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第31話:どうして私が…~マリン視点~
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桃色のフワフワの髪に大きな水色の瞳、整った顔立ち。可愛らしい顔に人懐っこい性格の私は、いつもたくさんの令息たちに囲まれてきた。両親からの寵愛もうけ、伯爵令嬢として何不自由ない生活を送っていたのだが…
なんだか物足りない。日々物足りなさを抱きながら生きて来たのだ。それでも伯爵令嬢として、それなりに生きて来た私は、貴族学院へと入学した。持ち前の愛くるしい顔と、人懐っこい性格から、一気にクラスの人気者になった。そんな中出会ったのが、マーガレットだった。
顔は整っているものの、性格は暗くいつも他の令嬢や令息と一線を置いている感じがした。私の引き立て役にちょうどいいわ、そう思いマーガレットに近づく事にしたのだ。
ただ、私の前にはマーガレットの婚約者でもあるジェファーソン様が立ちはだかった。どうやらマーガレットに執着しているジェファーソン様が、自分以外の人間をマーガレットに寄せ付けなくしていた様なのだ。
そういえば昔のマーガレットは、どちらかというと明るい性格だった気がする。何度かお茶会で一緒になった事があったから、何となく覚えていたのだ。
なるほど、この男に縛りあげられ、束縛され続ける間に、いつの間にかマーガレットは根暗になってしまったと言う訳ね。ただ、当のマーガレットは、その事に気が付いていない様だ。
現に
“私は昔から人見知りだったの。だからマリンがお友達になってくれて嬉しいわ”
なんて言っていた。この子、自分の元の性格も理解できていないおバカ者なのね。でも、バカな方がちょうどいいわ。
それからというもの、私はマーガレットと一緒にいる様になった。ただ、その事を面白く思っていないのが、ジェファーソン様だ。私がマーガレットと一緒にいるのを、ことごとく邪魔をしようとしてくるのだ。
1人の女に執着する男ほど、見苦しいものはない。はっきり言ってジェファーソン様はうざかったが、マーガレット自身は素直で居心地がいいので、彼女の友人を続けた。
それにしても、貴族学院にはたくさんの令息が通っているのね。クラスの令息を観察しているうちに、私はある事に気が付いたのだ。可愛らしい私を、いやらしい目で見る令息の視線を。本来なら不快に感じるのだが、なぜか無性に興奮した。
我慢できなくなった私は、一番よく私の事を見ていた令息を誘ったのだ。最初は戸惑っていた令息だったが、最終的には受けれいたのだ。初めて触れる生身の令息の体…そうだわ、私が求めていたのは、この感覚よ。
我が国では婚姻前の行為はタブー視されている。もちろん、婚約者以外との行為もだ。でも、バレなければ大丈夫。それに私たちは、遊びだもの。
一度味わった快楽を忘れる事が出来なかった私を、もう誰も止められない。同じクラスの令息たちと関係を持って行った。
そんな中、侯爵令息のローイン様と婚約を結ぶことになった。彼はこの国では珍しい、瞳の色が左右違う変な人。それでも彼は、侯爵家の嫡男、その上、第三王子のノエル殿下とも仲が良い。これで私の格も、さらに上がるわ。
せっかくなら、ノエル殿下とも…そう思ったのだが、さすが王族、私の誘いに乗る事はなかった。下手に高貴な身分の人に手を出して、バレては大変。そう思い、やはり同じクラスの令息、特に伯爵令息を中心に関係を持った。
そんな中、マーガレットの婚約者、ジェファーソン様に令息との密会を見られてしまったのだ。ただ、あの男もやっぱり男、あっさり私の体の虜になった。あれほどマーガレットを愛していると言っていたのに…やっぱりあんな根暗よりも、私の方がいいのね。
その後も快楽を求め続けた私は、途中マーガレットにバレてしまうという失態を犯してしまったが、逆におバカなマーガレットを陥れてやった。本当にバカな女。親友と思っていた私と婚約者に裏切られ、クラスの皆から避けられ、ついには学院に来なくなってしまった。
少し可哀そうとも思ったが、おバカなマーガレットのくせに、私に意見したのが悪いのよ。
全て上手くいっていると思っていた。それなのに…
あの日、私は地獄へと叩き落された。ローイン様によって、私の不貞は明るみに出たのだ。ローイン様からは婚約破棄、関係を持っていた令息たちの婚約者の家からは多額の慰謝料、さらにマーガレットの家からは名誉棄損と侮辱罪の罪で裁判を起こされたのだ。
「マリン、お前はなんて事をしてくれたのだ!こんな金額の慰謝料を払える訳がない。伯爵家はおしまいだ!」
「本当に育て方を間違えてしまったわ。全部私の責任よ…」
お父様は怒りと絶望に打ちひしがれ、お母様はショックで寝込んでしまった。さらに連日、貴族たちから抗議の手紙が大量に送られてくるのだ。中には直接文句を言いに来る貴族もいる。
あまりの数に、さすがのお父様も倒れてしまった。使用人たちも次々といなくなった。そして私は、マーガレットの父親が起こした裁判で、有罪判決を受けたのだ。
有罪になる事は覚悟していた。でも、一番辛かったのが…
「あれが沢山の令息に手を出した、悪女ですのね。本当に気持ち悪い女…見ただけで吐き気がしますわ…」
「裁判官、この国の秩序を乱したこの女を、即刻処刑すべきだ」
「こんな女を育てたカスタヌーン伯爵家も根絶やしにしろ」
そう、私や私の家族に対する酷い暴言の数々。中にはゴミなどを投げてくる人々もいたのだ。どうして私がこんな目に…
有罪になった私は、そのまま収容所へと向かう事になった。ボロボロの服を着せられ、手錠を付けられ荷物の荷台へと乗せられた。
ここにも私を見に来た貴族たちに罵声を浴びせ掛けられ、ゴミを投げられた。この後私が向かうのは、まさにこの世に地獄。生きられて数年と言われる過酷な場所だ。そこで一生人間以下の生活を受ける。
どうして…
ちょっと令息に手を出しただけなのに、どうしてこんな目に合わないといけないの…
窓もない暗い荷台の中で、絶望の涙を流すのだった。
※次回、ジェファーソン視点です。
よろしくお願いいたします。
なんだか物足りない。日々物足りなさを抱きながら生きて来たのだ。それでも伯爵令嬢として、それなりに生きて来た私は、貴族学院へと入学した。持ち前の愛くるしい顔と、人懐っこい性格から、一気にクラスの人気者になった。そんな中出会ったのが、マーガレットだった。
顔は整っているものの、性格は暗くいつも他の令嬢や令息と一線を置いている感じがした。私の引き立て役にちょうどいいわ、そう思いマーガレットに近づく事にしたのだ。
ただ、私の前にはマーガレットの婚約者でもあるジェファーソン様が立ちはだかった。どうやらマーガレットに執着しているジェファーソン様が、自分以外の人間をマーガレットに寄せ付けなくしていた様なのだ。
そういえば昔のマーガレットは、どちらかというと明るい性格だった気がする。何度かお茶会で一緒になった事があったから、何となく覚えていたのだ。
なるほど、この男に縛りあげられ、束縛され続ける間に、いつの間にかマーガレットは根暗になってしまったと言う訳ね。ただ、当のマーガレットは、その事に気が付いていない様だ。
現に
“私は昔から人見知りだったの。だからマリンがお友達になってくれて嬉しいわ”
なんて言っていた。この子、自分の元の性格も理解できていないおバカ者なのね。でも、バカな方がちょうどいいわ。
それからというもの、私はマーガレットと一緒にいる様になった。ただ、その事を面白く思っていないのが、ジェファーソン様だ。私がマーガレットと一緒にいるのを、ことごとく邪魔をしようとしてくるのだ。
1人の女に執着する男ほど、見苦しいものはない。はっきり言ってジェファーソン様はうざかったが、マーガレット自身は素直で居心地がいいので、彼女の友人を続けた。
それにしても、貴族学院にはたくさんの令息が通っているのね。クラスの令息を観察しているうちに、私はある事に気が付いたのだ。可愛らしい私を、いやらしい目で見る令息の視線を。本来なら不快に感じるのだが、なぜか無性に興奮した。
我慢できなくなった私は、一番よく私の事を見ていた令息を誘ったのだ。最初は戸惑っていた令息だったが、最終的には受けれいたのだ。初めて触れる生身の令息の体…そうだわ、私が求めていたのは、この感覚よ。
我が国では婚姻前の行為はタブー視されている。もちろん、婚約者以外との行為もだ。でも、バレなければ大丈夫。それに私たちは、遊びだもの。
一度味わった快楽を忘れる事が出来なかった私を、もう誰も止められない。同じクラスの令息たちと関係を持って行った。
そんな中、侯爵令息のローイン様と婚約を結ぶことになった。彼はこの国では珍しい、瞳の色が左右違う変な人。それでも彼は、侯爵家の嫡男、その上、第三王子のノエル殿下とも仲が良い。これで私の格も、さらに上がるわ。
せっかくなら、ノエル殿下とも…そう思ったのだが、さすが王族、私の誘いに乗る事はなかった。下手に高貴な身分の人に手を出して、バレては大変。そう思い、やはり同じクラスの令息、特に伯爵令息を中心に関係を持った。
そんな中、マーガレットの婚約者、ジェファーソン様に令息との密会を見られてしまったのだ。ただ、あの男もやっぱり男、あっさり私の体の虜になった。あれほどマーガレットを愛していると言っていたのに…やっぱりあんな根暗よりも、私の方がいいのね。
その後も快楽を求め続けた私は、途中マーガレットにバレてしまうという失態を犯してしまったが、逆におバカなマーガレットを陥れてやった。本当にバカな女。親友と思っていた私と婚約者に裏切られ、クラスの皆から避けられ、ついには学院に来なくなってしまった。
少し可哀そうとも思ったが、おバカなマーガレットのくせに、私に意見したのが悪いのよ。
全て上手くいっていると思っていた。それなのに…
あの日、私は地獄へと叩き落された。ローイン様によって、私の不貞は明るみに出たのだ。ローイン様からは婚約破棄、関係を持っていた令息たちの婚約者の家からは多額の慰謝料、さらにマーガレットの家からは名誉棄損と侮辱罪の罪で裁判を起こされたのだ。
「マリン、お前はなんて事をしてくれたのだ!こんな金額の慰謝料を払える訳がない。伯爵家はおしまいだ!」
「本当に育て方を間違えてしまったわ。全部私の責任よ…」
お父様は怒りと絶望に打ちひしがれ、お母様はショックで寝込んでしまった。さらに連日、貴族たちから抗議の手紙が大量に送られてくるのだ。中には直接文句を言いに来る貴族もいる。
あまりの数に、さすがのお父様も倒れてしまった。使用人たちも次々といなくなった。そして私は、マーガレットの父親が起こした裁判で、有罪判決を受けたのだ。
有罪になる事は覚悟していた。でも、一番辛かったのが…
「あれが沢山の令息に手を出した、悪女ですのね。本当に気持ち悪い女…見ただけで吐き気がしますわ…」
「裁判官、この国の秩序を乱したこの女を、即刻処刑すべきだ」
「こんな女を育てたカスタヌーン伯爵家も根絶やしにしろ」
そう、私や私の家族に対する酷い暴言の数々。中にはゴミなどを投げてくる人々もいたのだ。どうして私がこんな目に…
有罪になった私は、そのまま収容所へと向かう事になった。ボロボロの服を着せられ、手錠を付けられ荷物の荷台へと乗せられた。
ここにも私を見に来た貴族たちに罵声を浴びせ掛けられ、ゴミを投げられた。この後私が向かうのは、まさにこの世に地獄。生きられて数年と言われる過酷な場所だ。そこで一生人間以下の生活を受ける。
どうして…
ちょっと令息に手を出しただけなのに、どうしてこんな目に合わないといけないの…
窓もない暗い荷台の中で、絶望の涙を流すのだった。
※次回、ジェファーソン視点です。
よろしくお願いいたします。
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