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第29話:高貴な身分の方たちが…
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翌日、久しぶりに制服に袖を通し、貴族学院へと向かう。
「お嬢様、大丈夫ですか?あのような事件があった後ですし、お嬢様が好奇な目で見られるかもしれません。しばらく学院をお休みされた方がよろしいのではないですか?」
リリアンが心配そうに話しかけて来た。
「心配してくれてありがとう、リリアン。でも、大丈夫よ。だって私を含めた15名もの令嬢が被害にあっているのですもの。それにあのパーティーで、令嬢たちからも謝罪を受けたし。ローイン様もいらっしゃるし」
被害者は私だけではない。特に私のクラスは被害者が飛びぬけて多いと、お父様が言っていた。もちろん、不貞を働いた令息も多いらしいが…
「お嬢様がそうおっしゃるのでしたら…もし辛かったら、すぐにお戻りになってください」
相変わらず心配性のリリアン。でも、それだけ私を大切にしてくれていると言う事だろう。彼女だけが、私の言う事を信じてくれた大切な人なのだ。
「ありがとう、それじゃあ、行ってくるわね」
玄関に向かうと
「よかった、今あなたを呼びに行こうと思っていたところなの。ローイン様がわざわざお迎えに来てくださったわよ。もしかしたら、あなたが学院に行き辛いのではないかと、気を使って下さった様で」
「ローイン様が?」
ふと玄関の方に目をやると、確かにローイン様が待っていた。
「マーガレット嬢、おはよう。迷惑かとも思ったのだけれど、君はずっと学院を休んでいただろう。だから、もしかしたら来にくいかと思って…」
少し恥ずかしそうに、ローイン様が呟いた。どうやら私の事を、心配してきてくれた様だ。優しいのね。
「おはようございます、ローイン様。わざわざお迎えに来てくださったのですね。ありがとうございます。ローイン様が一緒だと心強いですわ」
「それは良かった。それじゃあ、行こうか」
すっとローイン様が手を差し出してくれた。きっとエスコートしてくれるつもりだろう。せっかくなので、ローイン様の手を握る。ジェファーソン様以外の殿方の手を握るなんて、初めてだわ。なんだか緊張する。
満面の笑みを浮かべた家族に見守られながら、馬車に乗り込んだ。
「昨日は伯爵以上の貴族には全て状況を話したから、学院も大騒ぎになっていると思う。特に君のクラスに被害令嬢も不貞を働いた令息も集結しているから、色々と好奇な目で見られることもあるかもしれない。先日も話したように、俺は君の事が好きだ。今まで君が苦しんでいる時に、守れなかったのか悔しくて辛くてたまらなかった。だからどうか今日からは、君を守る権利を俺に与えて欲しい」
美しいローイン様の瞳が、まっすぐ私を見つめる。その瞳はどこか不安げだ。
「私はこう見えてタフな方なので、大丈夫ですわ。誤解も解けましたし、クラス令嬢たちとも打ち解けましたので。ただ、ローイン様の気持ちはとても嬉しいです。もしまた何かあった時は、よろしくお願いします」
多少好奇な目で見られるくらいなら問題ない。そもそも、私以外にも被害者はたくさんいるのだから。ローイン様は本当にお優しい方だ。それに私、あの美しい瞳で見つめられると、胸がドキドキするのだ。
「もちろん、何もなくても君の傍で君を守るよ。俺の事は番犬みたいに思ってもらっていたらいいから」
番犬…さすがにそんな風には思えない。それでも彼の気持ちは素直に嬉しい。
「学院に着いた様だね。行こうか」
ゆっくり馬車から降りると、皆が一斉にこちらを振り向いた。今回不貞を暴いたローイン様と、被害女性の1人、私が一緒に降りて来たのだから当然と言えば当然か。
まてよ、私たちがこんな風に降りてきたら、周りから私たちも不貞を働いていたなんて変な噂が流れないかしら?もしそんな事になったら、ローイン様に申し訳ないわ。
1人アタフタしていると
「おはよう、ローイン、マーガレット嬢。先日は色々と大変だったね」
「おはようございます、ローイン様、マーガレット様。早速2人で登校ですか?」
笑顔で迎えて下さったのは、ノエル殿下とサラ様だ。高貴なご身分の方が、私に話しかけている。一瞬気が遠くのなるを必死に抑える。
「おはようございます。ノエル殿下、サラ様。あの…その…これには…」
「ローイン様が断罪を行った後、マーガレット様に愛の告白をされたのは、有名な話ですもの。それにマーガレット様は今回誰よりも傷つき、苦しんだのですから。どうか次は幸せになって欲しいと、誰もが思っておりますわ。もちろん、ローイン様と」
「サラ、遠回しにローインとの結婚話を進めるのは良くないよ。ただ、ローインはずっと君の気持ちを封印していたからね。僕はずっと、ローインを傍で見て来たから。マーガレット嬢、君には感謝しているのだよ。あの時ローインの心を開いてくれたから、僕とローインは友達になれたんだ。僕もローインの瞳、とても素敵だし羨ましいと思っているのだよ」
「まあ、ノエル殿下もですか?ローイン様の瞳は、本当に美しいですよね。て、申し訳ございません。馴れ馴れしく話してしまって」
急いで殿下に頭を下げた。
「お嬢様、大丈夫ですか?あのような事件があった後ですし、お嬢様が好奇な目で見られるかもしれません。しばらく学院をお休みされた方がよろしいのではないですか?」
リリアンが心配そうに話しかけて来た。
「心配してくれてありがとう、リリアン。でも、大丈夫よ。だって私を含めた15名もの令嬢が被害にあっているのですもの。それにあのパーティーで、令嬢たちからも謝罪を受けたし。ローイン様もいらっしゃるし」
被害者は私だけではない。特に私のクラスは被害者が飛びぬけて多いと、お父様が言っていた。もちろん、不貞を働いた令息も多いらしいが…
「お嬢様がそうおっしゃるのでしたら…もし辛かったら、すぐにお戻りになってください」
相変わらず心配性のリリアン。でも、それだけ私を大切にしてくれていると言う事だろう。彼女だけが、私の言う事を信じてくれた大切な人なのだ。
「ありがとう、それじゃあ、行ってくるわね」
玄関に向かうと
「よかった、今あなたを呼びに行こうと思っていたところなの。ローイン様がわざわざお迎えに来てくださったわよ。もしかしたら、あなたが学院に行き辛いのではないかと、気を使って下さった様で」
「ローイン様が?」
ふと玄関の方に目をやると、確かにローイン様が待っていた。
「マーガレット嬢、おはよう。迷惑かとも思ったのだけれど、君はずっと学院を休んでいただろう。だから、もしかしたら来にくいかと思って…」
少し恥ずかしそうに、ローイン様が呟いた。どうやら私の事を、心配してきてくれた様だ。優しいのね。
「おはようございます、ローイン様。わざわざお迎えに来てくださったのですね。ありがとうございます。ローイン様が一緒だと心強いですわ」
「それは良かった。それじゃあ、行こうか」
すっとローイン様が手を差し出してくれた。きっとエスコートしてくれるつもりだろう。せっかくなので、ローイン様の手を握る。ジェファーソン様以外の殿方の手を握るなんて、初めてだわ。なんだか緊張する。
満面の笑みを浮かべた家族に見守られながら、馬車に乗り込んだ。
「昨日は伯爵以上の貴族には全て状況を話したから、学院も大騒ぎになっていると思う。特に君のクラスに被害令嬢も不貞を働いた令息も集結しているから、色々と好奇な目で見られることもあるかもしれない。先日も話したように、俺は君の事が好きだ。今まで君が苦しんでいる時に、守れなかったのか悔しくて辛くてたまらなかった。だからどうか今日からは、君を守る権利を俺に与えて欲しい」
美しいローイン様の瞳が、まっすぐ私を見つめる。その瞳はどこか不安げだ。
「私はこう見えてタフな方なので、大丈夫ですわ。誤解も解けましたし、クラス令嬢たちとも打ち解けましたので。ただ、ローイン様の気持ちはとても嬉しいです。もしまた何かあった時は、よろしくお願いします」
多少好奇な目で見られるくらいなら問題ない。そもそも、私以外にも被害者はたくさんいるのだから。ローイン様は本当にお優しい方だ。それに私、あの美しい瞳で見つめられると、胸がドキドキするのだ。
「もちろん、何もなくても君の傍で君を守るよ。俺の事は番犬みたいに思ってもらっていたらいいから」
番犬…さすがにそんな風には思えない。それでも彼の気持ちは素直に嬉しい。
「学院に着いた様だね。行こうか」
ゆっくり馬車から降りると、皆が一斉にこちらを振り向いた。今回不貞を暴いたローイン様と、被害女性の1人、私が一緒に降りて来たのだから当然と言えば当然か。
まてよ、私たちがこんな風に降りてきたら、周りから私たちも不貞を働いていたなんて変な噂が流れないかしら?もしそんな事になったら、ローイン様に申し訳ないわ。
1人アタフタしていると
「おはよう、ローイン、マーガレット嬢。先日は色々と大変だったね」
「おはようございます、ローイン様、マーガレット様。早速2人で登校ですか?」
笑顔で迎えて下さったのは、ノエル殿下とサラ様だ。高貴なご身分の方が、私に話しかけている。一瞬気が遠くのなるを必死に抑える。
「おはようございます。ノエル殿下、サラ様。あの…その…これには…」
「ローイン様が断罪を行った後、マーガレット様に愛の告白をされたのは、有名な話ですもの。それにマーガレット様は今回誰よりも傷つき、苦しんだのですから。どうか次は幸せになって欲しいと、誰もが思っておりますわ。もちろん、ローイン様と」
「サラ、遠回しにローインとの結婚話を進めるのは良くないよ。ただ、ローインはずっと君の気持ちを封印していたからね。僕はずっと、ローインを傍で見て来たから。マーガレット嬢、君には感謝しているのだよ。あの時ローインの心を開いてくれたから、僕とローインは友達になれたんだ。僕もローインの瞳、とても素敵だし羨ましいと思っているのだよ」
「まあ、ノエル殿下もですか?ローイン様の瞳は、本当に美しいですよね。て、申し訳ございません。馴れ馴れしく話してしまって」
急いで殿下に頭を下げた。
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