7 / 55
第7話:もう耐えられません
しおりを挟む
「マーガレット、令嬢たちと食べないなら、僕と一緒にご飯を食べよう」
私の元にやって来たのは、ジェファーソン様だ。
「いいえ、結構ですわ。それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げ、ジェファーソン様の元を去る。後ろで令息たちが
「せっかくジェファーソンが気にかけてくれているのに、性格の悪い女だな」
「ジェファーソンもあんな女が婚約者で可哀そうに」
と、私に対する暴言が聞こえるが、そっとしておいた。
どうして私がこんな目に合わないといけないのだろう。悔しくて1人校舎裏で涙を流す。でも、泣いていても始まらない。何とか2人の不貞行為の証拠を手に入れないと。
そんな思いから、翌日もその翌日も、毎日学院に通った。とにかく2人の不貞の証拠を掴みたい、そんな思いから、2人の後を付けたりしていたが、やはり警戒しているのか、2人で会うどころか、話しすらしていない様だ。
ただ、私の不審な姿が気に入らなかった令嬢に
「まだマリン様とジェファーソン様の仲を疑っているのですか?本当にしつこい女ね。そんな性格だから、友人の1人もいないのですわ」
「さすがに2人の後を付け回すだなんて、気持ち悪いですわ。マリン様、よくこんなのと友達でいましたわね。あまりにも酷いようでしたら、伯爵家に抗議文を出したらいかがですか?」
そう言われた。これ以上マリンたちを尾行するのは無理がある。やっぱりあの時、証拠を残せなかった私が悪いのね…
完全に孤立してしまった私は、ただただ辛い日々に耐えるしかない。そんな私を見たジェファーソン様が
「マーガレット、いつまで意地になっているのだい?いい加減僕を受け入れたらいいのに。独りぼっちは辛いだろう?君だって、もう僕たちが会っていない事くらいわかっているだろう?君は僕と結婚する道しか残っていないのだから、諦めた方がいい。さあ、僕と一緒に昼食を食べよう」
ジェファーソン様が笑顔で私に話しかけて来た。でも私は、どうしても彼の顔を見ると、あの時の姿が脳裏に浮かぶのだ。
「申し訳ございません、ジェファーソン様。私はやはり、あなたを受け入れる事はどうしても出来ないのです」
不貞を働いたあなたを、受け入れる事は出来ない。
「マーガレット嬢、ジェファーソンのどこがそんなに気にいらないんだよ。マリン譲と少し話をしただけで、ここまで拒絶するだなんて。こんな事は言いたくはないが、少し異常だぞ。一度医者に頭を見てもらった方がいいのじゃないのか?」
「おい、さすがにそれは言い過ぎだろう。でも、確かにマーガレット嬢って変わっているよな。俺ならとっくの昔に、婚約破棄しているところだよ。それなのにそれでも彼女に寄り添おうとするジェファーソンは、本当に尊敬するよ。マーガレット嬢、いくらジェファーソンが優しいからって、これ以上我が儘を言っていると、本当に大切な人を失うぞ」
令息たちが次々と私に意見をする。この人たちに何が分かるのよ!本当の2人の姿を知らないくせに。
「皆、マーガレットは繊細なところがあるんだよ。僕はどんなマーガレットも受け入れるつもりだ。それに僕は、絶対に婚約破棄をするつもりはない。マーガレット、後7ヶ月もすれば、僕たちは結婚するんだよ。それだけは絶対に変わらない事実なのだから…」
「ジェファーソンはすぐにそう言ってマーガレット嬢を甘やかせるから、この女が調子に乗るんだよ。とにかくマーガレット嬢も、自分の置かれている状況を考えるべきだ!」
そう言うと、令息たちが去って行った。
“マーガレット、誰も君の味方はいない様だよ。いい加減僕を受け入れてほしい。これは君の為を思って言っているのだよ。そうだ、今度我が家に来てくれ。母上も君と一緒にウエディングドレス選びを楽しみにしているよ。いいかい、君がいくら僕を拒否しても、無駄なんだよ。いい加減無駄な事はやめるべきだね”
耳元でそう囁くと、笑顔でジェファーソン様は去って行った。
どうして…
どうして私がこんな思いをしないといけないの?私が一体どんな悪い事をしたと言うの?
悔しくて悲しくて胸が張り裂けそうで、そのまま馬車に乗り込んだ。もう嫌、貴族学院も学院の皆も、両親も誰もかれも嫌よ!
もう二度とこんな学院になんて来ない!貴族なんてまっぴらごめんよ!こんな理不尽な思いをするくらいなら、私はいっその事…
屋敷に着くと、そのまま部屋に閉じこもって泣いた。どうしようもない気持ちを一気に爆発させるように、声を上げて泣き続けたのだった。
※次回、ジェファーソン視点です。
よろしくお願いいたします。
私の元にやって来たのは、ジェファーソン様だ。
「いいえ、結構ですわ。それでは失礼いたします」
ペコリと頭を下げ、ジェファーソン様の元を去る。後ろで令息たちが
「せっかくジェファーソンが気にかけてくれているのに、性格の悪い女だな」
「ジェファーソンもあんな女が婚約者で可哀そうに」
と、私に対する暴言が聞こえるが、そっとしておいた。
どうして私がこんな目に合わないといけないのだろう。悔しくて1人校舎裏で涙を流す。でも、泣いていても始まらない。何とか2人の不貞行為の証拠を手に入れないと。
そんな思いから、翌日もその翌日も、毎日学院に通った。とにかく2人の不貞の証拠を掴みたい、そんな思いから、2人の後を付けたりしていたが、やはり警戒しているのか、2人で会うどころか、話しすらしていない様だ。
ただ、私の不審な姿が気に入らなかった令嬢に
「まだマリン様とジェファーソン様の仲を疑っているのですか?本当にしつこい女ね。そんな性格だから、友人の1人もいないのですわ」
「さすがに2人の後を付け回すだなんて、気持ち悪いですわ。マリン様、よくこんなのと友達でいましたわね。あまりにも酷いようでしたら、伯爵家に抗議文を出したらいかがですか?」
そう言われた。これ以上マリンたちを尾行するのは無理がある。やっぱりあの時、証拠を残せなかった私が悪いのね…
完全に孤立してしまった私は、ただただ辛い日々に耐えるしかない。そんな私を見たジェファーソン様が
「マーガレット、いつまで意地になっているのだい?いい加減僕を受け入れたらいいのに。独りぼっちは辛いだろう?君だって、もう僕たちが会っていない事くらいわかっているだろう?君は僕と結婚する道しか残っていないのだから、諦めた方がいい。さあ、僕と一緒に昼食を食べよう」
ジェファーソン様が笑顔で私に話しかけて来た。でも私は、どうしても彼の顔を見ると、あの時の姿が脳裏に浮かぶのだ。
「申し訳ございません、ジェファーソン様。私はやはり、あなたを受け入れる事はどうしても出来ないのです」
不貞を働いたあなたを、受け入れる事は出来ない。
「マーガレット嬢、ジェファーソンのどこがそんなに気にいらないんだよ。マリン譲と少し話をしただけで、ここまで拒絶するだなんて。こんな事は言いたくはないが、少し異常だぞ。一度医者に頭を見てもらった方がいいのじゃないのか?」
「おい、さすがにそれは言い過ぎだろう。でも、確かにマーガレット嬢って変わっているよな。俺ならとっくの昔に、婚約破棄しているところだよ。それなのにそれでも彼女に寄り添おうとするジェファーソンは、本当に尊敬するよ。マーガレット嬢、いくらジェファーソンが優しいからって、これ以上我が儘を言っていると、本当に大切な人を失うぞ」
令息たちが次々と私に意見をする。この人たちに何が分かるのよ!本当の2人の姿を知らないくせに。
「皆、マーガレットは繊細なところがあるんだよ。僕はどんなマーガレットも受け入れるつもりだ。それに僕は、絶対に婚約破棄をするつもりはない。マーガレット、後7ヶ月もすれば、僕たちは結婚するんだよ。それだけは絶対に変わらない事実なのだから…」
「ジェファーソンはすぐにそう言ってマーガレット嬢を甘やかせるから、この女が調子に乗るんだよ。とにかくマーガレット嬢も、自分の置かれている状況を考えるべきだ!」
そう言うと、令息たちが去って行った。
“マーガレット、誰も君の味方はいない様だよ。いい加減僕を受け入れてほしい。これは君の為を思って言っているのだよ。そうだ、今度我が家に来てくれ。母上も君と一緒にウエディングドレス選びを楽しみにしているよ。いいかい、君がいくら僕を拒否しても、無駄なんだよ。いい加減無駄な事はやめるべきだね”
耳元でそう囁くと、笑顔でジェファーソン様は去って行った。
どうして…
どうして私がこんな思いをしないといけないの?私が一体どんな悪い事をしたと言うの?
悔しくて悲しくて胸が張り裂けそうで、そのまま馬車に乗り込んだ。もう嫌、貴族学院も学院の皆も、両親も誰もかれも嫌よ!
もう二度とこんな学院になんて来ない!貴族なんてまっぴらごめんよ!こんな理不尽な思いをするくらいなら、私はいっその事…
屋敷に着くと、そのまま部屋に閉じこもって泣いた。どうしようもない気持ちを一気に爆発させるように、声を上げて泣き続けたのだった。
※次回、ジェファーソン視点です。
よろしくお願いいたします。
120
あなたにおすすめの小説
【完結】田舎暮らしを都会でしているの?と思ったらここはどうやら異世界みたいです。
まりぃべる
恋愛
私、春日凛。
24歳、しがない中小企業の会社員。
…だったはずなんだけど、いつの間にかアスファルトではなくて石畳の街並みに迷い込んでいたみたい。
病院じゃないの?
ここどこ?どうして?やっぱり私死んじゃったの!?
パン屋のおじさんとおばさんに拾ってもらって、異世界で生きていきます!
…そして、どうにかこうにかあって幸せになっちゃうお話です。
☆28話で完結です。もう出来てますので、随時更新していきます。
☆この国での世界観です。よろしくお願いします。
地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
我慢するだけの日々はもう終わりにします
風見ゆうみ
恋愛
「レンウィル公爵も素敵だけれど、あなたの婚約者も素敵ね」伯爵の爵位を持つ父の後妻の連れ子であるロザンヌは、私、アリカ・ルージーの婚約者シーロンをうっとりとした目で見つめて言った――。
学園でのパーティーに出席した際、シーロンからパーティー会場の入口で「今日はロザンヌと出席するから、君は1人で中に入ってほしい」と言われた挙げ句、ロザンヌからは「あなたにはお似合いの相手を用意しておいた」と言われ、複数人の男子生徒にどこかへ連れ去られそうになってしまう。
そんな私を助けてくれたのは、ロザンヌが想いを寄せている相手、若き公爵ギルバート・レンウィルだった。
※本編完結しましたが、番外編を更新中です。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。
りつ
恋愛
イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。
王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて……
※他サイトにも掲載しています
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました
【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~
Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。
だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと──
公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、
幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。
二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。
しかし、リリーベル十歳の誕生日。
嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、
リリーベルを取り巻く環境は一変する。
リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。
そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。
唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。
そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう……
そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は───
※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』
こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。
めちゃくちゃチートを発揮しています……
婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ
水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。
それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。
黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。
叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。
ですが、私は知らなかった。
黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。
残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる