婚約者と親友に裏切られた伯爵令嬢は侯爵令息に溺愛される

Karamimi

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第39話:皆大変です

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これ以上ジェファーソン様と話をする気にもなれず、急いで教室から出ていこうとしたのだが。

「待ってくれ。頼む、一度きちんと話をしよう。僕たち、婚約してからずっと仲良くしてきたではないか?確かに君を裏切ってしまったが、それでも僕たちは深い絆で結ばれているのだよ」

深い絆ですって?

「その絆をあっさり切り捨てたのは、あなた様でしょう。よりにもよって、マリンに手を出すだなんて。申し訳ありませんが、あなた様を見ると、マリンと愛し合っている姿を思い出し、吐き気がするのです。それから、気安く私に触らないで下さい。もう私は、あなた様の婚約者でもなんでもないのですから」

この際なので、言いたい事は全て言ってやろう。そう思ったのだ。

「そんな酷い事を言わないでくれ。確かに君にあの様な姿を見せてしまった事は、申し訳ないと思っている。でも僕は、本当に君だけを愛しているのだよ。これからは誠心誠意、マーガレットに尽くす。だからこれからの僕を見て欲しい」

だから、もう私はあなたに関わりたくないのよ!

「いい加減にして…」

「マーガレット嬢、大丈夫かい?ジェファーソン殿、早速マーガレット嬢に絡んでいるのかい?彼女ははっきりと自分には関わらないで欲しいといっているのだろう。あれほどまで酷い事をしておいて、よくマーガレット嬢に話し掛けられたものだ!」

私とジェファーソン様の間に入って来たのは、ローイン様だ。美しい瞳で、ジェファーソン様を睨んでいる。

「ローイン殿…聞きましたよ。あなた、マーガレットの事が好きなのですよね。でも、マーガレットはあなたには渡さない。僕たちは7年もの間、ずっと一緒に生きて来たのだから。今はまだマーガレットも僕の事が許せないだろうけれど、きっと時間が経てば許してくれるはずです。僕たちには7年という絆があるのだから」

この人、7年のも絆ばかり言っているけれど、その絆を先にぶった切ったのは紛れもなくジェファーソン様だ。

そもそも、不貞行為という最低な事をしておいて、どうしてまだその絆があると思うのだろう。そんなもの、2人の不貞行為を見たあの日に、すべて消えてしまったというのに…

もしかしたら辛く厳しい強制労働施設生活で、頭がおかしくなってしまったのかもしれないわね。なんだか私まで、頭が痛くなってきたわ…

「ジェファーソン殿、君は一体何を言っているのだい?あれほどまで酷い事をしたのに、まだそんな事を言っているだなんて。いい加減に…」

「ローイン様、今のジェファーソン様に何を言っても無駄ですわ。もうそっとしておいてあげましょう」

珍しく怒りをあらわにするローイン様を止めた。これ以上ジェファーソン様と言い合いをしても、平行線のまま。疲れるだけだ。とにかく、極力近づかない様にしよう。

そしてその後、授業を終え、お昼休みになった。お昼休みになると同時に、令嬢たちが一斉に走り出す。私も令嬢たちに続いて、急いで教室から出た。向った先は、校舎裏だ。

「ここならあの人たちが来ることはないでしょう。とにかく今は、ゆっくりできる場所で食事をしたいわ」

きっと不貞を働いた令息たちがまた、私達被害令嬢たちに絡んでくるだろうと踏んで、他の令嬢たちと一緒に逃げて来たのだ。もしかしたらローイン様が心配して教室に来てくれているかもしれないが、ローイン様を待っていたら、ジェファーソン様に捕まってしまうだろう。

それに今は、同じ立場にいる令嬢たちと話がしたいのだ。そんな思いで、令嬢たちについて来た。近くに控えていた使用人が敷物を敷いてくれたので、皆で円になって座る。

「聞いて下さい、私の元婚約者、あろう事か私とまた婚約を結び直したいと、ふざけたことを言って来たのですよ」

「私もですわ。何度も何度もマリン様と不貞を働いたくせに、どの口が言っているのかしら?という感じですわ。もう本当に腹が立ってたまりませんの」

「もし許してくれるなら、一生かけて償う!だなんて言っていたけれど、一体どうやって償ってくれるというのかしら?本当に図々しい事この上ないですわ」

「あまりにも辛い強制労働施設の環境で、頭がおかしくなってしまったのかしら?婚約者だった頃は、もっとまともだったと思うのだけれど…」

「本当ですわね。煩わしい事この上ないですわ。こちらは二度と顔も見たくないのに。もう話しかけないで欲しいですわ」

令嬢たちが一斉に不満を爆発させる。どうやらどの令息たちも、ジェファーソン様と同じように、元婚約者でもある令嬢たちにすり寄っている様だ。皆も大変そうね。

「皆様も随分と困っているのですね。せっかく平穏な生活が戻ったのに…」

昨日までの平穏な日々が懐かしいわ。まさかこんな事になるだなんて…

ここにいる令嬢たちが、はぁ~っとため息をつく。

「とにかくこれ以上、あの男たちの好きな様にはさせないようにしましょう。令嬢たちで一致団結して、元婚約者たちが近づいてこない様に、なるべく1対1にならない様にしましょう。常に令嬢たちが一緒にいれば、きっと元婚約者たちも近づいてきにくいと思いますの」

「そうしましょう。もし話しかけて来ても、皆でその令息を追い払うという事で行きましょう」

その後も昼食もそっちのけで、今後の対応を色々と話し合ったのだった。
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