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第1章
第29話:俺を怒らせるとどうなるか思い知らせてやる~グレイ視点~
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「悪いがフェアレ殿、騎士団の稽古場に忘れ物をした。取ってくるから、少し待っていてくれ」
「それなら、うちの馬車を使うといいわ。そこのあなた、グレイを稽古場まで連れて行ってあげなさい」
「いいや、すぐ近くだから問題ない。すぐに戻ってくるから待っていてくれ」
そう言うと、急いで家から出た。向かった先はこの街にある騎士団の本部だ。
「おい、お前たち、悪いが俺の家に不法侵入者がいる。あいつらはあろう事か、俺の大切なスカーレットを追い出し、勝手にあがってやがった。悪いが、捕まえるのを手伝ってくれるか?それから、護衛団も連れてきてくれ」
「何だって、騎士団長の家に不法侵入だなんて、そんな命知らず…失礼、不届き物がいたのですか?わかりました、すぐに参ります」
10名以上の騎士団員と、さらに護衛団も一緒に連れていく。一応護衛団も騎士団員で、この街の護衛と治安維持を担っている部隊だ。もちろん、トップは騎士団長でもある俺だがな。
「いいか、相手は男爵令嬢だが、遠慮はいらん。思いっきり捕まえてくれ」
「「「「了解」」」」
一斉に俺の家に入って行く騎士団員たち。
「ちょっと、あなた達、一体何なの?」
「お前たちを、不法侵入の疑いで逮捕する。すぐにこいつらを連れていけ」
一斉にあの女と女が連れて来た使用人たちは縛り上げられていく。必死に抵抗するが、鍛え抜かれた彼らの前に、成す術などない。そんな中、俺に気が付いたあの女は
「ちょっとグレイ、これは一体どういう事よ!こんな事が許されると思っているの?」
俺に向かって金切り声で叫ぶ。
「許される?俺の大切なスカーレットを襲撃し追い出しただけでなく、主でもある俺の許可なく勝手に侵入した。立派な不法侵入だ。いいか、この国ではいくら貴族であっても、平民の家に勝手に入ったり、相手を傷つけた場合罪に問われるんだよ。もちろん、示談という方法もあるが、俺は金を腐るほど持っている。示談にするつもりはサラサラないから、覚悟しておけよ。それからもう一つ、この領地は、グレッティール伯爵領だ。領主でもある伯爵にも、今回の事はしっかり報告させてもらうから、覚悟しておけよ」
グレッティール伯爵は、領民思いの領主だ。騎士団長でもある俺の事も気に入ってくれている。そんな俺の家に勝手に侵入した男爵令嬢を、もちろん許すはずはない。あの女の家に、激しく抗議をするだろう。
男爵は貴族界では一番下の身分。男爵よりずっと身分が高い伯爵家から抗議を受ければ、今後貴族界で生きていくのは大変だろう。まあ、自業自得だな。
「待って、グレイ。私は別に勝手に侵入した訳ではないのよ。きちんとあのメイドに話を付けて入れてもらったの」
「俺の家にはメイドなどいないはずだが」
「ほら、居候の何とかっていう平民よ」
「あぁ、スカーレットの事だな。では、なぜこの家の住民でもあるスカーレットがいないんだ?おかしいよな?おい、お前たち、この家にスカーレットはいるか?」
「色々と探しましたが、スカーレットちゃんの姿はどこにもありません。もしかして、お前たちがスカーレットちゃんを誘拐したのか?」
「違うわ、誘拐何てする訳ないでしょう。街の中心に置いてきただけよ」
「とにかく、こいつらを連れていけ」
俺が叫ぶと、次々に連行されていく女と使用人たち。
「待って、グレイ。お願い、許して」
そう叫んでいるが、もちろん許すつもりはない。俺を怒らせるとどうなるか、身をもってわかったはずだ。もう二度と、俺の前に現れる事はないだろう。と言うより、きっとこれからはそれどころではなくなるだろう。まあ、自業自得だから仕方ないよな。
あの女が騎士団の馬車に乗せられるのを見送る。
「悪いがあいつらの事情聴取と、伯爵への報告は任せてもいいだろうか?俺はスカーレットを探しに行く」
「ええ、構いませんよ」
「団長、俺たちもスカーレットちゃんを探しますよ。きっとまだ、この街にいるはずだ。手分けして探せば、すぐに見つかりますよ」
「じゃあ、俺は街の方を探そう」
「俺はホテルを当ってみる」
「それじゃあ、俺は一旦家に帰って、リンダにスカーレットちゃんが行きそうな場所を聞いてくる」
「皆、ありがとう。悪いがよろしく頼む。もしスカーレットの居場所がわかったら、すぐに通信機で知らせてくれ」
「「「わかりました」」」
スカーレット、待っていてくれ。必ず君を見つけ出す。そして今度こそ、自分の気持ちを伝えよう。
そう決意し、中心街に向かって走り出すグレイであった。
「それなら、うちの馬車を使うといいわ。そこのあなた、グレイを稽古場まで連れて行ってあげなさい」
「いいや、すぐ近くだから問題ない。すぐに戻ってくるから待っていてくれ」
そう言うと、急いで家から出た。向かった先はこの街にある騎士団の本部だ。
「おい、お前たち、悪いが俺の家に不法侵入者がいる。あいつらはあろう事か、俺の大切なスカーレットを追い出し、勝手にあがってやがった。悪いが、捕まえるのを手伝ってくれるか?それから、護衛団も連れてきてくれ」
「何だって、騎士団長の家に不法侵入だなんて、そんな命知らず…失礼、不届き物がいたのですか?わかりました、すぐに参ります」
10名以上の騎士団員と、さらに護衛団も一緒に連れていく。一応護衛団も騎士団員で、この街の護衛と治安維持を担っている部隊だ。もちろん、トップは騎士団長でもある俺だがな。
「いいか、相手は男爵令嬢だが、遠慮はいらん。思いっきり捕まえてくれ」
「「「「了解」」」」
一斉に俺の家に入って行く騎士団員たち。
「ちょっと、あなた達、一体何なの?」
「お前たちを、不法侵入の疑いで逮捕する。すぐにこいつらを連れていけ」
一斉にあの女と女が連れて来た使用人たちは縛り上げられていく。必死に抵抗するが、鍛え抜かれた彼らの前に、成す術などない。そんな中、俺に気が付いたあの女は
「ちょっとグレイ、これは一体どういう事よ!こんな事が許されると思っているの?」
俺に向かって金切り声で叫ぶ。
「許される?俺の大切なスカーレットを襲撃し追い出しただけでなく、主でもある俺の許可なく勝手に侵入した。立派な不法侵入だ。いいか、この国ではいくら貴族であっても、平民の家に勝手に入ったり、相手を傷つけた場合罪に問われるんだよ。もちろん、示談という方法もあるが、俺は金を腐るほど持っている。示談にするつもりはサラサラないから、覚悟しておけよ。それからもう一つ、この領地は、グレッティール伯爵領だ。領主でもある伯爵にも、今回の事はしっかり報告させてもらうから、覚悟しておけよ」
グレッティール伯爵は、領民思いの領主だ。騎士団長でもある俺の事も気に入ってくれている。そんな俺の家に勝手に侵入した男爵令嬢を、もちろん許すはずはない。あの女の家に、激しく抗議をするだろう。
男爵は貴族界では一番下の身分。男爵よりずっと身分が高い伯爵家から抗議を受ければ、今後貴族界で生きていくのは大変だろう。まあ、自業自得だな。
「待って、グレイ。私は別に勝手に侵入した訳ではないのよ。きちんとあのメイドに話を付けて入れてもらったの」
「俺の家にはメイドなどいないはずだが」
「ほら、居候の何とかっていう平民よ」
「あぁ、スカーレットの事だな。では、なぜこの家の住民でもあるスカーレットがいないんだ?おかしいよな?おい、お前たち、この家にスカーレットはいるか?」
「色々と探しましたが、スカーレットちゃんの姿はどこにもありません。もしかして、お前たちがスカーレットちゃんを誘拐したのか?」
「違うわ、誘拐何てする訳ないでしょう。街の中心に置いてきただけよ」
「とにかく、こいつらを連れていけ」
俺が叫ぶと、次々に連行されていく女と使用人たち。
「待って、グレイ。お願い、許して」
そう叫んでいるが、もちろん許すつもりはない。俺を怒らせるとどうなるか、身をもってわかったはずだ。もう二度と、俺の前に現れる事はないだろう。と言うより、きっとこれからはそれどころではなくなるだろう。まあ、自業自得だから仕方ないよな。
あの女が騎士団の馬車に乗せられるのを見送る。
「悪いがあいつらの事情聴取と、伯爵への報告は任せてもいいだろうか?俺はスカーレットを探しに行く」
「ええ、構いませんよ」
「団長、俺たちもスカーレットちゃんを探しますよ。きっとまだ、この街にいるはずだ。手分けして探せば、すぐに見つかりますよ」
「じゃあ、俺は街の方を探そう」
「俺はホテルを当ってみる」
「それじゃあ、俺は一旦家に帰って、リンダにスカーレットちゃんが行きそうな場所を聞いてくる」
「皆、ありがとう。悪いがよろしく頼む。もしスカーレットの居場所がわかったら、すぐに通信機で知らせてくれ」
「「「わかりました」」」
スカーレット、待っていてくれ。必ず君を見つけ出す。そして今度こそ、自分の気持ちを伝えよう。
そう決意し、中心街に向かって走り出すグレイであった。
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