婚約者と親友に裏切られた伯爵令嬢は侯爵令息に溺愛される

Karamimi

文字の大きさ
19 / 55

第19話:波乱のパーティーは無事終わりました

しおりを挟む
「俺は当たり前の事をしただけだよ。急にパーティーに呼び出されて、婚約者の不貞を知ったら、ショックも大きいだろう。ただ、事前に話されてもショックは大きいだろうけれどね。実際に、ショックで寝込んでしまい、今回欠席している令嬢も数名いる。それでも俺は、彼女たちには真実を知る権利があると考えたんだ」

「私はローイン様のお陰で、今回無事ジェファーソン様と婚約破棄が出来ました。それにマリンにも、きちんと罪を償ってもらえそうですし。あなた様は、まさに私を助けて下さった王子様ですわ」

「マーガレット様の言う通りです。不貞行為を働くような鬼畜から、私たちを解放してくださり、ありがとうございました」

「「「「ありがとうございました」」」」

被害令嬢たちが、一斉にローイン様に頭を下げた。もちろん、私も一緒に頭を下げる。

「マーガレット様、私たちがこんな事を言える立場ではありませんが、もしマーガレット様さえよければ、仲良くしてくださると嬉しいですわ」

「私もですわ。でも、あなたを一方的に悪者にした私たちとなんて、仲良くしたくはないですよね…」

申し訳なさそうに呟く、令嬢たち。

「そんな事はありませんわ。皆様はマリンに騙された被害者なのですから。それに、今謝罪してくださったではありませんか。それが私はとても嬉しいのです。私こそ、仲良くしてくださると嬉しいですわ。よろしくお願いいたします」

「あんな酷い事をした私たちを、あっさり許してくださるだなんて。本当に私たちの目は、節穴だったのですね。あの時の愚かな自分が、恥ずかしくてたまりませんわ。マーガレット様、これからも末永くよろしくお願いいたします」

「私もですわ。どうか仲良くしてくださいね」

令嬢たちの顔から笑顔が溢れた。これからはきっと、彼女たちと残り少ない学院ライフを楽しめるはず。そう思ったら、なんだかワクワクしてきた。

その後少しだけ被害女性でもある令嬢たちと話をした後、私たちも帰る事になった。

「ローイン様、今日は本当にありがとうございました。あなた様は娘の恩人です」

帰り際、ローイン様の手を握り、何度も何度も頭を下げるお父様。

「アディナス伯爵、どうか頭をお上げください。俺は当たり前の事をしただけですから…それよりも、ここまで被害が大きくなる前に止められなかったこと、申し訳なく思っております。それから、マーガレット嬢の件、前向きに検討して頂けると。もちろん、婚約者と親友に裏切られ、身も心もボロボロのマーガレット嬢のケアを最優先にして頂く必要はあるでしょうが。その…」

「もちろんです!まさかローイン殿がマーガレットに好意を抱いて下さっているだなんて。あなた様ならきっと、マーガレットを幸せにして下さると信じております。詳しいお話は後日行いましょう。それでは私共は、これで失礼いたします」

ローイン様やローイン様のご両親に見送られ、馬車に乗り込んだ。笑顔で手を振ってくれるローイン様に、私も笑顔で手を振り返した。

「マーガレット、今回の件、本当に申し訳なかった。まさかジェファーソン殿があんなふしだらな男だっただなんて」

「あなたは嘘を付くような子ではないのに、あなたの言う事を信じてあげられなくて本当にごめんなさい。私は母親失格だわ」

「それを言うなら、私も父親失格だ。本当に自分が情けなくて嫌になる」

ものすごく申し訳なさそうに俯くお父様とお母様。

「2人とも、顔を上げて下さい。もういいのです。お父様、私の為にマリンやその家族に意見してくださり、ありがとうございました。お母様も、私の為に涙を流してくれて。私、本当に嬉しかったのです。ですから、どうかもうご自分を責めないで」

「マーガレット…なんて優しい子なんだ」

「こんな優しい子に、私たちは…」

再び両親がポロポロと涙を流したのだ。

「お父様もお母様も、もう気にしないで下さい。ほら、屋敷に着きましたよ。参りましょう」

両親と一緒に馬車を降りると、リリアンが心配そうな顔で待っていた。

「リリアン、心配をかけてごめんね。実は今日、ローイン様がマリンとジェファーソン様の不貞行為を暴いて下さって。他にもマリンは、色々な令息と関係を持っていた様なの」

「グランディス侯爵令息様がでございますか?それでは全てが明るみになったのですね。被害者でもあるお嬢様が修道院だなんて、どうしても私は納得いかなかったのです。本当によかったですわ」

涙を流してリリアンが喜んでいる。

「リリアン、あなたはずっとマーガレットの事を信じ、支えてくれていたと聞いたよ。本当にありがとう。本来私達こそが、マーガレットを信じてやらなければいけなかったのに…」

「本当にリリアンには感謝してもしきれないわ。これからもマーガレットを支えてあげて頂戴ね」

「はい、もちろんですわ。これからも私がしっかりお嬢様を支えさせていただきますわ」

リリアンが嬉しそうに微笑んでいる。リリアンには本当に色々と心配をかけたから、いい報告が出来て本当によかった。

いつまでも泣いてなんていられない。私もローイン様の様に、新しい自分に生まれ変われる様、また明日から頑張ろう。


※次回、ローイン視点です。
よろしくお願いいたします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】田舎暮らしを都会でしているの?と思ったらここはどうやら異世界みたいです。

まりぃべる
恋愛
私、春日凛。 24歳、しがない中小企業の会社員。 …だったはずなんだけど、いつの間にかアスファルトではなくて石畳の街並みに迷い込んでいたみたい。 病院じゃないの? ここどこ?どうして?やっぱり私死んじゃったの!? パン屋のおじさんとおばさんに拾ってもらって、異世界で生きていきます! …そして、どうにかこうにかあって幸せになっちゃうお話です。 ☆28話で完結です。もう出来てますので、随時更新していきます。 ☆この国での世界観です。よろしくお願いします。

地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

我慢するだけの日々はもう終わりにします

風見ゆうみ
恋愛
「レンウィル公爵も素敵だけれど、あなたの婚約者も素敵ね」伯爵の爵位を持つ父の後妻の連れ子であるロザンヌは、私、アリカ・ルージーの婚約者シーロンをうっとりとした目で見つめて言った――。 学園でのパーティーに出席した際、シーロンからパーティー会場の入口で「今日はロザンヌと出席するから、君は1人で中に入ってほしい」と言われた挙げ句、ロザンヌからは「あなたにはお似合いの相手を用意しておいた」と言われ、複数人の男子生徒にどこかへ連れ去られそうになってしまう。 そんな私を助けてくれたのは、ロザンヌが想いを寄せている相手、若き公爵ギルバート・レンウィルだった。 ※本編完結しましたが、番外編を更新中です。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※独特の世界観です。 ※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

【完結】愛してるなんて言うから

空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」  婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。  婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。 ――なんだそれ。ふざけてんのか。  わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。 第1部が恋物語。 第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ! ※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。  苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。

氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。

りつ
恋愛
 イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。  王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて…… ※他サイトにも掲載しています ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました

【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~

Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。 だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと── 公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、 幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。 二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。 しかし、リリーベル十歳の誕生日。 嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、 リリーベルを取り巻く環境は一変する。 リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。 そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。 唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。 そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう…… そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は─── ※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』 こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。 めちゃくちゃチートを発揮しています……

婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ

水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。 それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。 黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。 叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。 ですが、私は知らなかった。 黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。 残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?

【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」 高らかに宣言された婚約破棄の言葉。 ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。 でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか? ********* 以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。 内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。

処理中です...