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第21話:アリーはもしかして…~ルーカス視点~
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カールが放った攻撃魔法を、最後の力を振り絞ってバリア魔法で防ごうとしたアリー。そのお陰で、俺の攻撃魔法がギリギリ間に合った。
ただ魔力を使い果たし、そのまま意識を飛ばしてしまったアリー。また無理をさせてしまったな…
その場にぐったりと倒れるアリーを抱きかかえた。
「隊長、アリーは」
「魔力の使い過ぎで、眠っているだけだ。それよりも、カールを…」
ふとカールの方を見ると、俺たちの攻撃魔法をくらい、倒れていた。
「隊長、副隊長は意識を失っているだけです。どうしますか?」
「そのまま魔力を無力化するリングを付けて、縄で縛り上げておいてくれ。俺はアリーをテントに寝かせてくる」
「分かりました」
アリーを抱き、テントへと向かった。そして、布団に寝かせる。
「アリー、君はいつからカールが犯人だと気が付いていたんだい?この1週間、毎日カールのテントに行っていたよな?もしかして、ずっと証拠を手に入れるため、カールを追っていたのか?」
そう問いかけるが、もちろん返事はない。きっとアリーは、カールを疑っていたのだろう。それで、カールを付けていなんだな。そうとも知らず俺は…アリーがカールに好意を抱いていると勘違いし、事あるごとにアリーの邪魔をした。
それなのに、肝心な時にはグーグー寝て、アリーを守ってやれなかった。もしダイたちがいなかったら、今頃アリーは…考えただけで、背筋が凍る。
アリー、君は一体何者なんだ?どうして俺の為に、危険を冒してまでカールを追ったんだ?録音機まで準備して。彼女の行動はどう考えても、俺を必死に守ろうとしてくれている様だ。その姿はまさに、カーラル公爵家の人間そのもの。
カーラル公爵家の人間…
そういえば、彼女は昔領地に住んでいたと言っていた。よく見ると、夫人やバランに似ている。それに名前も…
アリー…アリー…アリシア…
もしかして俺を助けるために、アリシア嬢が己の存在を偽って討伐部隊に参加したのか?でも彼女は、体が弱いと聞いている。その為、ずっと領地で療養していたはずだ。
再びアリーの顔を見つめる。美しいストロベリーブロンドの髪は公爵から、宝石の様なエメラルドグリーンの瞳は夫人から受け継いだとしたら…
考えれば考えるほど、アリーがアリシア嬢に思えてきてならない。確かアリーは、公爵家から推薦されてやって来たと、連れて来た男が言っていた。よく考えたら、あの公爵と夫人が、俺の部隊にわざわざ縁もゆかりもない令嬢を送り込んでくるなんて考えられない。
きっと誰よりも信頼できる人物を送り込んでくるはずだ…それにかつて夫人は、討伐部隊に参加していた。あの夫人の事だ、娘に討伐で生きていく上での知恵や知識を、徹底的に叩き込んでいても不思議ではない。そう考えるとやっぱり彼女は…アリシア嬢なのか?
なぜだろう。今日はやたら自分の都合のいい風に考えてしまう。でも、考えれば考えるほど、どうしても辻褄があって来るのだ。
その時だった。アリーが首から下げているリングが目についた。そういえば、アリーはいつもリングを首から下げている。ただ、いつも洋服の中にしまってあるため、リングの先には何が付いているのかは分からない。
このネックレスの先に、公爵家に繋がる何かが付いているかもしれない。そんな思いから、リングをゆっくりと手繰り寄せた。すると…
「これは、俺がアリシア嬢の16歳の誕生日に贈ったネックレスだ」
直接買いに行けないため、執事に手配させたのだ。そして何を思ったのか、素晴らしい出来栄えだからと、わざわざ討伐部隊までネックレスを見せに来てくれた。バラの加工が施された、珍しいネックレスだったのでよく覚えている。
でも、たまたま同じものを持っているだけかもしれない。
ゆっくりとネックレスを手に取り、裏返した。そこには…
俺が記念に掘ったアリシア嬢の誕生日が記載されていた。間違いない、これは俺があげた物だ。
よく考えたら、アリーが討伐部隊に参加したのは、アリシア嬢の誕生日の翌日。16歳になるのを待って、討伐に参加したと考えると自然だ。
やっぱり彼女が俺の婚約者、アリシア嬢だったんだな。眠るアリシア嬢を改めて抱きしめた。
「そうか、俺は自分の婚約者に恋をしてしまったのか…」
あれほど悩んでいたのは一体何だったのだろう…でも…
きっと彼女は、俺を守りたい一心で討伐部隊に参加したのだろう。そうか、アリシア嬢…いや、アリシアもきっと、俺の事を…
自分の都合のいい方向にばかり考えてしまう。
「アリシア…」
ポツリと彼女の名前を呟いた。
なあ、アリシア。頼む、早く目覚めてくれ。そして、俺に真実を話してくれ。俺の可愛い婚約者、アリシア…
ただ魔力を使い果たし、そのまま意識を飛ばしてしまったアリー。また無理をさせてしまったな…
その場にぐったりと倒れるアリーを抱きかかえた。
「隊長、アリーは」
「魔力の使い過ぎで、眠っているだけだ。それよりも、カールを…」
ふとカールの方を見ると、俺たちの攻撃魔法をくらい、倒れていた。
「隊長、副隊長は意識を失っているだけです。どうしますか?」
「そのまま魔力を無力化するリングを付けて、縄で縛り上げておいてくれ。俺はアリーをテントに寝かせてくる」
「分かりました」
アリーを抱き、テントへと向かった。そして、布団に寝かせる。
「アリー、君はいつからカールが犯人だと気が付いていたんだい?この1週間、毎日カールのテントに行っていたよな?もしかして、ずっと証拠を手に入れるため、カールを追っていたのか?」
そう問いかけるが、もちろん返事はない。きっとアリーは、カールを疑っていたのだろう。それで、カールを付けていなんだな。そうとも知らず俺は…アリーがカールに好意を抱いていると勘違いし、事あるごとにアリーの邪魔をした。
それなのに、肝心な時にはグーグー寝て、アリーを守ってやれなかった。もしダイたちがいなかったら、今頃アリーは…考えただけで、背筋が凍る。
アリー、君は一体何者なんだ?どうして俺の為に、危険を冒してまでカールを追ったんだ?録音機まで準備して。彼女の行動はどう考えても、俺を必死に守ろうとしてくれている様だ。その姿はまさに、カーラル公爵家の人間そのもの。
カーラル公爵家の人間…
そういえば、彼女は昔領地に住んでいたと言っていた。よく見ると、夫人やバランに似ている。それに名前も…
アリー…アリー…アリシア…
もしかして俺を助けるために、アリシア嬢が己の存在を偽って討伐部隊に参加したのか?でも彼女は、体が弱いと聞いている。その為、ずっと領地で療養していたはずだ。
再びアリーの顔を見つめる。美しいストロベリーブロンドの髪は公爵から、宝石の様なエメラルドグリーンの瞳は夫人から受け継いだとしたら…
考えれば考えるほど、アリーがアリシア嬢に思えてきてならない。確かアリーは、公爵家から推薦されてやって来たと、連れて来た男が言っていた。よく考えたら、あの公爵と夫人が、俺の部隊にわざわざ縁もゆかりもない令嬢を送り込んでくるなんて考えられない。
きっと誰よりも信頼できる人物を送り込んでくるはずだ…それにかつて夫人は、討伐部隊に参加していた。あの夫人の事だ、娘に討伐で生きていく上での知恵や知識を、徹底的に叩き込んでいても不思議ではない。そう考えるとやっぱり彼女は…アリシア嬢なのか?
なぜだろう。今日はやたら自分の都合のいい風に考えてしまう。でも、考えれば考えるほど、どうしても辻褄があって来るのだ。
その時だった。アリーが首から下げているリングが目についた。そういえば、アリーはいつもリングを首から下げている。ただ、いつも洋服の中にしまってあるため、リングの先には何が付いているのかは分からない。
このネックレスの先に、公爵家に繋がる何かが付いているかもしれない。そんな思いから、リングをゆっくりと手繰り寄せた。すると…
「これは、俺がアリシア嬢の16歳の誕生日に贈ったネックレスだ」
直接買いに行けないため、執事に手配させたのだ。そして何を思ったのか、素晴らしい出来栄えだからと、わざわざ討伐部隊までネックレスを見せに来てくれた。バラの加工が施された、珍しいネックレスだったのでよく覚えている。
でも、たまたま同じものを持っているだけかもしれない。
ゆっくりとネックレスを手に取り、裏返した。そこには…
俺が記念に掘ったアリシア嬢の誕生日が記載されていた。間違いない、これは俺があげた物だ。
よく考えたら、アリーが討伐部隊に参加したのは、アリシア嬢の誕生日の翌日。16歳になるのを待って、討伐に参加したと考えると自然だ。
やっぱり彼女が俺の婚約者、アリシア嬢だったんだな。眠るアリシア嬢を改めて抱きしめた。
「そうか、俺は自分の婚約者に恋をしてしまったのか…」
あれほど悩んでいたのは一体何だったのだろう…でも…
きっと彼女は、俺を守りたい一心で討伐部隊に参加したのだろう。そうか、アリシア嬢…いや、アリシアもきっと、俺の事を…
自分の都合のいい方向にばかり考えてしまう。
「アリシア…」
ポツリと彼女の名前を呟いた。
なあ、アリシア。頼む、早く目覚めてくれ。そして、俺に真実を話してくれ。俺の可愛い婚約者、アリシア…
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