に参加するくらいだから、よほどの理由があるんだよな」

なぜかグレイさんが、しみじみと語っている。その時だった。


「何だこれ!めちゃくちゃ旨いんだけれど。それに、なんだか体中から、力がみなぎって来るぞ」

「本当だ、これは旨いな。おい、グレイも話ばかりしていないで、食ってみろよ!」

そう言ってダイさんが、グレイさんの口に料理を放り込んでいる。

「これは…旨いな。確かに、力がみなぎる」

さらに周りからも、美味しいと言った声や、お替りを求める声が上がる。よかった、どうやらうまく行った様だ。

一旦3人の輪を離れ、お替りを求める人たちの対応をする。それにしても、すごい食欲だ。沢山作ったはずなのに、あっという間になくなってしまった。

がっかりする隊員たちを見たら、もっと作らなきゃという思いに駆られ、早速追加分を作った。

結局隊員全員の胃袋を満たすために、何回も料理をする羽目になったのであった。
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