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第10話:いつまでも意地を張っていても無駄なのに~ジェファーソン視点~
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屋敷に戻るとすぐに、執事がやって来た。
「坊ちゃま、先ほどカスタヌーン伯爵家の者が手紙を持ってまいりました」
「分かったよ、ありがとう」
きっとマリン嬢からの手紙だろう。彼女は僕の家に定期的に手紙を送って来るのだ。今までは密会する日時指定などの連絡だった。悪いがもう、彼女と体を交わすつもりはない。大切なマーガレットを傷つけてしまった今、これ以上マーガレットを裏切る事はしなくないのだ。
ただ、さすがにこのタイミングで、密会の連絡はないはずだ。そう思った僕は、すぐに手紙の内容を確認する。どうやら今後の対応について話し合いたいため、明日の早朝、校舎裏に来て欲しいと書かれていた。
確かにマリン譲とは、口裏を合わせておく必要があるだろう。そう思った僕は、翌日朝一に、学院の校舎裏へと向かった。すると、既にマリン嬢が来ていた。
「ジェファーソン様、わざわざお呼び立てしてごめんなさい。昨日の件で、ある程度話を詰めておいた方がいいと思いまして」
そう言ってにっこり笑ったマリン嬢。
「マリン嬢、君が僕を誘惑したせいで、マーガレットは深く傷ついた。昨日だって、婚約破棄したいと騒いで大変だったのだぞ。悪いがもう二度と、君に会うつもりはない。ただ…君とはある程度口裏を合わせておいた方がいいと思ったから、とりあえず来た。それで、君はどうしようと考えているのだい?」
あんな姿をマーガレットに見られたのだ。マーガレットは僕だけでなく、マリン嬢にも嫌悪感を抱いているに違いない。今まで仲が良かった2人が急によそよそしくなったら、周りも何か勘ぐるだろう。万が一僕とマリン嬢の不貞がバレたら…
そう考えると、気が気ではないのだ。
「落ち着いて下さい。マーガレットがギャーギャー騒ぐ前に、マーガレットを悪者にしてしまおうと考えているのです」
マリン嬢がニヤリと笑った。この女、何を言っているのだ?マーガレットを悪者にするだなんて…
「いいですか、ジェファーソン様、私たちはただ、マーガレットについて話をしていただけです。それなのにマーガレットが私たちに嫉妬して、私やジェファーソン様に一方的に暴言を吐いたと言う事にしましょう」
そんな事をしたら、マーガレットがもっと傷つく。それに、クラスメイトからの評判も、落ちてしまう。でも…
「マーガレットを悪者にする事で、誰もマーガレットの言う事を聞かなくなると言う事か。確かに今は、それしか方法がないかもしれないね。それに、マーガレットも孤立すれば、僕に頼ってくるかもしれないし…」
唯一の親友でもあるマリン嬢に裏切られ、さらに学院でも孤立して独りぼっちになったところで、僕が優しくしてあげれば、きっとマーガレットは今まで以上に僕に依存するだろう。そうなれば、僕たちの仲も深まり、一石二鳥という訳か。そもそもマーガレットには、僕さえいればいいとずっと思っていたんだ。
「それではそうしましょう。せっかくですから、今から愛し合いますか?」
何を思ったのか、僕に寄り添って来たマリン嬢。この女は一体何を考えているのだ!
「マリン嬢、いい加減にしてくれ。僕が愛しているのは、マーガレットただ1人だ。とにかくしばらくは、もう君とは関わらないから!」
「あら、そうなのですね。それは残念。それじゃあ、ほとぼりが冷めたら、また密会しましょう。それでは後程」
マリン嬢が笑顔で去っていった。そしてマリン嬢は、完璧な演技でマーガレットを悪者に仕立て上げたのだ。その結果、マーガレットは完全に孤立してしまった。
僕は孤立したマーガレットに寄り添い、信用を回復しようと努めるが
「申し訳ございませんが、もう私に構わないで下さい」
そう言ってあしらわれるのだ。僕をあしらえばあしらうほど、マーガレットの評判は落ちていく。さらに僕とマリン嬢の不貞の証拠を掴もうとしているのか、よく僕たちを尾行している。そんな事をしても無駄なのに。もう僕たちは会っていないのだから。
毎日令嬢や令息たちから陰口をたたかれ、無視されて1人寂しく過ごすマーガレットの姿を見ていると、胸が痛む。
いい加減僕を受け入れてくれたら、マーガレットも楽になるのに。何度そう伝えても、頑なに僕を拒絶するのだ。
本当に頑固な子だな…
どんなに僕を拒絶しても、絶対に婚約破棄なんて出来ないのに。いずれ僕と結婚する運命なら、辛い思いをせずに僕を受け入れればいいだけだ。
でも…本人が僕を受け入れたくないと抵抗するなら仕方がない。きっとマーガレットもそのうち気が付くだろう。
自分にはもう、僕しかいないという事を。素直に僕を受け入れた暁には、全身全霊でマーガレットを可愛がってあげよう。
マーガレット、僕はずっと君が僕の元に来るのを待っているよ。どうせ僕から逃げられないのだから、いい加減素直になってくれ。
君が心から安らげる場所は、もうここしかないのだから…
※次回、マーガレット視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
「坊ちゃま、先ほどカスタヌーン伯爵家の者が手紙を持ってまいりました」
「分かったよ、ありがとう」
きっとマリン嬢からの手紙だろう。彼女は僕の家に定期的に手紙を送って来るのだ。今までは密会する日時指定などの連絡だった。悪いがもう、彼女と体を交わすつもりはない。大切なマーガレットを傷つけてしまった今、これ以上マーガレットを裏切る事はしなくないのだ。
ただ、さすがにこのタイミングで、密会の連絡はないはずだ。そう思った僕は、すぐに手紙の内容を確認する。どうやら今後の対応について話し合いたいため、明日の早朝、校舎裏に来て欲しいと書かれていた。
確かにマリン譲とは、口裏を合わせておく必要があるだろう。そう思った僕は、翌日朝一に、学院の校舎裏へと向かった。すると、既にマリン嬢が来ていた。
「ジェファーソン様、わざわざお呼び立てしてごめんなさい。昨日の件で、ある程度話を詰めておいた方がいいと思いまして」
そう言ってにっこり笑ったマリン嬢。
「マリン嬢、君が僕を誘惑したせいで、マーガレットは深く傷ついた。昨日だって、婚約破棄したいと騒いで大変だったのだぞ。悪いがもう二度と、君に会うつもりはない。ただ…君とはある程度口裏を合わせておいた方がいいと思ったから、とりあえず来た。それで、君はどうしようと考えているのだい?」
あんな姿をマーガレットに見られたのだ。マーガレットは僕だけでなく、マリン嬢にも嫌悪感を抱いているに違いない。今まで仲が良かった2人が急によそよそしくなったら、周りも何か勘ぐるだろう。万が一僕とマリン嬢の不貞がバレたら…
そう考えると、気が気ではないのだ。
「落ち着いて下さい。マーガレットがギャーギャー騒ぐ前に、マーガレットを悪者にしてしまおうと考えているのです」
マリン嬢がニヤリと笑った。この女、何を言っているのだ?マーガレットを悪者にするだなんて…
「いいですか、ジェファーソン様、私たちはただ、マーガレットについて話をしていただけです。それなのにマーガレットが私たちに嫉妬して、私やジェファーソン様に一方的に暴言を吐いたと言う事にしましょう」
そんな事をしたら、マーガレットがもっと傷つく。それに、クラスメイトからの評判も、落ちてしまう。でも…
「マーガレットを悪者にする事で、誰もマーガレットの言う事を聞かなくなると言う事か。確かに今は、それしか方法がないかもしれないね。それに、マーガレットも孤立すれば、僕に頼ってくるかもしれないし…」
唯一の親友でもあるマリン嬢に裏切られ、さらに学院でも孤立して独りぼっちになったところで、僕が優しくしてあげれば、きっとマーガレットは今まで以上に僕に依存するだろう。そうなれば、僕たちの仲も深まり、一石二鳥という訳か。そもそもマーガレットには、僕さえいればいいとずっと思っていたんだ。
「それではそうしましょう。せっかくですから、今から愛し合いますか?」
何を思ったのか、僕に寄り添って来たマリン嬢。この女は一体何を考えているのだ!
「マリン嬢、いい加減にしてくれ。僕が愛しているのは、マーガレットただ1人だ。とにかくしばらくは、もう君とは関わらないから!」
「あら、そうなのですね。それは残念。それじゃあ、ほとぼりが冷めたら、また密会しましょう。それでは後程」
マリン嬢が笑顔で去っていった。そしてマリン嬢は、完璧な演技でマーガレットを悪者に仕立て上げたのだ。その結果、マーガレットは完全に孤立してしまった。
僕は孤立したマーガレットに寄り添い、信用を回復しようと努めるが
「申し訳ございませんが、もう私に構わないで下さい」
そう言ってあしらわれるのだ。僕をあしらえばあしらうほど、マーガレットの評判は落ちていく。さらに僕とマリン嬢の不貞の証拠を掴もうとしているのか、よく僕たちを尾行している。そんな事をしても無駄なのに。もう僕たちは会っていないのだから。
毎日令嬢や令息たちから陰口をたたかれ、無視されて1人寂しく過ごすマーガレットの姿を見ていると、胸が痛む。
いい加減僕を受け入れてくれたら、マーガレットも楽になるのに。何度そう伝えても、頑なに僕を拒絶するのだ。
本当に頑固な子だな…
どんなに僕を拒絶しても、絶対に婚約破棄なんて出来ないのに。いずれ僕と結婚する運命なら、辛い思いをせずに僕を受け入れればいいだけだ。
でも…本人が僕を受け入れたくないと抵抗するなら仕方がない。きっとマーガレットもそのうち気が付くだろう。
自分にはもう、僕しかいないという事を。素直に僕を受け入れた暁には、全身全霊でマーガレットを可愛がってあげよう。
マーガレット、僕はずっと君が僕の元に来るのを待っているよ。どうせ僕から逃げられないのだから、いい加減素直になってくれ。
君が心から安らげる場所は、もうここしかないのだから…
※次回、マーガレット視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
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